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VRMMORPG みみっくver.  作者: みみっく


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21話 空エリアへ

 大きな翼をバサバサと音を立てて、ゆっくりと動かす。振動が足元から伝わり、身体全身に力が入る。


 俺が、力んだアリスを宥めようとスッと手で覆い撫でた。

 

 スーちゃんが、ジャンプをして上空に飛び上がった。ふわりとした浮遊感に襲われた。



「ひぃっ!」



 ――あれ? 高所恐怖症?

 ――まだそんなに高くないよ?



 アリスがプルプルと震えて、半泣きになっていた。繋いでいた手を離して、俺に飛びついた。



「わわぁ……、まだ? まだ……つかないの?」



 アリスが高所恐怖症であることを、俺は知っている。そんなアリスを気遣ってくれていたが、そんなのは気休めにもならないらしい。



「スーちゃん! たかぁい〜」



「うんうん」



 ――後ろの2人は、呑気だなぁ

 ――アリス、そんな怖いのに……なぜ、空のエリアに?



「ちがっう! ひぇ……、怖い〜」



 スンスンと鼻を鳴らしながら、アリスが俺の背中に頭をぐりぐりとした感触が伝わってきた。


 アリスは……何をしてるんだ? それで落ち着くなら良いんだけど。気を紛らわせてるのかな……



 ふわふわとした浮遊感、下の街がどんどんと遠ざかっていき景色が広がり美しい。



「……アリス? こっちにおいで」


 俺が、優しくアリスの腕を引いて前から抱きしめた。抱きしめると、少しアリスは気持ちが落ち着いた表情になった。



 後ろのリリィとユキノは、かなり仲良くなったのかにぎやかにしている。一方で、アリスは多少は落ち着いてはいたが涙目になって震えていた。

 


 ――なんだこの状況〜笑

 ――そろそろ、空のエリアに着く?


 

 リスナーさんにそう言われて、顔をあげてみると大きな島が見えた。



「わ! もう空のエリアだぁ〜! うっ、やっぱり怖い!」

 


 そんなこんなで、空のエリアに到着したが。アリスは、ボス戦をした後のような疲れ切った表情をしてグッタリとしていた。


 高所の恐怖で、スーちゃんから降りたアリスは膝から崩れ落ち座り込んでしまった。




 ――こんなアリス、みたことない笑

 ――大丈夫?




「だいじょ……ばないよ! リアルすぎて、怖いんだよ!!」



 

 俺が、アリスの目線に合わせてアリスの涙を拭いてあげた。アリスが、あまり見せない表情をしていて心配になり顔を覗き込んで心配をした。


 アリスは……大丈夫なのか? ここで少し休んだ方が良いと思うけどな。



「アリス〜、ボスと戦わないの〜?」



 リリィが、棒付きキャンディをクルクルと回す。その後ろからぴょこっとユキノが、顔を覗かせた。



「たっ、戦うもん! いい? 私の青い剣で、ザッと!」

 


 俺の手を取って、アリスは立ち上がって気持ちを切り替えた表情になった。

 空のエリアは、大きな島でできているようだ。


 

 うっすらと雲が、俺たちの足にまとわりつく。




「リリィ! こっち見てぇ!」



 ユキノは、何かを見つけたらしい。手を振って、リリィを呼んだ。



 リリィが近づいていくと、ユキノは満足そうに笑った。俺も気になりユキノたちの方へ近づこうとする。

 アリスが慌てて、俺の服をぎゅっと掴んだ。



「ちょっと、だめだめ!」


「なんで?」



 ――ミスティー、わかってないなぁ〜

 ――あれは、そういうことでしょ!



 アリスは、リスナーさんの意見に同意見しているようで。うんうんと頷いていた。



「あの、リリィが……ユキノだけは、特別な反応をするんだよ?」


「えっ? そうなのか? ……俺は、リリィを知らないからな」



 まだ頷くアリスから視線を離して、2人をチラリと見ている。アリスも俺の服から手を離して、後ろで手を組んでくるりと2人に背を向けた。



「ミスティー! こっちは何があるかなぁ」



 スーちゃんは、アリスたちとリリィ達との間でゴロンと横になって寝てしまった。

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