ルール
会長が一息間をあけた。ようやくそこで教師陣は動き出した。舞台のそでに控えていた一人が、会長を袖に戻そうと話しかけに行ったのである。それに応じるわけもなく会長はケラケラ楽しそうに笑っているだけであった。教師陣はしびれをきらし、体育教師を筆頭に数人が引きずってでもどかそうとばかりに舞台へと上がっていく。
「根岸、いい加減にしろ。ふざけるにしても限度ってもんがあるだろう。」
とここで初めて会長の名前を知る。
「けっけけ、貴様ら教師も例外じゃないんだぞ。私はもうゲームを始めるといったんだ。聞こえなかったのかな。」
わざと挑発するようにバカにしていった。それに一番に乗せられたのは熱血バカの体育教師の山田だった。顔を真っ赤にして、
「教師をバカにするなよ。」
プラスこのーが怒りで効果音のようになりながらつかみかかりにいった。ところがつかもうとした山田の右腕は会長に吸い込まれるように消えていった。
「あらら知らないの。アンサーさんは質問に答えられなかった人間の体のパーツをもらっちゃうんだーよ。けっけけ、アンサーさん探しの前にルール説明してあげよう。アンサーさんは誰かに乗り移ります。この中の誰かひとり。それを探偵みたくお前だって言ってもいいし殺しちゃっても構わない。とりあえず私を見つけられれば君たちの勝ち。私が入っている人が誰かのヒントはこの学校の敷地内に隠してあります。でも注意してくださーい。この体育館以外のところには私のお友達がたくさん来てくれていますから。じゃーあ頑張ってください。会えたらまた会いましょう。けっけけ。」
そう言って会長は自身の喉を切り裂いた。