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AOI 第49話

 お風呂をあがって、居間に行くと、弟がまだTVを見ていた。お水を一杯、ゴクゴク。

こたつに入って、宿題をとシャーペンを握って、はたと思い出した。LINE12の存在を、お風呂場で開いて見たら遅くなりそうだから、後で見ようと思っていたのだ。携帯を見たら、LINE24になっていた。えーっ。あわててひらく。(塾グループ)だ。ちゃんと見てねと言われていたのに。両手で携帯を包み持って、心の中でごめんなさいをして、節目がちに、右手の人様指で開いた。

 翔太君おーい

 葵君なーにー

 翔太君(なに?)

 浩次君(?)

 のあちゃん(?)

 …

 これは…遊んでいる…だけか。

 こんばんはー

とりあえず。送信した。携帯をテーブルの上に置いて、よし、やるかと、こたつに入っている足をお姉さん座りにした途端に、ブーブーブーと携帯が鳴った。画面を見るとLINE表示が。返信かなと思いながらも、そのままに、宿題をすすめていると、また、ブーブーブー、また、ブーブーブー。携帯を開かない私に、弟が、

 「大丈夫?」

 と、携帯を顎で指差しのように指してきた。私は、

 「塾で友達?というか少し話をする人達ができて、そして、その人達とLINEグループができたんだよね。」

 「はやっ。でも、友達できてよかったね。」

 私は、元気よく、

 「うん。」

 と、答えて、携帯を手に持って、LINEを開いた。思わず、ふっと笑ってしまった。なんて事はない、塾グループからの、

 (こんばんはー。)

 みーんな、これ、この文章。これだけ。弟は、笑っている私を、振り返って見てきて、また、すぐにTVの方をむいた。私は、弟に、

 「塾の友達っていうか、仲良くしている人達はね…。」

 と、席の隣の子と仲良くなったことから、これまでの数日間の塾での日々を弟に話をした。弟は、私の方をむいて聞いてくれた。他の中学の友達だという事にとても驚いていた様子。私自身、まさか話しをする事ができるようになるとは、そして、まさかまさかのLINEグループができるまでになろうとはと、一番驚いている。弟は、相槌をうちながら、自分の携帯に目を落としている。片手で操作して、そしてまた、視線はTVに。私は、なんとなく、弟に、

 「マリカやろう。」

 と、声をかけた。弟は、私を見て、何か言いたそうだったけれど、私はお構いなしに、

 「マリカやりたいやりたい。」

 と、連呼した。弟は、

 「いいよ。」

 と、すぐに立って、TV台の引き出しから、コントローラーを用意してくれた。私は、テーブルの塾の宿題をリュックに片付けた。私は、

 「久しぶりだぁ。」

 と、広くなったこたつのテーブルに両肘をついて、受け取ったコントローラーを握った。


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