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男一人の混浴(パラダイス)

「さて、お前が気ぃ使うってんなら先に入ってきちゃってもいいが、その格好で待つのもそれはそれでしんどいだろ? 好きに決めな」


「えっと、その……やましい思いは決してないが、肉体から強さの訳を学ぶこともあるというかーーーー」


 彼女は目を伏せ、もじもじと呟く。


「この世界の空気が体質に合ってるってだけで、俺の体つき自体は別に大したことねーぞ。で、どうすんだ?」


「ぜ......ぜひっ、のぞむところです!」




「う……うぅ…………」


 初対面から威勢よく挑んできた彼女はどこに行ったのやら。

 もじもじと、はずかしそうに白いうなじを見せてうつむくばかりのリュセルだった。


「けつだんしたのならはよせい。騎士じゃろう。ほれ、わらわのように堂々と見せつけるのじゃ」


「だ、だんな様はわたしの裸を見ていればいいのです。というか、アンナノはそもそも見せつけるものがないでしょうが」


 たしかに、この小さな魔王の体は凹凸に乏しいが、実年齢を意識して気まずくならないように、風呂に入れるときは幼い娘みたいに接している。


「ほら、頭洗うぞ。ちゃんと目閉じてろよ」


「あうぅ~っ…………」


 シャンプーの間だけは別人のように萎縮する彼女。

 メイドのはずなのに世話をされる側ということに、今や違和感を覚えなくなってきていた。


「さあさあ、マスター。今度はわらわが背を流すとしよう」


「あ、あの――いつもこのようなことを……その…………」


 紅潮した顔を覆い隠す手の隙間からリュセルがおそるおそる尋ねてくる。


「当然じゃ。主人の体の世話をするのがメイドのやくわりよ」


「か、体の……!?」


「必要とあらば、夜のほうもするのじゃぞ」


「ふぇっ!? よよよ夜伽の相手、ということ……です……かぁ――――」


 飛び退いた勢いで壁に後頭部をぶつけ、目を回しながらブクブクとリュセルが沈んでいった。


「こらこら。そんな子に育てた覚えはないし、なにより全世界のメイドさんに謝りなさい」


「ぷぇ~」


 不満げにメイド魔王がもたれかかってくる。

 その肌は意外とやわらかく、吸いつくような感触に緊張せずにはいられない。


「……してマスター、なぜリュセルの初撃をあえて受けた」


 俺の肩にあごを乗せ、耳元で低くアンナノが問いかける。


「試すか聞いただろ、覚悟を。あの瞬間にこいつの覚悟を視たんだ」


「覚悟は決めてきたつもりだった――しかし、あのような結果に終わり、挙句、こともあろうか失禁など…………」


 鼻から下を湯に沈め、落胆するリュセル。


「ま、そう落ち込むな。お前にも可能性がないわけじゃねーよ。俺ならやれる」


「そ、それは弟子にして下さるということですか!? ぼく、なんでもしますから!」


「なんでも、ねぇ……女の子が気安く何でもなんて言っちゃダメだよ」


 そう言って、俺は彼女の胸元に手を伸ばした。


 もにゅっとした物体に最短距離で指先が包まれる――――


「……ッ!?」


 ビンゴ……!


 その刹那、この両手はリュセルの巨乳をわし掴みにしていた。

 確かめるように揉みしだく。


「ひゃんっ!」


 吐息と共に彼女が身をよじらせると、この世のものとは思えない完成度を誇る双峰が全貌を現した。


「うゆ……ヴィル様ぁ」


ほてった頬をいっそう赤く染め上げ、リュセルが見つめてくる。


「ちょ、だんな様!? なにを――ってか、でっかッ! リュセルの超でっか」


 リーリアの言葉づかいに乱れが生じるのも無理はない。


 それほどまでに、その胸は豊満だった。





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