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2話 お金と食堂

「俺は、敵じゃない! プレーヤーだ。なぁ……友達になってくれないか? 一人でプレーをしててさ」



 草むらから同年代の男の子と、小さな可愛い女の子が出てきた。


「俺達もプレーヤーだ! 敵意は無いぞー」


「ないよー」 

 

「ほら。やっぱりプレーヤーだったなー」


「だねーお兄ちゃん」



  向こうも敵意は無いようで、二人で笑顔で会話をしていた。


 お兄ちゃん? ていう事は、兄妹揃ってゲームをしてる感じかな?


 

「兄妹なのか?」


「あぁ、そうだ。誕生日プレゼントで買ってもらったんだよ」


「うん。プレゼントで貰ったのぉ〜」



 随分と金持ちの家の子供なんだな……2台も!?



「俺もさ〜妹と二人だけじゃ不安でさ。俺達もさっき始めたばっかりで。俺、タケっていうんだ。宜しくな」


「わたし、ユキノ♪」


「俺は、ミスティア」


「な、何だよ!? その名前は」



 俺がミスティアと名乗ると驚いた表情をしていた。


 そんなに驚くことなのか? ゲーム内で本名を名乗る方が珍しく驚きだぞ? 驚くってことは……本名を名乗っているっぽいなぁ。

 


「あーこれゲームで使っている名前だよ」


「すげぇ。カッコいいな」


「ねぇ〜カッコいい。ミスティー」


「うん。ミスティって呼ばれてるね。ミスティって呼んで」



 思わぬ場所で仲間が出来た。タケは面白いやつで、やっぱり人気のある剣士を選んでいた。妹のユキノちゃんは、僧侶という職業を選んでいた。


挿絵(By みてみん)

 

 仲間が出来て心強くなった。しかもタケは魔物の討伐の経験者らしく、さきほど魔物に襲われ剣を突き刺し倒したと言っていた。その話にユキノが頷いていたので多分、本当かな。


 討伐経験者と一緒だと心に余裕ができる。



「なぁ〜ミスティは、職業ってなんだ? さっきはすごい音が鳴ってたけど? 爆弾でも爆発させたとかか?」



 爆弾って……そんな物売ってるのか? そもそも爆弾で魔物を討伐するのか? コストが高すぎないか?? 爆弾の価格を知らないけどさぁ。


「俺は魔法使いだって。爆弾は使わないって」


「あぁ〜魔法の練習をしてたのか。その音か!」


「そうそう。で、タケたちは、どこに泊まってるんだ?」


「俺達は、他の街から来たからこの街には宿屋はとってないぞ?」



 こいつらすごいな……初日で他の街まで来たのか? 今日が初日だろ? 学生だろうし学校が終わって同じくらいにプレーをしてるんだよな? 1時間くらいでたどり着ける街があるってことか。良く辿り着けたなぁ。



「そうか。じゃあ俺の泊まってる宿屋で食事……あ、金が無かった……」



 そうだよ。俺金持ってないじゃん! 宿代どうするんだよ? 支払済みなのか?


 

「仕方ねぇな〜奢ってやるよ。魔物を倒したらドロップをするぞ。魔物をどんどん討伐して稼いで強くならないとな!俺は、ここにくる時に3体倒したしな」



 うわ。タケ、神じゃん。金持ちは太っ腹だなぁ〜。俺もそうありたいもんだな。魔物の討伐か……俺も経験を積んで強くなりたいな。まずは自分の力量を確かめないとな。


 

「そうなのかぁ……後で討伐に出掛けるかな」


「良いなそれ。俺達も付いていくぞ。同じパティだろ! 協力させてくれよ」



 パティかぁ、いい響きだな。そうだよなパティを組んだんだから協力し合わないとな。俺も、タケが困っていたら助けてあげないとな。


 

「悪いな。助かるよ」


  

 タケが、魔物を3体も討伐をして得た2800メルという通貨を見せてくれた。それって価値って? 食事代になるのか? 3人で顔を見合わせて首を傾げた。



「それって大金なのかな?」


「さぁ〜俺も初めて売ったから知らないぞ」


「そうかぁ。取り敢えず宿屋の食堂に行ってみて、価値を確かめないか? 何が買えるのか調べてみようぜ」


「そうだな。いっぱい食べられればいいな! 苦労して倒したんだから」



 苦労したのか……大切に使ってもらわないとな。


 宿屋へ向かい、食堂に入り座ってメニューを見るとパン30メル、スープ200メル、シチュー300メル、肉300メル、サラダ100メルだった。



「思ったより安いな……量が少ないとかか?」



 タケが呟いたが周りを見るとパンもデカイ、スープも結構な量があるのが見えた。


 俺はパンとスープで十分かな……


 タケが店員を呼ぶと同じものを3人分注文してくれた。待っている間に色々と話しをした。やっぱり思ったとおりに学生で同学年というのが判明をした。


 

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