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deep  作者: 白米
18/22

チーター先輩

 チーター先輩に会った。彼はというと、話の冒頭でほーーーんのちょっとだけ出てきた人物である。覚えていない人が多数であろう。でも彼はかなりの重要人物だ。だって彼がいなければシャチくんと私が出会ってることもなかった。


「あー……」

「あー……」


 彼は私を襲おうとした変態である。いや、多分食べる的な意味で襲ったんだろうけどっていうかこれどう説明しても語弊が生じる気がする。

 多分彼は今私と向き合って食べるか食べるまいか迷っているのだろう。だから「あー……」なんて神妙そうな顔で言ってるわけで。で、それを汲み取れてる私だから、厄介な人……じゃなくて獣に会っちゃったなとか思いながら「あー……」なんて言ってるわけで。


「シャチくんならいないよ」

「俺にそれを言ったところでメリットあんのお前!?」


 ないよ。つーか肉食獣の癖に賢いじゃん。まあ私の彼氏(?)よりは全然馬鹿だろうけどさ。


「人間ってやっぱおかしいけど、お前は特におかしいと思う」

「私も獣人は変わってる奴多いなとは思う」

「俺を侮辱したな!?」


 目が本気モードっていうか歯ァ剥き出し。肉食獣こええ。


「なんで私を食べようとしたわけ?」

「そりゃ、ウマそうだからだけど」


 あー、みんなそう言うんですよ。私を襲う人(獣人)はね。


「やっぱりそうだよね……」

「何だよお前……やっぱおかしいだろ、お前自分の立場わかってんのか?」

「まあ、食まれる立場だというのは承知してるけど……」


 けど。シャチくんは私を食べない。


「私って美味しそう?」

「かなり」

「食べごろ?」

「かなり」


 なんでだ。なんで食べてくれないのシャチくん。


「まあ、チーター先輩、あなたこれ以上近づいたら通報するんで」

「誰に!?」

「シャチくんに」

「マジ勘弁して!!!」


 チーター特有のすばしっこさであっという間に逃げて行きました。その勢いで私を食っちまえばいいのに、やっぱり肉食獣って馬鹿だ。

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