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春々恋歌  作者: 由樹
6/24

6:昔の事

中学三年間、私と達也は同じクラスだった。

よく、バスケやサッカーなどのスポーツの話で盛り上がっていた。

なんでも相談出来て、大切な友達。

だから、時が経つに連れてお互いのことを好きだと思ったのは、とても自然なことだった。

付き合うきっかけは、達也の“付き合っちゃうか”という言葉。

はにかんだ表情が忘れられない、十四の夏…。

その頃は部活まっ盛りで、達也の所属するバスケ部はどんどん活躍していった。

私はジャズダンス部で自分を鍛え、メンバー全員が理想のプロポーションを手に入れた。

たまに行ける達也とのデートはとても幸せで、楽しかった。

何もかも、満ちたりていた。

中三の修学旅行で夜中、森へ抜け出して、満天の夜空の下で約束した。

―卒業しても、また一緒に来よう―

嬉しくて、でもなんだか恥ずかしくて。

答える変わりにキスしたんだ…。

だけど、幸せって続かないモノなんだね。

たくさんの星が、キラキラ祝福してくれていたはずなのに…。

卒業式前の日曜デートの、最後にあなたはこう言った。

―他に好きな子が出来たから…別れよう―

時々貴方が沈んだ顔しているの気付いてた。

だから元気づけようとデートに誘ったのに。

さよならするためじゃ、なかったのに。

最後のキスは涙で見えなかった。

大好きな、ぽかぽかした春の空。

私一人だけ、取り残された。

§

「疲れたから、寝る」

ふてくされたような口調で立ち上がり、階段をゆっくり昇る。

泣きたくなった。

泣きそうだった。

でもだめだってわかっているから我慢した。

自分でも過去のことばかり気にしてるなんてバカらしいと思う。

でも私は弱くて。

とても、弱くて…。

支えがない今、どうすれば良いのかわからない。

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