独り言02
「……ちょっと、痩せたかも」
一人暮らしをする一少女がぼそっとそう呟いた。
此処は私の憩いの場だ。私の匂い、私の服、私が好きなものでいっぱい。嘘も虚構もない、洗練された世界。洗脳された如く塗れるピンクは私の趣味だ。似合わないのはわかっているけれど、招待する友達も彼氏もいないので問題なしだ。
……と思ったけれど、シャチくんはどうなんだろうか。凛子は除外。だってあいつは限りないくらいの場所を持っているわけで。不良女友達の家、無数にいる彼氏の家、フードコート、カラオケ店エトセトラ。私の家なんか来る必要がない女友達よりも、シャチくんだ。
もしシャチくんが家に来たいって言い出したらどうしよう。勿論、一人暮らしというオイシイ状況で招待できないわけがない。笑顔でお茶出してセックルパーティーもしてみたい。その後食われてもいい。っていうか食って。
なんて言っているのもつかの間。私はダイエットに成功してしまった。なんと二桁の。
ちょっと顔周りと腹回りが引き締まった。あと劇的なのが脚。もうボンレスハムとは言わせない、っていうくらい変わってる。
痩せてみるもんだね、なんて思いながら鏡の前で踊る私。モデル気取りするためにはもっと痩せなきゃだけれども。
と思ったところで、唐突に冷蔵庫のショートケーキの存在を思い出す。ダイエットは明日から、痩せたご褒美、言い訳はどっちにしよう? そう思いながら私は、少しだけ華奢になった脚で歩いた。




