28話 空エリアのボスとの遭遇
スーちゃんに乗って、隣の島に移動してきた。あの見えていた大きな山は、やはり大きなドラゴンだった。
ゆらりと動き、こちらを下ろしてきた。
青色に光る瞳を、ギョロギョロと動かしている。俺たちを見つけると、耳をつんざくような鳴き声を上げた。みどい色の体にある、トゲトゲしい鱗が太陽の光を浴びる。
「ヒィッ!」
ユキノは、怖くてリリィにしがみついた。優しく撫でられて、少し落ち着きを取り戻す。
――すごい声……!
――さすがボス!!
スーちゃんもなかなかな大きさだったが、それよりもひとまわりも大きな体をしている。
私たちは、そのボスのドラゴンを見上げた。
「青い光……ここの世界は、青色の光は最強なのかな?」
「どうだろうな。でもこのドラゴンは、間違いなくボスだろうな」
アリスは、こくこくと頷く。威圧感で感じる恐怖よりも、ついに出会えた喜びが勝っている表情をしていた。ボスを見上げる目には、喜びが混じっている感じだ。
ホントにアリスは……戦闘狂だな。と、改めて思った。
隣に座るアリスを見つめていた。その視線に気付いていそうだけど……目を合わせてくれない。
――青い光の剣で、青い光の目を持つボスを倒す……
――そうすると、何か起こる??
「ん〜、多分だけど〜。起こらないと思うなぁ。だって、スーちゃんも青色の目だよ?」
リリィは、相変わらずのんびりと答える。ユキノをヨシヨシと宥めながら。
アリスがリリィたちを見て不思議そうな表情をしていた。俺もユキノたちを見て、ユキノが俺以外に懐いているのを不思議に感じていた。
「え、でも!」
「大体のゲームで、青色の光は使われるでしょ?」
目線をぐるりとさせて、思案する。赤の光と青の光は、確かによくみる。
「そっか! じゃあ、たまたま……わわ!」
アリスの言葉を遮る様に、ボスのドラゴンが動き始めた。その動きに合わせて、島全体が大きく揺れ動く。
地震どころの騒ぎではない。
みんなで、地面に捕まって揺れに対応する。もはやこの揺れで、何もすることができない。
「ど、ど! どうする!?」
「アリス、落ち着いて。大丈夫」
「揺れ……落ち着いたな。この島は、傾いたままなのか?」
そう。島はぐらりぐらりと大きく揺れて、止まったと思ったら傾いたままなのだ。
手を離せば、ズリズリと滑り落ちてしまいそうな急斜面。ヒヤヒヤとする、足元。
ごくりと生唾を飲み込み、ドラゴンを再度見上げる。
すると、スーちゃんがバサバサと翼を動かして上空を飛び回る。茶色の体に、大きなツノを光らせている。
「ガルルルゥ」
――スーちゃん!!
――ドラゴン対ドラゴン!?
「なるほど! スー、今までみたいに!」
「スーちゃんっ!」
ここまで旅をしてきた2人からの応援に応えるように、スーちゃんは攻撃をし始めた。
ドラゴンらしい尻尾を、ふり回す。ボスの頭にスーちゃんの尻尾が、当たる。
ボスは星を飛ばしながら、体を持ち堪える。ジャンプを2回して、上に飛び上がった。ボスとスーちゃんの2頭のドラゴンが戦う。
先ほどの揺れで、島の傾きは元に戻った。リリィはユキノを助け、私をワタルが助けてくれる。
「ありがとうっ」
ボスが火を吹き、周りの木々が散り散りになる。スーちゃんも負けじと、氷を出してボスの翼を凍らせた。
――やばっ!
――また、島が傾くんじゃ!?
「ヒィィ!!」
アリスが、俺につかまってきた。アリスを片手で抱きしめて、近くの岩に俺がしがみついた。
翼が凍って飛べなくなり、地面に叩きつけられる。そして、再度大きく島が揺れる。上下逆さまになるのでは、と思うほどの揺れだ。




