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8話 街の探索

 俺の嫌そうな反応を見た、アリスの表情がムスッとした感じになり少し間をおいた。


 

「あ、嫌だったら配信するの辞めとく?」



 アリスが辞めておく? と言ってるが辞めて欲しいと言うと、せっかくのパーティが解散になってしまいそうだ。アリスの強さが必要だし。



「……別に続けても良いよ」



 立ち止まっていたアリスを、ユキノの手を引きながら抜かし街へ向かい歩いた。

 アリスが抜かされ戸惑った表情をして、後を追いかけてきた。



「えぇ〜、怒ってる?」


 

 後を追いかけてきたアリスが、明るい声で声を掛けてきて心配そうな表情で顔を見つめてくる。


 怒ってはいないが、配信されていると思うとあまり話したくないかな。気まずい雰囲気のまま森を抜け、街へ帰ってきた。


 街へ入ると隣に並んで歩くアリスが、初めての街なので辺りを見回しキョロキョロして楽しそうだった。俺も、今日が初めてなので何があるのか詳しくは知らない。


 そう言えば、森の探索はしたけど……街の探索はしてないな……



「街を見て回る? 俺も宿と森しか行ってないんだよね」


「うん! いく♪ 行きたい」



 アリスに聞いたんだけど、ユキノが行きたそうに答えてきた。目をキラキラさせて早く行こう! という表情をして催促してる。


ユキノが、楽しそうにスキップをし始めると。そのユキノに負けない程に、アリスもはしゃぎだした。



「わわ!! ねぇ!」


 

 アリスがあるものを見つけ、目を輝かせたアリスが駆け戻ってきた。すると、俺の手とユキノの手を引き店の前まで連れてこられた。



「違う違う! これこれ! このタマゴはね、埋めると恐竜が地面からニョキニョキっとね!」



 アリスが、おかしな事を自分で言って笑っていた。


 また配信の会話でもしてるのかな? こんな変な事を言うやつは滅多にいないよな。

 でも、ゲーム内だからホントに、タマゴを地面に埋めると恐竜が出てくる設定なのか?



「え? そんなアイテムなのか? まじで恐竜が?」



 アリスの言葉を信じたのか、タマゴを大切そうに持ったユキノが、おねだりをする顔をして俺の顔を見上げてきた。


 

「ユキノ、それがデカくなったらどうするんだよ?」


「飼うっ! 面倒を見るぅ♪」



  ゲーム内で、そういう機能があるのかもしれないけど……収納とか育成スペースが、と考えていた。

 すると視線に気づきアリスを見ると、ニヤニヤと笑っているのが見えた。


 

「ふふふ。うそだよ〜!」

 


 アリスがおどけてみせているが、ユキノはガッカリとした表情でタマゴを元のあった位置に戻そうとした。


 でも、このタマゴって何? 嘘って言うけど明らかに食用のタマゴじゃないよな。何かを孵化させて育てる系かな?


『ペット用モンスター』と書かれていて価格も、そんなに高くもないし……役立ってくれているし買うか。


「ちゃんと育てろよ?」

「うん。育てる♪」


 

 アリスが驚いた表情をして、貼り紙と俺達を交互に見ていた。あの感じだと貼り紙に、全く気付いていなかったっんだな。

 


「んじゃ、何が産まれるの??」



 アリスが、大声で騒いでいると店の中から人が出てきた。 


  

「いらっしゃい〜。産まれるモンスターはランダムだよ〜」


 店主が、色々なカラーのタマゴは見せてくれた。ユキノはチラッと他のタマゴを見た。だが、自分が持っているタマゴが気に入っているらしく、他のタマゴには見向きもしなかった。


 ユキノがタマゴを自分のお金で購入し、満足気な顔をしてタマゴを抱えてご機嫌に歩き出した。


 そう言えばあのセリフって……幼馴染のナナも昔に同じ事を言ってたよな?



「もう少し見てまわったら宿屋に帰るか」

 

 街の店通りを散策をし終わり、宿屋にアリスとユキノを連れて帰ってきた。

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