神域
犯人は人族で間違いないのだろう。
その事に気がついてしまった創真は何となく自分が、何故こんな場所へ、転移させられたのか何となく検討が着いていた。
転移前、火島と戦っている時、火島は何かの魔道具を使い、無詠唱で【ファイヤボール】を使っていた。多分、誰かは分からないが王国の人間が僕を消したがっていた火島に貸し与えて、ゴーレムを見てしまった創真を消そうとしたのだろう。
火島が僕と戦っているところを誰かに見られても万が一にも王国が関わっていると知られないように。
そうして、僕を消したいという目的が火島と一致していた王国の人間が火島を利用したのであろう。
そうなると転移陣を用意したのも同じ人物と考えられる。
天山の向こう側に繋がる転移陣を作れるならその周辺に転移させる転移陣も作れる筈だからだ。
おっと、自分の考えに没頭してしまった。今はフェルの話を聞いてる途中だったのに。
「それで、その犯人の人族と同じ種族である僕に何を頼みたいんだい?」
そう、ここは確認しておきたい。何故、フェルは人族である僕にそんな頼みをしてきたのか、もしかしたら犯人の仲間かもしれないのに。
「それは、創真を信じることができるから。信じるに値する理由は主に二つ、一つはこのダンジョンを100階層まで攻略する程の力があるから。二つ目は・・・創真からお父様と同じ魔力の匂いがするから、かな」
「魔力の・・・匂い?」
「魔力を食べて進化する私達、エンシャントドラゴンは、人の持つ魔力を匂いとして感じる事が出来る。創真からはお父様と同じ匂いがする」
「そんな事が出来るのか・・・ってゆうか、何故僕から主神と同じ魔力の匂いが?」
「分からない。けどさっき使った鍵から放出された魔力はお父様の魔力その物だった」
鍵・・・やっぱりこれは主神と関係のある物なのだろうか?まぁ、いいか。今は問題の解決に向けて動かないとならない。
「わかった。僕に何が出来るか分からないけどフェルに協力するよ」
「っ!ありがとう!」
そう言うとフェルは、驚いたように目を見開き笑顔でそう言った。
「そうと決まればその転移陣を見せてもらいたいんだけど、良いかな?」
「わかった。付いて来て」
そう言うと、いつのまにか出現していた。今までと同じ様な階段があり、フェルは、その階段を降りていった。
遅れて僕も降りていくと、そこにはフロアマスターのフロアに続く扉と同じ扉があり、その前でフェルが待っている。
「この先が私達の街・・・本当に私に協力してくれるの?」
不安なのだろうか、改めて聞いてくる。
「うん、さっきも言ったように何が出来るか分からないけど、僕に出来ることはやってみるよ」
「ありがとう」
フェルは、そう言うと扉をゆっくりと開けた。
その先は正に天国、と言った様な綺麗な街であった。
「ようこそ私達の街、神域へ」
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