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鍵師は道を切り拓く  作者: SYG
第一章
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召還

二話目です!

不定期更新でやって行きますのでどうかよろしくお願い致します。

 目を開くとそこは、きらびやかな、とても広い空間だった。どうやらどこかの建物の中のようだ。


 そう、そこは先程までいた教室では、なかったのだ!

 創真は、困惑しながらも周りの様子を把握するため、周りを見渡した。魔法陣が現れた時に教室にいた者は皆、いるようだ。


 この建物の床は多分、大理石、明かりは大量の蝋燭が付いていた、壁を見ると、左右対称に一定の感覚で壁画が彫られている、自分達の後ろは、壁でそこには、大きな壁画が彫られていた。


 その壁画には、金髪、金眼で中性的な人物が彫られていて、その人物の後ろからは後光が溢れていた、いかにも光の神、というような壁画だ、よく見れば周りの壁画もどれも同じような物だった。


 そこまで確認したところで、全員が気づいた、この場所には、自分達以外の人がいることに。その人達は司祭のような服を着てこちらに、向かって跪いている、最前列の真ん中の司祭服に人は服が他と違って豪華な物を着ているので、高い地位についてるようだ。


 更に司祭服の集団の周りには、甲冑を着込んだ騎士のような集団が同じくこちらに、跪いていた。その時、最前列の真ん中の人が立ち上がって口を開いた、最前列の真ん中、つまり豪華な司祭服の人だ。


「ようこそ、ノルニドラへ、勇者様方、歓迎致しますぞ。私は、光教教会、教皇のプロメギルと申します。以後よろしくお願い致します」


 プロメギルと名乗ったのは、70歳くらいの優しそうなおじいさん、といった様子の人だった。


 勇者様?まぁ勇者みたいな奴はいるけれどプロメギルは、勇者様方、と言ったのだ、ここにいる皆が勇者ってことなのか?


 皆は、ここは、どこだ。などなど、言っていることは、様々だが、一様に怯え、や焦燥、不安を顔に浮かべている。


 だが、しょうがないだろう、何せいきなり目の前が光ったと思ったらその次の瞬間にはそこは、教室ではなく、全く知らない人に勇者様、などと言われた挙句。


 これまた、聞いたことがない宗教のような名前を聞かせられて、慌てるなと言う方が無理だ。真っ先にオカルト宗教の類に誘拐されたと思うだろう。


 そんな混乱の中、一つの声が響いた。


[皆、落ち着くんだ。俺があの人と話をしてみる。」


 その声で、ざわめきは収まったようだが皆、不安はあるようだった。


 1人だけ後ろで落ち込んでいる人がいる。天江先生だ。どうやら、先生として皆をまとめることができずショックを受けているようだ。


 そんな中、創真は、周りとそんなに変わらない状態だったが、ただ一つ違うとすれば、この後の展開にだいたい、想像がついていることか。


「あの……ここは、一体どこなんですか?それに、勇者って、誰のことですか?」

「そうですよ!こんなところに私達を連れてきて何のつもりですか!これは、誘拐ですよ!」


 勇輝と天江先生の声が響いた。天江先生は多分に怒りが含まれている声だ、生徒達を、危険な目にあわせてしまうかもしれない、と焦りがあるのかもしれない。


 それらの質問に対して、プロメギルは顔色一つ変えずに、答えた。


「焦る気持ちも分かりますが、ここでは、なんですし、下に降りて、もう1人を加えてから、説明いたしましょう。そして、私達には、あなた方を害する、意思はありませんから、ご安心ください」


 下に降りる?ここは、建物の上階なのだろうか。まぁ、とにかく害する意思がない、とゆう言葉を聞いて、ひとまずは、安心した。皆も先生も安心したようで、ほっ、と息をついている。


「では、こちらに、お願い致します」


 こちらが、納得したのを、見計らいそう言って、プロメギル達の後ろにあった、床に大きな円が描かれた場所に立った。ここに、入れ、と言うことらしい。


 そこで、創真達は、十分に警戒しながら、その円の中に入った。


「皆さん、お乗りになられましたね?」


 そう言って、乗ったのを確認して、円の中に入っていなかった、司祭服の人、恐らく、光教教会の信徒なのであろう人に、何か、合図をだした。


 すると、信徒達は、何かを、ぶつぶつと呟き始めた、それから、十秒くらい経った頃、それは、起こった。


 なんと、床に描かれていた、円が光って、下にスライドしていったのだ。何人かは、驚いて、床に手をついていた。


 すると、それまで、壁に囲まれていた、床、もとい円盤は、いきなり開放感に溢れ、空中になげだされた。


 なんと、そこは、雲の上だった、遠くには、夕陽が沈みかけていて、夕陽にてらされた、あたり一面の雲海は、とても、幻想的だった。


 皆は、その光景に見とれて、呆然としているが、どうか気づいて欲しい、この円盤の周りには、ガラスのような、透明な物が、何も無いうえに、この円盤を支えていたり上から、つったりしているものは、一切ないのだ。


