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春々恋歌  作者: 由樹
14/24

14:忘れ事

「あっそぅですか!わかりました、よろしくお願いしますっ」

ぃやったぁ〜!!

美容室、明後日に行けるよ☆

いつも人気のカリスマ美容師さんだから、二ヶ月は待つつもりでいたんだけど、キャンセルが出たんだって!

すごく嬉しい。なんか運命感じるよねっ(笑)


雄三とは夕飯後に電話で話したり、くだらないメールを送りあって笑ったり、前より良い感じになれた。

何より、雄三の温かさが美帆の心を溶かしてくれた。


明日は美容室だっ☆

今日は家でごろごろしよう。

ふと、自室の隅に置いてあるノートパソコンに目が行った。

すっかり埃を被り、無用の長物といった感じだ。

「あれー?私、パソコンなんて使ってたっけ」

今まで部屋の一部と化していたので気にも止めなかったが、よく考えればおかしい。

いつの間にかパソコンがそこにあった、というイメージしかない。

(久しぶりにやってみようかな)

「…あれ?」

自分の考えに疑問を抱く。前にもこんなことがあった。

自分の部屋にあるのだし、使ったことがあるのは当然なのだが、記憶にない。

なのに何故か、久しぶりだという気がする。

ピッ

起動させてみる。

見覚えのある壁紙。

やだな、なんで忘れてるんだろ。

頭を働かせようとするが、出てこない。思い出せない。

ズキッ

頭が痛くなり、思わず顔をしかめる。

左手で頭を押さえながら、インターネットに接続する。

無意識に打ったパスワードは一致し、体に染み込んでいるかのようだった。

ズキ…ズキ…

何…?

頭、痛いよ…。

画面の矢印を“お気に入り”に合わせる。

カチッ

クリック

「――あ…っ」

美帆の目から、涙が枷を無くしたように溢れ出てきた。

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