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鍵師は道を切り拓く  作者: SYG
第一章
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覚悟








「君は、もう十分に強い、だから私から教えることは、もう無い。君は、私と本気で戦って勝った。正直あそこまで本気を出したら下手をしたら殺してしまう所だった。そのぐらい君は、強かったんだ」


ナムルさんとの模擬戦が僕の勝利という形で終わり今は、さっきの模擬戦の反省時間だ。


「正直、これまでの訓練、というか模擬戦は、創真君の訓練の意味もあったがほとんど私の為に組んだ訓練内容だったんだ。それは、謝ろう。知っての通り私は、剣が好きだ。戦う事が好きだ。」


うわぁ、ナムルさんがここに来てまさかのバトルジャンキー発言


「だから君との模擬戦は、とても楽しかったんだ。創真君、これからも今日と同じ様に私との模擬戦を受けてくれるかい?」


ナムルさんには、剣術についてアドバイスをたくさん貰った逆に言うと殆どそれしか教えて貰ってない気もするがそれでも僕は、成長することが出来た。だから


「こちらこそ宜しくお願いします。絶対に負けませんからね」


「あぁ、ならば絶対に勝ってみせる。教官としてこのまま負けたままではいられないからな」


そう言い合って二人は、笑ったのであった。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜








その日の訓練は、それで終わり僕は、自室に戻ろうと廊下を歩いていると、前から火島が歩いて来て僕を見つけた途端にニヤニヤとしてこちらに近寄って来た。


嫌な笑い方だ日本に居た時と何かが違うもっとおぞましい


「よぉ、役立たず、ちっとは、強くなったか?まぁ、あんな雑魚スキル持ってる時点で無能は、無能だけどな」


そう言って火島は、ゲラゲラと笑った。


「そうだ、俺が直々に稽古をつけてやるよ。今日の12時訓練場に来い、わかったな」


そう言って火島は、去って行った。


あぁ、最悪だ、火島から呼び出しをくらうなんて、行ったら何をされるかわかったもんじゃない。いや、僕だってナムルさんに勝てるくらい強くなったんだ絶対見返してやる。


そう思い僕は行くことを決意した。


夜中の12時、僕はナムルさんに貰った魔剣と一応、主神の本を持って訓練場に来た。そこには、既に火島が待っていて訓練用なのだろう、木剣を持っていた。


「さぁ、稽古開始だぁ」


火島は、僕を見るなりニヤニヤしながらそう言って火の玉を放って来た。


「なっ!?」


僕はそれを見て驚きながらもなんとか避けることが出来た。


魔法!?人間が突然火の玉を出せるわけがない、となるとあれは、魔法だ。でも詠唱は?魔法陣は?


そんな事を考えている間にも火島は、次々と火の玉、魔法名は、ファイヤボールを飛ばしてくる。


それらを必死に避けているとパキンッ!という音が鳴りファイヤボールの乱射が終わった。


「ちっ時間切れかよ」


どうやら火島は、魔道具か何かを使っていた様だ。


でもそれが壊れた今なら近づける!僕は、魔剣を構えて地面を蹴り火島に近づく。


「ッ!おいおいそれ真剣じゃねぇか?無能のくせに良いもん持ちやがって」


魔剣は、火島の木剣に阻まれたが多分、火島は僕のスピードに驚いていた、これなら勝てる。


僕は、一旦火島から距離を取る。だがそれが間違いだった。


「はっ!お前馬鹿だなぁ!『火よ』」


距離を開けた瞬間、火島は詠唱をして魔法陣を作り出しさっきと同じファイヤボールを打って来た。


だが詠唱が早すぎる!ちょうど地面に足が着いた瞬間だった僕は、避けることが出来ずファイヤボールをもろにくらってしまった。


「ガァ!?」


ファイヤボールが当たった僕の体は、吹き飛び地面に叩きつけられる。


痛みで動けずにいる僕の元に火島が歩いて来て僕の胸ぐらを掴み持ち上げる。


僕を掴んだ火島は、自分の顔の高さまで吊り上げた


「さっきまでの威勢は、どおした?あぁ!?」


この時、僕は、ここに来てから初めて火島の顔を見た。


邪悪、そう表現する他ない。火島の目の奥には、ドロドロとした闇が渦巻いていたのだ。


『火よ』


火島は、ファイヤボールの詠唱を唱え僕を放り投げると同時に僕にぶつけた。


吹き飛ぶ僕、その体が地面に着いた瞬間、地面に魔法陣ガァァ浮かび上がった。


なんだこれ!?この光り方は、まさか!?


僕がその現象に驚いていると。


「あっはっはっはっ!上手く行ったぜぇ!お前は、消えるべきなんだよぉ!あははははははは!」


そう言って火島は、狂ったように笑い続けている。


僕が消えるべき?何を言ってるんだこいつは?しかもこの魔法陣の光り方には、見覚えがある日本からこの世界に連れて来られる時に見た光だ。


つまりこの魔法陣は、転移魔法


しかもこの魔法陣で日本に帰れる可能性は、絶対に無いだろう。


僕は、何故かそう確信していた。


今度は、どこに飛ばされるんだろう


そう考えながら僕の視界は、真っ白に塗り潰されていった。








〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜









創真が転移魔法によって消えた後、さっきまで創真が居た。場所を見ながら火島は


「やった、やったぞ!あの役立たずを消してやった!これで結香は、俺のものだ!ふっひゃひゃひゃひゃひゃ!」


1人で笑うのだった。










ちょっと長くなりました。


いつもお読みいただきありがとうございます。


誤字脱字等、見つけたら報告いただけると有難いです。

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