3話 タケとユキノ
ユキノちゃんは5年生らしいく髪の毛はピンク色で明るく可愛い。タケとは全然違うな……
タケは短髪でイケメンの顔をしているが、話を聞いている感じだと……性格はチャラい感じだ。だが面白くて俺は好きだ。
「おい。見ろよ。あそこのテーブル可愛い子が2人居るぞ!? 話し掛けてみないか?」
うわ。早速か……女の子を見てニヤニヤしながら、ナンパに誘われたよ。そういうの苦手なんだけどなぁ。
「はぁ? なぁ〜見た目が女の子でも、実は男かもしれないんだぞ?」
「良いの良いの。そんなの気にしてたら楽しめないぞ。どうせなら可愛い子と一緒に居たいだろ?」
俺の意見なんて聞かずに、席を立ち話を掛けに行ってしまった。
まぁ〜楽しんでくれれば良いよ。
料理が来てもタケは、戻って来る気配が無いのでユキノちゃんと先に料理を頂いた。味は美味しく硬いパンをスープに浸して食べると美味しい。歯ごたえも丁度いい。
ユキノちゃんも美味しそうに食べていた。
「ゆっくり食べなよ」
「うん。わかったぁ〜ミスティ」
ユキノちゃんから笑顔で名前を呼ばれると、なんだか恥ずかしい。俺達の食事が終わった頃に、タケが戻ってきた。
「悪い! 食事が終わったら……俺、向こうのパティに入ることになってさ、一緒に討伐に行くことにした! ホント悪い! ここは奢るから勘弁してな!」
はぁ? まぁ世話になってるから文句は言えないけどさ。討伐の約束は? 結局は、俺一人で何とかするしか無いか……引き止めても無駄だろうし。
「そっか。仕方がないか〜分かった。ごちそうになるよ」
「ユキノは、ミスティと一緒に冒険をしろな? 大丈夫だろ?」
「え? うん。わかったぁ〜♪ ミスティと一緒に冒険するっ♪」
ユキノちゃんが、あっさりと受け入れた。知らない人と旅をする事になるんだぞ? 分かってるのか? 俺と一緒で良いのか?
「は? え? ユキノちゃんを、置いてくのか?」
タケが近寄ってきて、耳元で小声で話しだした。
「妹が居る前で、女の子とイチャイチャ出来ないだろ? ほら、これ妹の食費だ。これで頼む!」
そう言われれば、その通りなんだけどさ。俺に押し付けることはないだろ……こんな小さい子が討伐に役立たないだろうしなぁ。
「それと……お前地図を持って無さそうだったから、これやるよ。なんだか変なやつが近寄ってきて渡されたんだけど……ここの地図っぽいぞ。それとユキノの金だ変なやつから人数分渡されたんだ」
手渡されたのは2000メルだった。
「俺は良いけど……ホントに、ユキノちゃんは良いのか?」
ハッキリ言って全然良くないぞ。俺が面倒を見ないとじゃんかよ!こいつぅ……自分だけ楽しもうとして。世話になってるからと言ってもこれは度が過ぎてる気がするって。ユキノちゃんだって、ホントは嫌なハズだぞ!
「うん。別に良いよ〜ミスティ好きだしぃ。カッコいい♪」
「だろ? さっきユキノが、ミスティって……カッコいい! って言ってたしなぁ」
……慕われちゃ文句も言えなくなるじゃんかよ。この兄妹は、何なんだよ。
「じゃあ、俺行くな。ユキノは素直で言う事聞くし、わがままも言わないから。一緒に楽しんでくれよ! じゃあな!」
「……ああ。分かったよ。気を付けてなぁ」
タケが女子パーティと合流し、会計を済ませて食堂を出て行ってしまった。
これで、奇妙な組み合わせのパティが出来てしまった。
タケから渡された紙の地図を見た。これは……うん、ゲームっぽい地図だなぁ。分かりやすくて良いかも森のイラスト、火山のイラスト、砂漠と分かりやすい。
今は、必要ないのでアイテムボックスへ収納をしておく。
ユキノちゃんの職業は僧侶だったよな? 僧侶って……なに? 討伐に役立つのか? 職業だし役立つはずだよな? 役に立たない職業が存在する訳がないし。
「なぁ……ユキノちゃんの職業って僧侶って言ってたけどさ、何か出来るの?」
「わかんないっ」
「戦いとかした?」
「してない。見てた! だって、こわいもんっ」
「魔法とか……?」
「わかんなーい。使えるのかなぁ?」