悪役予定の双子が産まれました
3年後。
僕は、3歳になった。
盲目となり、女に捨てられると知った僕は、聖女争いには参加せず、こっそり魔神を倒してひっそり暮らすことにした。
そのため、まず魔神を倒すためには力が必要と考えた。
この世界は、魔法と剣、精霊に神聖力のある世界。
先ずは魔法だと思い、よく転生したらってお決まりの魔力上げを始めた。魔力を感知し、ギリギリまで魔力を使う。毎日汗だくになりながら魔力上げを行った。
コンコンコン。
「坊っちゃま、奥様が産気づきました。」
父と母は、とてつもなく仲睦まじく、どうやら僕に弟か妹ができるらしい。
母の部屋に向かうと、廊下で父とあった。
「おとうちゃま、おかあちゃまは、大丈夫ですか?」
まだ、拙い言葉しかでない。
ウロウロしている父に声をかけた。
「大丈夫だよ。きっと、お母様は強い人だから大丈夫さ。」
自分に言い聞かせる様に、父は言った。
母が産気づき、10時間が経とうとしていた。
「おんぎゃー。おんぎゃー。」
「おんぎゃー。」
2人分の声が聞こえた。僕は、父と顔を見合せ、部屋に入った。すると、そこには両腕に赤ん坊を抱いた母がいた。
「あなた、エリちゃんどうやら双子だったみたい。」
この世界には、エコーなんてない。ましては、エルフは長寿で中々子供を作ろうとせず、子供が出来にくい。そんな中で双子とはさらに珍しかった。
「旦那様、おめでとうございます。男の子と女の子です。」
産婆が言った。僕は、母の腕を覗くと天使のごとくキラキラの金髪に金色のおめ目の双子がいた。
「おかあちゃま!僕の弟と妹は、天使しゃまみたいです!」
「そおね。あなたは、お兄様になったのよ。」
母は、ニコニコしながら僕を見つめた。
「シア。ありがとう。」
父は、泣きながら母に礼をいった。
「あなた、この子達の名前はどうするの?」
母の問いかけに父は、ニコニコしながら言った。
「そうだな、まさか双子が生まれるとは思っていなかったが元々考えていた、男の子ならセオドア、女の子ならルナリティという名前にしよう。」
その名前を聞いた瞬間僕は、前世の「聖女と共に」を思い出した。普段は、冷たく双子に当たっていた僕が聖女と出会い、笑顔を見せるようになった事に嫉妬した双子が聖女に嫌がらせをしたり、仕舞いには、魔神に組し、悪役双子として他国の王子に殺されてしまう。この内容を思い出した僕は絶対にこの双子を守ろうと誓った。