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welcome to hell  作者: 鬼巫女
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welcome to hell

構想は大事

キャラは溺愛しない


出口はてんで見つからない。

そもそも地獄に出口は無いだろと改めて考え始める。

「じゃあ入り口は何だ?」

見上げても空に入り口は無いのは分かっている。

入り口を出口として使う、まではいい。

入り口から来るのは…亡者達だ。

地獄に落ちて来た人間達に目を向けるのは怖かった。シンプルにグロテスクだし、側には鬼達が居るので近づけない。1人相手するだけでも骨が折れるし、集団で襲われるのは最悪だ。

そこで私は考えた。

地獄に『来たばかり』の人間達なら入り口を見たのでは?

「落ちて来る前に1人くらいなら拐えるよね」

この体は体重も変えられる故、500mは余裕で跳べる。

人が多く落ちて来る場所がいい。

「等活地獄がやりやすいかな」

8つの地獄がある中で、一番人が多いのが等活地獄なのだ。

「おっさんよりは、子どもの方が純心なはず」

等活地獄に戻ってきて、鬼に気付かれないように子どもを誘拐した。我ながら凄い早さで実行したものだ。時間が早く感じるのは、この光景に慣れてしまったからかもしれない(不謹慎に言えば飽きてきた?)

「まず誰もいない場所にっと!」

ちょっと話し聞く程度ならばれやしないよね。

意識はあるっぽいが、酷く怯えている様子の少年だった(12才くらか?)

「何もしていない!!何もしていない!!何もしていない!!何もしていない!!」

半狂乱だった。そして予想済み。

何年か前に覚えた呪術に、意識だけ落とすモノがあった。

次いでに記憶を観る魔術も覚えた。

「さて」

子どもだからかは分からないが、あっさり入り込めた。

私が観たモノは…



―――――――――――――――――――――――



普通の少年だった。


少年は見せ物小屋で働かされていた。


少年は独自の手品を芸として披露していた。


周囲の人間はそれを快く思わなかった。


あるとき、誰かが手品の中に小さな蛙を仕込んだ。


少年はそれを知らず、手品の過程で蛙を潰して殺してしまった。


観客の一部は悲鳴を上げ、少年の評判は地に落とされた。


見せ物小屋を追い出され、不審に思った。


元は仲間だった人間達の話を盗み聞きした。


悲鳴を上げた一部の観客と蛙を仕組んだのは、仲間達だった。


仲間達は少年の評判に嫉妬していた。


それだけの理由で。


少年は盗み聞きが見つかり、元仲間達にリンチされ、理不尽のままに地獄に落ちたのだ。



―――――――――――――――――――――――



私は思った。

地獄は悪人を罰する場所であるはずだと。

「ふざけるな!!」

激昂した声で鬼達に気付かれた。

あの獄卒達が少年に何を強いるのか知っている。

偽善心ではない、『正しくない』ことが頭に来る。

奴らを蹴散らすにはこの体では足りない。

知っている呪術と魔術でも足りない。

先ずは呪物化させた石で鬼の動きを止めた。頭を使えば良いんだ。『奴らを吸収する』原始的なやり方だとか言ってられない。

この場だけでも奴らを…



―――――――――――――――――――――――



「疲れた…」


6人同時は無理があったかな?

戦闘中に少年はどこかに消えた。それは良かったとして、一つアイデアが浮かんだ。

「黒縄地獄の火を使えばもしかして」

短絡的な策だ。

吸収の力はコントロールできる。これで黒縄地獄の火を吸収すれば鬼よりも多くエネルギーが入手できる。地獄のエネルギーは尽きない。そのエネルギーでこの空に『フィルター』を作る!!

『理不尽と悪』に苦しむ人間を救いあげる魂の濾過フィルター。



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