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鍵師は道を切り拓く  作者: SYG
第一章
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訓練の成果





創真が地下で謎のゴーレムを見てから3週間が経った。


この3週間、創真の創真の生活は、同じ事の繰り返しである。


朝、起きて朝食を食べ午前の訓練が始まるまで書庫で本を読む。


その後ナムルさん模擬戦を昼まで昼食を食べ午後の訓練で鍵開けのスキルを練習、終わったら夕食を食べて、寝る。


だいたいこんな感じの生活だった。


最初と変わった事と言えば午後の訓練が追加されたぐらい、鍵開けのスキルに関しては本当に慣れだった。


ある日を境になんとなくコツを掴みすんなり出来るようになった。


最初は、何百個もあった南京錠は、もう20個しか無い。


午前の訓練は、今までどうり剣術(ナムルさんと模擬戦しかしてないのだが・・・)でも創真の体力がつき今ではそれなりに動けるようになっていた。


少なくともナムルさんに木剣を使わせて尚且つしっかり防御させるくらいには上達しているのだがそれでも未だナムルさんに有効打を当てられていない。


そんな日々を過ごしながらも創真は、週に一度例の地下への下り階段があった場所へ行っているのだがいつ行ってもあの場所に階段なんて無かった。


二度目に行った時に気付いたのだが階段があった廊下に特徴的絵画が飾られてあったので場所を間違えている訳では無い、二度目に行った場所が本当に合っていればの話だが・・・


王宮内でもあの夜以外迷う事も無くなった。


だからこそあのゴーレム達は、本当に夢なんじゃないかと思い始めてきた。


もちろんこの事は、誰にも話してない、何しろ実物が無いのだから説明なんて、できっこ無い。


それよりも・・・平和だ。


ノルニドラに召喚されてから約1ヶ月。


この1ヶ月間、魔族の脅威なんて嘘かのように平和なのだ。


以前、王都に出掛けた事があったが町の人は、皆とても明るい雰囲気だった。


もちろん平和なのは、良いことなのだが世界を救ってくれと無理矢理連れてこられた召喚組としては、なんだかなぁという気分だ。


まぁ、ここが平和なのは、人族領内で最も魔族の支配する領域から離れた所に王都があるからっていうのもあるのだろう。


創真は、そんな事を考えながらいつも午後の訓練をするのに使っている講義室へと向かった。


扉を開けるといつものようにナムルさんが宝箱を持ってニコニコ顔で待っていた。


創真が椅子に座ると同時に鎖付きの南京錠が巻かれる。


「後20個で君に巻かれている鎖は、終わりだね。そしたら今度は、宝箱の方だ。こっちは、50個程だから直ぐ終わるんじゃないかな」


あのニコニコ顔・・・流石にわかるようになってきたぞ。


あの顔は、なにか悪戯を考えている時だ。


王国騎士団の副団長ナムルさん、いつも冷静で評判だがその実、結構悪戯好きだったりする・・・


そしてそんなナムルさんがあの顔、ということは、宝箱の方に何か仕掛けがしてある気がする。


慎重にやろう。


2週間も同じ訓練をしていたら流石に慣れたようで、もう鍵開けにも苦労しなくなった。


今ではナムルさんと雑談しながらでもひょいひょい解くことが出来る。


召喚の恩恵が全く感じることが出来ない創真だったがこのスキルの慣れの速さは、恩恵によるものな気がする。


創真は、魔力量が少ないがこのスキルならその問題も関係ない。


何しろ南京錠を自分の魔力で解いたらその魔力は、まだ自分が制御しているので自分に戻すことが出来るだ。


5分程で自分に巻き付いている20個を解き終わった。


さてと・・・次は、宝箱か、慎重にやらないと何があるかわからないからな。


「おぉ!以外に早かったねじゃあ次は、こっちだね」


ナムルさんの元へ行き、宝箱を受け取ろうと手を差し出すが、ナムルさんは、なかなか渡してくれない。


「あの、早く渡してくれませんか?出来ないんですけど・・・」


「いや、君には、この状態で解いてもらうよ」


この状態、つまりナムルさんが持ったままってことか・・・


一体この人は、どんな悪戯をする気なんだろうか?


仕方ない、これも訓練だ。


そう思いながら鍵に触れる。


ふむ、構造は、さっきと何も変わらない、さっさと終わらせてしまおう。


創真は、スピード重視でやれば何も邪魔されないだろうと考え集中して解除にかかった。


その考えは、あっていたのか、今のところなんの妨害も入っていない順調そのものだ。


そしてそれは、続きラスト一個まで来た。


残っている一個も見た目は、至って普通だ。


何も企んでなかった、なんて楽観視は、出来ない。


ナムルさんのことだ絶対何か仕掛けがある。


触れて魔力で構造を調べる


「なっ!?」


なんと驚きこの鍵は、魔力を纏っている。


だから魔力で構造を調べようにも鍵が纏っている魔力に邪魔をされて靄がかかっているように感じる。


しかも微かに見えているところだけでもかなり複雑な構造になっている。


ろくに中が見えなくて解除が難しい上に構造が複雑と来た。


ナムルさんはこれを待っていたのか・・・


よしっ!こうなりゃ、やるしかない!


そうして、創真は、魔力の纏った南京錠の解除にかかった。


1時間後、創真は、なんとか最後の南京錠を解いた。


やっと終わった・・・魔力は、切れてないが、集中し過ぎて疲れた。


「よく、あの南京錠を解いたね。世界には、あれみたいな魔道具になっている鍵も存在する今回は、それを知ってもらいたかったんだ」


疲労困憊でぐったりしているとナムルさんがニコニコ顔で言ってきた。


何かを企んでいる顔ではない。


「さて、目標を達成した君に約束を果たそう。この宝箱の中身を君に譲るよ」


あぁ、そう言えばそういう訓練だったな、完全に忘れていた。


そう言ってナムルさんが宝箱から取り出したのは長剣だった。


見ただけでわかるもの凄い魔力を纏っているつまり魔道具、いや、剣だから魔剣だ。


「これは、私が戦場に行く時にいつも持って行ってる剣だ。昔、私の師匠から譲り受けた。だから今度は、私から創真君に譲るよ、きっと君を守ってくれるだろう」


「師匠から貰った?そんな物を貰っても良いんですか?」


「あぁ、貰ってくれ」


「分かりました、大事にします」


そうして僕は、ナムルさんからその魔剣を譲り受けた。





1日以上遅れてしまった・・・


遅くなってしまって申し訳ありません

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