第6話 ここからだ
部活も引退し自分の時間が出来た。大学受験もあるが夏までは遊べる。ベニショウは僕と同じ大学を受けたいと言っている。
「ベニショウ立場分かってる?」
智晴がベニショウに言った。
「優希は放送特待で大学に行けるけど、ベニショウは?」
「特に何もない。」
「でしょ。頭を使いなよ。」
「そこしか受からないと思って。」
「おそらくそこも受からないよ。模試の判定は?」
「全部E評価。」
「残念ね。まあ頑張りな。」
昼休みにベニショウと学校を抜け出してコンビニに行った。
「優希、俺、智晴に告白する。」
「この時期に何言ってるの?」
て言うよりバカか。
「あんなに俺に親身になって言ってくれるの智晴だけなんだ。」
智晴は皆に優しいからね。
「フラれたら受験まで引きずるかもよ。それでも良いなら、どうぞ御勝手に。」
「優希は智晴のこと好きじゃないよね?」
「俺は他の学校に好きな人いるから。」
いよいよベニショウが一歩踏み出すのか?この件は次回に。
DJ明日香さんとご飯を食べに行った。
「へ~、ベニショウっていう子ね。面白いんだね。」
「ベニショウは草食系を代表していますからね。」
「でも優希君、全国は凄いと思うよ。私でも行けなかったんだから。」
「大会前日にベニショウがメールして来て、空気読めなかったんですよ。そんなベニショウが女の子に告白するっていうんですよ。」
「優希君出来なかったもんね。あれほど告白しろって言ったのに。」
「すみません。そこら辺はベニショウを見習わなければですね。」
ん?奥にいる女、どこかで見たことある。後姿だけでは分からんな。その女の子が後ろを振り向いた。智晴?
「優希?」
「智晴。」
「知り合い?」
「友達です。智晴こっちに来なよ。奢ってくれるから。」
「こら。」
「優希、この人誰?彼女?」
「違うよ。分かりやすく言えば...同業者。」
難しすぎたかな。
「俺、トイレ行ってきますね。」
変な空気になったからトイレに行った。
「君名前は?」
「阿部智晴です。」
「智晴ちゃんか。もしかして優希君のこと好きでしょ?」
「はい。告白してフラれましたけど…。」
「優希君は無駄だと思うよ。あの子、好きな人いるから。しかも諦めていないの。」
「そうですか。明日香さんは優希のことどう思っているのですか?」
「弟だとしか…。」
盗み聴きしてたけど聞こえないから戻った。 続く