 つまり、何が言いたいのかと言うと、この円盤は、空中で浮いていてしかも、ひとりでに動いているのだ。


(うわー、このことに皆が今、気付いたら皆、パニックになるだろうなぁ)


 創真はそう思ったが、スルーすることにした。上を見上げると、そこには、さっきまで、自分達がいたであろう、建物があった、こちらも浮いていた、だが、スルーだ。


 創真は、それらを気にしないようにしようと、改めて周りを見渡すと、結構、遠くにあるのだろう、小さく山のような物が見えた、その山は、頂上が雲を越え遥かに高い場所にあった、雲より遥かに高い標高の山それが、山脈のように、連なっているのだ。


 そうこうしているうちに、円盤は、だいぶ下がったようだ。雲に近づくにつれ、雲の合間から、街並みが見えてきた。


 とうとう円盤は、雲の中に突入した、雲の中では、不思議と円盤の内側だけは、視界が遮られることはなかった、円盤のすぐ外は、何も見えなっかたのにだ。そうして、少し経つと、円盤は雲を抜けそこにあった町を一望することが出来た。


 そこにあったのは、町ではない、とても大きい都、と称するべきものだった。こんな大きな都は、日本ではおろか、地球上の何処にもない。


 つまり、薄々気付いていたが、ここは、プロメギルの言ったとうり、ここは、地球ではなく異世界、ノルニドラ、とゆう世界らしい



 ~~~~~~~~~~~~~~



 その後、円盤は、都の中でも特に目立った、大きな城の裏庭っぽいところ{異常に広かったから}に地面にと同化するようにはまり、動かなくなった。


 創真達は、プロメギルに案内され、たどり着いたのは、豪華な意匠の施されている扉の前だった。扉の前には、門番なのであろう甲冑を着た男の騎士が立っていた。ただし、この騎が、着ている甲冑は、上の建物にいた騎士とは、意匠が違っていた。


 門番は、初めて見る顔の創真達を見て、一瞬訝しそうにしたが、先頭で歩いているプロメギルを見て何かに納得したようで、何も聞かずに、扉を開けた。


 扉の先は、某有名RPGの王の謁見の間といった感じだった。上には、大きく、きらびやかなシャンデリアがつるされ、床には、扉から奥まで轢かれている豪華な絨毯、その両脇には、さっきの騎士と同じ甲冑を着た騎士が並んでいる。更にその奥には、王座と呼ぶに相応しい椅子があり、そこに1人の男が座っていた。


 その男は、威厳に満ちており、覇気があった。たぶんこの男は、ここの重要人物、おそらく一番高い地位についているのだろうと推測できた。


「ようこそ、王都アーシラへ私は、国王、ぺルセ・L・B・アーシラ、と申します。」


 立ち上がりながら、そう言って挨拶をしてきた。


 王なのだから、跪いたりした方がいいかと思い、プロメギルは、普通に立ったままだった。そうしていて、何も言われないことから、光教教会の教皇は、国王と同じ立場にあるようだ。それは、国王が、わざわざ立ち上がったことからも明らかだろう。


「あのう、そろそろ質問に答えて欲しいのですが?」


 プロメギルの言っていたもう1人が、国王のことだと、気付いたのだろう。勇輝がそう言った。


「おぉ、そうでしたな。配慮が足りず申し訳ない。では、立ったままでは、いけないでしょうから、座れるところえへ行ってから、はなしましょう。」


 そう言って、さっき来た道を国王と教皇自らの案内によって、引き返し、食堂のような場所についた。


 最初から国王もここで待ってろよ、と思わなくもないが、まぁ、いいだろう。食堂の中は、長いテーブルがありそこにいくつもの豪華な椅子がある。


 そこに座るように薦められ皆が、テーブルについたところで、突如、皆の後ろからメイドさんが出てきて飲み物を置いて行った。そう、本物のメイドさんだ。しかも、メイドさんは皆とても美人だったのだ!決して地球にいるようなエセメイドでも、コスプレでもない、正真正銘のメイドさんだったのだ!


 俺達の夢はここにあったのだ!と大半の男子がメイドさんを凝視している。そんな、男子達に女子達のゴミを見るかのような冷たい視線がつきささる。特に結香の創真を見る目が怖い、創真は見ていなかったと言うのに。


 皆に飲み物が渡ったのを確認した、プロメギルが、口を開いた。


「さて、あなた方は、ひどく混乱されている様子ですので、一から説明いたしましょう。」


 そう言って、説明された内容は、実にファンタジーでテンプレな物だった。


 まとめるとこうだ。


 この世界は、さっきプロメギルが言っていた通りノルニドラと呼ばれている。ノルニドラには、大きく分けて三つの種族がいて、それぞれ、人族、亜人族、魔人族だ、実にテンプレである。


