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「ちょっと!邪魔よ!!」
サリエン・フレア、ケル・フロス、リエナ・アスの三人姉妹…長いので炎の三姉妹とでも呼ぼうか。こんなこと考えてるなんて知られたら怒られるかな…。彼女達三姉妹はわざとかと思うくらい、この短時間で城の中でも出くわした。というよりも、奴隷が自由に行き来することを許されてる範囲があまり広くないのが原因なのかも知れないのだけれど。
この短時間でわざとぶつかってこようとしたのが2回、小さな火球で火傷を負わせようとしたのが1回。いずれもするりと避けると機嫌が悪そうに舌打ちをされた。リエナ・アスが申し訳無さそうな顔をしているが、彼女達三姉妹の力関係は長女であるサリエン・フレアが一番なようで、止めようとはしなかった。
ただ、リエナ・アスが私に話し掛けるのを止めようとはしないのを見るに、(といっても話し始めて五分くらいで引き離されるが)姉妹間でお互いを尊重する気持ちくらいはあるのかも知れない。
そうそう、ミナ・フロスの正体が分かった。4区で出会った、小さな炎球を投げつけてきたあの魔女だ。戦奇様が前の主人を殺してしまったが為に、サリスマン教授の所へ私が運んだ…。何故分かったのかと言うと…。
「愛花〜!」
最後に見た時よりも少し顔色の良くなったそばかすの浮いた少女が、がばりと私に覆いかぶさった。彼女がミナ・フロスだ。ボサボサだった赤い髪も綺麗に結われていて、ミナ・フロスに言われなければ同一人物だと分からなかった。
何故彼女が此処にいるのかと言えば…。
「マスターがパーティーに参加してくれて本当に良かった!愛花にお礼が言えたもの!」
という事だ。
彼女はあの後、サリスマン教授の紹介で別のマスターが付いた。そのマスターがこのパーティーに参加するという事で、再会が出来たという事だ。
「そういえば…ミナ・フロスのマスターはどなたなのですか?何処にいらっしゃると?」
「あぁ、それはね…実は王族の方なの。今はパートナーと一緒にいると思うけど。まだパーティーまで時間あるから二人で出掛けたいらしくて、城の前に置いて行かれちゃったの。」
「王族…」
「そう!貴女や三姉妹と同じ!」
王族は現在、国王陛下を含めて19人いる。国王陛下と王妃殿下、戦奇様と兄王子殿下方3人、妹姫殿下が2人、第一王子妃殿下と王孫である王子殿下が一人これが直系王族。そして国王陛下の弟君であるガストレア公爵閣下、公爵夫人、夫人との間に伊織様と弟である公子様、そして腹違いの妹である公女様が5人。
他にも国王陛下や公爵閣下には側室の方々がいるが、この国では側室は王族とは認められない為数に入らない。
王族のうち、奴隷を持つことが出来ない未成年王族が国王陛下の末の姫君と伊織様の公子様、腹違いの公女様のうちの二人だ。茉莉花姫も此処に入る。
今年成人した王族と言えば…。
「もしかして、国王陛下の姫君、カタリーナ姫殿下ですか?」
「そう!良く分かったね!」
カタリーナ姫は国王陛下と3番目のご側室との間に産まれた姫で戦奇様とは同い年の異母妹だ。彼女の名前が漢字では無い理由だが、ご側室の実家が関係していると聞いた。それ以上の詳しい事は知らない。
噂には、控え目で花々を愛でる優しい姫君との事で、彼女の好きな花に因んで『白霞姫』と呼ばれている。数いる王子や王女の中で国王陛下が一番可愛がっている姫君だという。
「カタリーナ姫殿下は噂通りの方でね、私のような魔女にも本当に良くしてくれているの。」
「それは…良かったです。」
本当に良かった。私はミナ・フロスの言葉を聞いて心の底からそう思ったのだった。
胃腸炎でした…遅くなりすみません。




