表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永夜の流星  作者: Ragna
9/38

第九話 再会

「やあ、アイラ。久しいね。」

「レイン…なんでここに?」

「僕はキミを迎えに来たんだよ。いつまでたっても共和国にたどり着かないから、何かあったのかと思ってね。」


白銀、レイン・ヴァイス。

四大英傑の中で一番まともな人だ。

他の英傑は性格がねじ曲がっているから、誰よりも仲良くしていた人物でもある。


「ちょっと!この壁どけてよ!さもないとあんたも殺すから!」


壁の向こう側からはヴィリアールの怒号が絶えず聞こえてくる。

レインはため息をついて壁に近づいてく。


「さっきも言ったけど、君にアイラを殺されるわけにはいかない。かといってキミとここで殺しあうつもりもない。」

「一体何の権限があってアタシの邪魔をしてるわけ?いいからさっさと開けろ!」

「はぁ。気難しいお嬢様にはご退場願おう。」


レインはぱちんと指を鳴らす。

その次の瞬間壁の向こう側の怒号がぴたりとやんだ。

それどころかヴィリアールの気配が消え去った。


「相変わらずでたらめな力だね、レイン。」

「キミほどでもないよ。さ、傷の手当てをしよう。その怪我は今すぐ処置をしないと命に関わる。」


レインの固有魔術、大迷宮(ラビリンス)は守ることに特化した能力だ。

その名の通り、自由に迷宮を作り出すことができる。

迷宮内は完全に彼のテリトリーであり、誰であろうと手のひらの上だ。

攻撃はあまりできないものの、迷宮内にいる人物の転送や治癒は朝飯前。

なんともうらやましい能力だ。

私も使いたい。


「それで、レインが私の助っ人さん?」

「ああ。ウルから聞いていなかったのかい?」

「全く何も。あのクソ騎士め…。」

「ははっ、そう彼を責めないであげてほしいな。治療終わったよ。」


少し雑談している間に、私の腹の穴はきれいさっぱり塞がっていた。

本当に便利な能力だこと。


「ありがと、レイン。それで今から私はどうすればいいの?」

「とりあえずラント共和国に入ろう。共和国には僕の別荘があるからね。」

「…一体何個の別荘があるのやら。」

「ん?全部で8個だよ。」


レインは貴族出身だから資産の桁が並外れている。

ついでにこの顔。

英傑の中でも人気がずば抜けているわけだ。

この色男め。私がどんだけ苦労してお金稼いでると思ってるんだ。

なんなら養ってくれないかな。


「いろいろと知りたいこともあるだろうけど、詳しい説明は安全な場所についてからにしよう。」

「はいはい。それじゃあご厚意にあずかります、白銀様。」


私はレインの後について歩き出す。

罪人になってから初めて安心を得られたような気がした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