4話 食堂で情報の収集
本人が、自分の職業の僧侶を理解をしていないのか……だったら情報収集が必要だなぁ。情報収集は、酒場って聞いたことがあるけど……ゲームとはいえ子供が出入りしちゃ不味いだろ。だったら、ここの食堂で情報収集するか。
近くに居た女性の従業員に声を掛けた。
「あの……話を聞きたいのですが、大丈夫ですか?」
「ん〜暇だから良いよ〜? 何かな?」
良かった。笑顔で返事を返してくれたよ……
「職業の事なんですけど、僧侶って知っています?」
「僧侶ねぇ〜確か治癒魔法とか使えるって聞いたかな」
は? なにそれ? 凄いじゃん! パーティには必要なポジションじゃん!
思わず、笑顔で食事の続きでパクパクと食べているユキノちゃんを見ていると目が合うと、にこっ♪と微笑み返してきた。
可愛いし、治癒魔法を使える子だったとは! 面倒をみるという認識を改めて、貴重なパーティに昇格だよな。
「ありがとうございます。助かりました!」
こうして、ユキノちゃんを見ていると不思議と、可愛いだけではなくて輝いて見えてくる。さっきまでは面倒を見るのが嫌で邪魔者だと思っていたのに、反省だな。
「なぁ、ユキノちゃん。それ食べ終わったら森に、また行かないか?」
「ユキノで、良いよ〜ミスティー♪」
「あのさぁ……俺に話す時に、いちいちミスティって付けるのは恥ずかしいんだけどなぁ」
ユキノが、可愛く頬に指を当てて首を傾げて、俺を見つめて不思議そうな表情をしていた。
「なんでぇ? カッコいい名前なのにぃー」
「格好良いって思ってくれるのは嬉しいけどさ。恥ずかしいって」
「ふぅ〜ん……そうなんだぁ。気をつけるねっ。ミスティー♪」
はぁ。絶対に分かってない。分かってたら嫌がらせだろ……、嫌がらせをするような子には見えないし。天然なのか?
精算は、タケが済ませてくれていたので、そのまま食堂を出て森へ向かった。こうして女の子と二人っきりで歩くのは、親戚以外では初めての経験なので少し緊張をした。
「ユキノって呼んで良いんだよな?」
「うん。特別ね? 他の子はユキノちゃん、ユキノさんって読んでるんだからね?」
それ、なにアピールなの? 特別って……パーティだからだろ? 仲間って感じがして良いね。
「うん。ありがとな。ユキノ」
「ほらぁ〜、ミスティーも最後に名前を付けたぁ〜」
タケ、どこが大人しくて素直で良い子なんだよ。ただ面倒くさいだけじゃないのか? 実は、食堂で女の子と仲良くなったのは、ユキノを押し付けるための口実じゃないのか? 仲良く食堂の会計を一緒にしてただけとか無いよな……
「俺は、名前の敬称の無しの確認の為だし」
「魔物の討伐ってやつをしに行くの?」
人の話を聞いていないっぽいな……。まぁその方が気を使わなくて気がラクかもなぁ。
「そうそうって言いたいけど、魔法の練習と僧侶の治癒魔法の練習だな」
「僧侶って治癒魔法が使えるんだ!? どうやって使うの??」
「治癒魔法は良く知らないけど、相手を回復や治療をするイメージじゃないのか?」
「イメージかぁ〜それなら出来そうかなっ」
ユキノと話をしながら歩いていると、岩を魔法で砕いた場所まで戻ってきた。
「着いたな。練習をするか」
「ミスティーは良いよねぇ……目標物があってぇ〜」
羨ましそうな目で見つめて来られて、気になって魔法の練習ができない。
「だったら……俺で、練習をすれば良いんじゃないのか?」
「え? いいの!? あぶなくない?」
「えっと……そんなキケンなイメージをするつもりなのか?? 止めてくれよ?」
「え? それ……フリ……かなぁ?」
え? 大人しくて素直でって話は? キケンな匂いがするんですけど? フリとか言っちゃってるよ、この子。
ユキノが、にこっ♪ というよりは……ニヤッと笑った。
「フリじゃないしっ。そんな事をしたら、ここでお別れな? 別の人を探せよなぁ」
「ごめん。ごめん。冗談だよーっ♪」
「怪しすぎるってっ」
「むぅ……ひどいぃ」
ぷにぷにしてそうな、ほっぺを膨らませてそっぽを向いた。可愛いと思うが攻撃をされては困るしな。
「ヒドイって言われても、何されるか分からないからな」
「ゴメンて言ってるのにぃ……うぅぅ」
目を潤ませて俯いてしまった。




