勇者パーティの力
訓練の為、召喚組である勇者達は、騎士団長率いる王国騎士団の精鋭と共にトアソルアの迷宮へと足を踏み入れた。
ガンルズ団長の説明もそこそこに勇者パーティは、騎士達に守られながら各種魔物を倒す訓練を積んでいた。
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「よっし、一通りこの辺りにいる魔物の特徴はわかったな?ここからはパーティとしての連携の訓練だ。本当に危険な時は助かるが、パーティとしての訓練だからな、今までのように戦闘を補助する事はしない。この訓練は、お前らの力で切りぬけろ」
「任せて下さい、俺たちなら問題無いですよ!」
ガンルズ団長の言葉に代表して返事をしたのは勇者であり、パーティのリーダー、神崎勇輝であった。
それを肯定するようにクラメイト達も頷く。
それから先は順調だった。付与術師が勇輝を含む前衛職に身体能力強化などの魔法を付与し、強化された前衛達が前に出て、魔物をくい止める。
そうして稼いだ時間で結香を含む後衛の魔術師達が魔法を詠唱、タイミングを合わせて前衛が下がりその瞬間に魔法の爆撃が魔物に降り注ぐ。
万が一、前衛が魔物を止められなかった場合、結界術師が後衛を守る。
そうして戦いで傷ついた者たちを治癒術師が回復していく。
正にパーティ連携の基本、長年訓練を積んできた騎士たちから見ればまだまだ連携に甘い所があるが、そういったところは元々のスペックの高さで補う。
「うむ、強いな。今後の訓練次第では、この国ではどのパーティも敵わなくなるだろな」
団長がそう呟くのを聞いた勇輝たちは、喜び更にトアソルアの迷宮を奥へ進んでいくのであった。
それからおおよそ半日が経った。迷宮に入ったのが早朝だったので外はそろそろ夕方になる頃、勇者パーティは、トアソルアの迷宮、第100階層に居た。
あの後も訓練を続けながら奥へ奥へと進む内にここまで来てしまったのだ。
「な、なんて成長の早さだ・・・一回の戦闘を重ねるたびに強くなっている。しかもここまで半日で攻略してしまうとは・・・」
ガンルズ団長が驚愕の声を上げる。他の騎士たちも驚いた顔だ。
地図があるとはいえ、半日で第100階層まで来てしまうのは異常と言えた。
今のトアソルアの迷宮の最高到達階層は、321階層
それは大昔に数百人規模のパーティが数年という月日をかけて到達した階層だ。
そんな場所のおよそ3分の1をたった十数人でしかも半日で攻略してしまうというのは異常であった。
次の日、この事が広まったテオリスではそれはもう都市中が神の使徒である勇者たちに期待するのであった。
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次回は本編です!




