12:悩み事
―誰にも相談出来ないのってキツいのかも…。
恋愛なんて、結局自分次第だとずっと思ってた。
相談してね、なんて言ってくれる人も所詮興味本意だし、そうしたところで結局は頑張って!、で片付けられてしまうだろう。
自分の気持ちは自分じゃなきゃわからないのは、わかりきったことだし。
なら相談することは無意味だ、という結論に至っていた。
…のだが、いざ本当に悩み出すと本心なんてわからず、それどころかストレスさえ感じてしまう。
相談に乗ってもらうという行為は、解決をする為でなく、ただ話を聞いてもらいたいからすることだったのだ。
―今更わかっても遅いよぉ…。
菜茄には好きな人がいたこともないと、強く言い続けて来たのだから。
他にも仲の良い子はたくさんいるけれど、菜茄に隠しながらだなんて逆にストレスが増えそうだ。
―昴がいてくれたら―
「…?」
自分の考えに疑問を抱く。
スバルって、誰。
「ヤバぃー!架空の人物まで登場させちゃったよっ?!」
手頃なクッションを今座っているベッドから、壁に思いきり投げつける。手応えはない。
最近聞き出したお気に入りの洋楽集を流しながらリラックスを試みる。
―てか、今時の若者はこんなに恋愛で悩まないのかも。
“次”ってものもあるんだし、取り敢えず試しに付き合ったって良くない?
そうだよ!雄三さんはすごぃ優しい人だし、心の隙間?みたいなのも埋まるよっ。
ダメならそれで別れれば…良いんだから。
楽しいノリの曲に合わせながら軽やかにメールを打つ。
“考えたんですけど、雄三さんはいい人なので付き合っても良いと思います。
でもお互い負担になるのゎイヤなんで、干渉せず気楽に付き合いましょーっ(*^o^*)”
…これで良いんだ。
多分。
いやにあっさりと、でも心にもやもやしたものをお互いに残しながら、付き合うことになりました。今まで散々悩んで来たのに、これかぃ!とガッカリしないでください(笑 続きをどうぞ☆