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9話 いきなりダンジョン!?

 宿屋に着くと、何故か当然のように足が宿屋の方ではなくて食堂に向かってしまう。それもアリスとユキノも同じ様で引き寄せられる感じだ。これは魔法の効果なのでは? と疑いたくもなる……でも、これは匂いのせいだろう。


 食堂から漂っている肉の焼ける香ばしい良い匂いに、たっぷりと入った野菜と肉のスープの香りにパンの焼ける匂いが漂っているのが原因だ。


 アリスが席につくと、開口一番に言ってきた。


 

「私はね、戦いに行きたいんだけど!」

 

 

 戦いたいのは、俺も一緒だけど……いきなりですか!? 戦いに行きたいのなら、まずは目的地を決めないとだろ? どうせならアイテムや宝箱があるダンジョンが良いのでは? まぁ俺とユキノには、ムリだけどな。


 

「それなら情報収取をしなきゃだよね」


 

 俺がそう言うと、アリスが納得する表情をし直ぐに行動に移した。


 

「おぉ〜! 誰かその辺の人に……あ! すみませ〜ん、ちょっと聞きたいんですけど!」


  

 なんの躊躇いもなく、アリスが辺りにいた人を捕まえる。少し大柄な男性達で、私たちを見るとギョロリと目を動かしてきた。



「……お嬢ちゃん。聞きたいことって、なんだい?」



「効率よく戦って、いい額をもらえる場所って知りません?」


 

 アリスの質問に、大柄の男性は大きな声をあげて笑い出した。椅子にもたれ額に手を置いて大爆笑をした。

 その男の周りも、ドッと笑いが起きた。



「はははっ! ごめんごめん。お嬢ちゃん、戦いたいなら……ダンジョンがオススメだよ」


「まだ、このお嬢ちゃんには早いんじゃ無いか?」



 なんだ? やっぱりダンジョンを勧めてきたか。ダンジョンなら稼げるけど、その分危険度が増すんだよな。俺とユキノは、経験が浅いからムリだろうけどな。強さが欲しい……ユキノと討伐に行くか? 治癒魔法も使えるんだし。


 

 アリスは、少しムッとした表情をすると。表情の変化を見た大柄の男たちは手を振る。



「バカにしてないよ。ただ、本当に危ないんだ」


「うん、大丈夫! 場所を教えて欲しい!」



 アリスは、その男たちのテーブルに手を着き目を輝かせていた。


 ダンジョンは危ないって説明しても聞きそうに無いよな……どうしよ? 説得しても聞くような性格じゃ無さそうだし。


 話は、どんどんと進んでいく。


 

「ここ森林エリアと、隣の砂漠エリアの間にあるよ」



 アリスが、サッと茶色の地図を取り出した。すると、その地図を大柄の男がジッと見てきた。

 何かを考えるような仕草をして、男たちとコソコソと相談を始める。


 真っ白な真新しい地図を、アリスに差し出していた。


 

「それ、少し古いから……こっちの新しいのを使うといいよ」



 大きな身体に似つかわしくなく、優しい男だったようだ。その新しい地図は、まだ新品に近いようでツルツルした質感だ。



「おぉ、これで私も迷子にならない!」



 アリスが、自信たっぷりに宣言をしていた。この反応は行くのが決定をしているよな?



「行く気満々みたいだけど、俺達はムリだぞ? ダンジョンなんて行けるレベルじゃないし。戦闘経験もなさすぎる」



 アリスが、意外な答えだというリアクションをして聞いてきた。


 

「えぇ!? 行かないの??」



 いや、ムリだろ魔物の戦闘は、さっきのが初めてなんだぞ? そんなヤツ二人がついて行っても邪魔になるだけだし戦闘の迷惑になるだけだろ。



「俺達が、付いて行っても邪魔になるだけだしな。あと、一応……フレンド登録をしておいたから」



 少し悩んだ感じを見せたが、覚悟を決めた表情になり笑顔になった。


 

「うーん、そっか! 短い間だったけど、ありがとう! フレンド登録ね、了解!」



 これでアリスとはお別れか、半日位の付き合いだったけど良い勉強になったよ。



「ダンジョンは危ないから気を付けてな。 こちらこそ、ありがとな!」

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