 人族はそのまま人間を指し西一帯を支配している。亜人族は基本人間の見た目をしているが、獣の耳や尻尾が生えており、南にある小さな森都で暮らしているそうだ。最後に魔人族は東一帯を支配していて見た目は人間だが、人間より遥かに高い身体能力を持っているらしい。


 その内、人族と魔人族が、長い間、戦争を繰り返し争い続けているそうだ。魔人族は、数こそ少ないが、その身体能力で、人族は、圧倒的数の有利で、今まで拮抗していたらしい。ここ数十年は大きな戦争はなかったのだが、最近、異常事態が多発しているとゆうそれが、魔人族の今までより異常に強い個体の出現、数の急激な増加だ。


 強い魔人族は、数で何とか出来たが、急激な数の増加の意味するところは、人族の数とゆうアドバンテージが崩れるとゆうことで、つまり、人族滅亡の危機なのだ。


 こちらの魔人族との関係関係はわかってはいない、魔物の増加、強力な個体の出現があるそうだ、わかってはいないが、状況が魔人族と同じなので、何かしらの関係があるだろうとの事だった。


 因みに魔物とは、野生の動物が大量の魔力を帯て変質したものだ、と言われているが、よくわかっていないらしい、魔物は、凶暴で、ほとんどの魔物が魔力を操れるらしくとても厄介な害獣だ。


「あなた方を召還したのは、マハー様です。我々、人族があがめる守護神、光教教会の唯一神にしてこの世界を作った主神様の眷属の1人の光の神マハー様なのです。おそらくマハー様は、このままでは、人族が滅んでしまう、と悟ったのでしょう。それを防ぐためあなた方が召還されたのです。あなた方は、召還の際に例外なく強力な力が与えられているはずです。今より、少し前にマハー様より、神托が下ったのです。あなた方と言う"救い"を送ると、あなた方には、是非ともその力を発揮し魔人族を内倒し、我々、人族に救いをもたらして欲しいのです。」


 とてつもなく長い話だった……プロメギルは、恍惚の表情で語っていたが、神托を思い出しているのだろう、聞けば人族は、ほぼ全員が光教教会の信徒だとゆう。


 創真は、"神の神托"に疑いや、拒否感を持たずそれどころか嬉々として、従うのであろうこの世界のあり方にうすら寒さを覚えた。プロメギルの説明を聞き、憤怒の声を上げる人物が現れた。


 天江先生だ。


「あなた達は、この子達に戦争をしろと言っているんですか!ふざけないで下さい!勝手に連れてきて私達には何の関係ないもない理由で戦争をしろなんておかしいじゃないですか!家族が心配しています。今すぐ私達を帰して下さい!」


 生徒達は、そんな自分達のために頑張っている天江先生を見て、少し不安が消えたようで、自分達っも抗議をしようと、口を開きかけたが、次のプロメギルの言葉で凍り付いた。


「お気持ちは、ご察しします。我々の勝手な都合を押しつけてしまい申し訳ありません。ですが、現状であなた方がお帰りになる方法はありません。」


 場が一瞬で静寂に満ちた、皆が何を言われたのか理解できないといったように、呆然としている。


「ふ……不可能!?なぜです!呼べたのだから帰すことは、できるはずです!」


 天江先生が叫んだ。


「先ほども言った通り召還したのは、マハー様なのです。我々、人族では、空間に干渉できる魔法は、使えないのです。」


 その言葉に天江先生は、脱力しすとん、と椅子に落ちた。生徒達もパニック状態で騒ぎだす。創真も平気ではないが、他の生徒よりはましだった。なぜなら、小説家の息子でオタクな創真は、こんな状況は、創作物で、知識にあったし、ここに来た時点でこうなることは、だいたい予想が付いていたのだ。


 生徒達が、騒ぐ中勇輝がすっ、と立ち上がった、皆がそれに気付き静かになって勇輝を見る。


「プロメギルさんに文句を言っても何も解決しない・・・だから俺は、戦おうと思う、この世界の人がピンチなのは、事実だし、人々を救えれば、帰してもらえるかもしれない、俺はこの世界の人も皆も助けるために戦う!」


 その言葉に皆の絶望に染まっていた、表情が、晴れる


「勇輝が、戦うなら1人では、心配ね。私も戦うわ」

「そうだね、怖いけど私もやるよ!」


 椛と結香が勇輝に賛同した、その流れで、「俺も」「私も」と次々に賛同していく、そうして結局皆で戦うことになった。おそらく皆は、本当の意味で戦争がどういう意味なのかわかっていない、一種の現実逃避だ。


 そんなことを思いながら、創真は、プロメギルをずっと観察していた、彼は、満足そうににこやかに笑っていた。だが創真は、見ていた。


 勇輝に皆が賛同していくのを見て、ほんの一瞬、笑ったのだ今浮かべているようなにこやかな笑みではない、もっと狂気的な笑みだった。


 創真は、プロメギルを要注意人物として、警戒することにするのだった。


 

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