魔法
作戦が失敗し、巨大スライムに追い詰められてしまった創真、死を覚悟し最後に一矢報いてやろうとしたその時、夢で手に入れた鍵が光り出し難を逃れることが出来た。
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「ここからなんとかしてみせるっ!」
とは言っても状況はあまり変わっていない、スライムは体を小さくされるのを警戒してすぐに再生してしまうし、そうなると剣での攻撃は無意味になってしまう。
巨大スライムを倒すにはどうしても魔法が必要になる。だが僕は魔法を使うことが出来ない、これじゃあジリ貧だ。
そんな時、頭にふと浮かんだ考え、そう言えば主神の書にも鍵穴あったけどあれって開けられないのかな、主神の書を取り出し魔力を流して構造を把握する。
もちろん今は戦闘中なので、スライムの攻撃を避けながらだ。避けるだけだったらスピードも遅いから楽だし。
「え?この形って・・・まさか」
そんなこんなで魔力が伝えてきた鍵穴の構造は、なんと先程、光った鍵と一致するものだったのだ。
恐る恐る、鍵を差し込み回してみる
ガチャリ
そんな重い音がして本が開いた、今まで何も無い白紙だったページにはちゃんと文字が書いてある。そして、その文字達が吸い込まれるように鍵穴に差し込んだ鍵に近づき消滅していってしまった。
全てのページで同じことが行われた後、主神の書は灰色に変わりその場に落ちてしまった。
い、一体なんだったんだろう?鍵は相変わらず金色に光輝きその場に浮いていた。
「ん?浮いてる!? え、なんで?」
ファンタジーってことがなんでもありなんですね、改めて思い知らされた瞬間であった。まさか鍵が浮いてるところを見る日が来るなんて。
未だ浮いてる鍵にゆっくり触れる、すると。
「ぐぅっ!がぁぁ!?」
頭にとんでもない量の情報が流れ込んできた。とても不快で堪らず蹲ってしまう。
ようやくその不快な感じが収まった時、僕の頭の中には普通ならあり得ないことが起きていた。
今まで僕はナムルさんには少ししか教えて貰えなかった魔法の知識、書庫で読んで身につけた魔法の知識しか無かったのだがなんと下級魔法から、最上級魔法まで、果ては伝説上の魔法や、物語に出てきていた魔法の知識があったのだ。
普通、魔法というのは魔法ごとに決まっている詠唱、魔法陣を覚えてその上で使うことが出来る。
なので、魔術師というのはとても適正だけでなくとんでもない量の勉強、暗記が必要になるのだが、今、僕ははそれらを吹っ飛ばして全てを無理やり頭に詰め込まれたのだ。
ということは僕に過剰すぎる魔力さえあればどんな魔法でも撃つことが出来ると言うわけで、チートである。
しかもなんのオマケが知識と一緒とんでもない量のだ魔力も流れ込んできていた。どんでもない、ご都合主義展開だが、これであのスライムを倒すことが出来る。
これで家に帰れるかもしれない、そう考えると喜びが溢れてきて、僕は叫びそうになってしまった。
まぁ、今はこの戦闘を終わらせるのが先だ、その後でゆっくり確かめよう、今までその大量の魔力に恐れていたのか、はたまた空気を読んでいたのかスライムはその場で動かずじっとしていたので最初の実験台になってもらうとしよう。
「やっと念願の魔法だ、楽しもうじゃないか」
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なんだかご都合主義展開が多すぎる回でした、




