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永夜の流星  作者: Ragna
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第六十話 贋作

爆発、爆発、爆発。

マリアベルが指を鳴らす度、迷宮の通路に絶えず爆音が鳴り響く。

骸骨の群れが爆散し、それ以上の数の骸骨が湧き出てくる。

一見、ここはただの地獄だ。


「流石というべきか…。とんでもない魔力出力だね。」

「この程度の魔物で、私を殺せるとでも思ってるわけ?」

「いいや、キミの能力を見たくてね。小手調べさ。」


マリアベルの攻撃手段は爆撃だ。

指を鳴らすと、周囲の空間が爆ぜている。

その魔力出力から察するに、これがマリアベルの固有魔術だと思う。

でも、爆破だけであの男を下せるとは考えにくい。


「さっさと本気できなさいよ。さもないと、頭が無くなるわよ。」

「それはキミにも言えることだろう?()()()()の能力をなぜ使わないんだい?」


レインのその言葉を聞き、マリアベルの顔に笑みが浮かぶ。

一方で私は変な顔をするしかない。

爆破以外の能力だって?


変幻の帳(へんげんのとばり)…他人の固有魔術をコピーする。それがキミの固有魔術だ。」

「あら、随分詳しいのね。どれだけ調べたのやら。」

「…ちょっと待って、なにそれ、反則じゃん。」


思わず口を出してしまった。

でも仕方ないと思う。

だって固有魔術をコピーできるなら、それはもはや固有じゃないじゃん。


「はぁ…固有魔術っていうのは、世の理から外れた力なの。なんだってあり得るわ。」

「まあ僕の固有魔術も反則みたいなものだしね。」

「…はい、そうですか。お騒がせしました。」


私の固有魔術なんて、氷を出すだけなのに。

なんか格差を感じるが、まあもう考えないでおこう。

頭が痛くなってきそうだし。


「じゃあ続きね。私の能力を知ってるなら、もう抑える必要もないわね。」

「キミがどれだけの能力を貯蓄敷いているかは知らないが…何をしても無駄だよ。」

「そう。ちなみに、避けないと死ぬわよ。」


次の瞬間、レインが大きく右に飛んだ。

いや…実際には飛ぼうとした。

が、左足の膝から先が宙を舞った。


「ッ…!不可視の斬撃…ウルの魔術か!」

「便利よね、これ。大体の人間はこれで死んじゃうもの。」


不可視の斬撃をなんで避けれたんだよ…という感想は置いておいて、これがコピーの強みか。

いきなり全く異なる能力による攻撃が飛んでくる。

初見で対応できるわけがない。


「今のはかなり危なかったよ。迷宮の外だったら死んでいたかもしれない。」

「あら、死んでくれて構わなかったのに。」

「迷宮の中で僕は死なない。知っているだろう?」


気づかない間に、レインの足が再生し終わっている。

やはり迷宮の治癒は伊達じゃない。


「いくら撃っても壊れない…いい的ね!」


マリアベルがまたもや指を鳴らすと、光の弾が無数に生成される。

そしてその弾はレインに向かって一斉に襲い掛かる。


「はははっ!流石というべきか!」


光の弾がレインを貫く…が、すぐに再生している。

再生速度がダメージを上回っている。これではじり貧だ。


「ねぇ、変わろうか?私ならあいつを即死させられるけど。」

「黙ってなさいよ!今いいところなんだから!」


光の弾幕がさらに激しくなる。

だがしかし、突然マリアベルが膝をついた。


「げほっ…!こいつ…!」

「迷宮の中は僕の庭だ。どこからでも攻撃を飛ばせる。」


マリアベルの腹には、針のようなものが刺さっていた。

迷宮内での戦闘がここまで理不尽だとは…。

光の弾が霧散し、レインがマリアベルの前に進み出る。


「君のコピーは確かに強力だ。だが、今回は情報が勝敗を分けたね。」

「な、なにを…」

「君が貯蓄できる能力は同時に3つまで。そしてコピーの条件は相手の血液を接種することだろう?」


マリアベルの顔が凍り付く。

どうやら勝負はついたらしい。


「どこでそれを…なんで…」

「さぁ?今から死ぬ君がそれを知る必要はない。」

「はは…あはは…」

「僕の能力をコピーできていたら、君が勝っていただろうね。」


レインがどこからかナイフを取り出し、マリアベルに突きつける。

まずい、殺される。

そう感じて私は地面を蹴った。


「さよならだ。相手が悪かったね。」


私が走り出したのと同時に、レインはナイフを振り下ろした。


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