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deep  作者: 白米
12/22

ビッチ

「シャチとセックスしてみたいな」


 凛子が漏らした言葉に、私はペプシを吹き出した。


「は?」

「いや、だからさ、」


 シャチとセックスしたいなーって、と。

 私は顔にあったかいものが昇っていくのを感じながら、肩をすくませ、ペットボトルの先に唇を寄せる。


「に、二年の鯱山さんは」

「あんなガリガリ野郎やだよ」

「じゃあ三年の鯱林さん」

「あいつ粗チンだって」

「……同級生の鯱村さん」

「チビやだ」


 にやりと目尻の上がる凛子が怖い。直視できないので想像だが、彼女はいつもあからさまな表情をするから、きっとそんな表情をしているに決まっている。


「鯱田がいーなー」

「……ヤれば」

「えっ」

「勝手にヤれば」


 意地悪な凛子に腹が立ち、私は思わず立ち上がって教室を飛び出した。……それと入れ替えに、ガラッと後ろの扉から入ってきたのは鯱田だった。


「お前なぁ」

「あーあー、しみったれた説教はいらねー」


 凛子が両耳を塞ぐ仕草をする。だるだるのセーター。中に潜むか細いモヤシのような腕を想像し、鯱田は吐き気がした。

 例の飛び出した娘がさっきまで座っていた席に鯱田は座った。みしみしと嫌な音がしたが気にしない。


「言わせてもらうとなぁ、俺ら男に選ぶ権利ないわけ?」

「ないよ、じゃあアンタが妄想であいつとセックスするとき、あいつが拒否するとか想像するわけ?」

「うぐっ」

「いいんだよ、口だけならさ」


 不意に棒付きキャンディを取り出し、唇に寄せた。ゆっくりと舌を伸ばすと、それを舐るようにしたり、わざとらしい音をたて出し入れしたりした。

 笑う凛子。相も変わらず表情を変えない鯱田。


「……気持ち悪いな、お前ってやつはとことん」

「獣人は性欲が強いバカが多いんでしょ?」


 ねぇ、私に欲情した?死んだ目で問いかける凛子に、鯱田は「全然」とだけ答えた。

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