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  12 エピローグ

魔術師団団長の話を断った時、全くその気は無かったが脅しとして国を出て行くと言った事が、思いのほか大きい影響を及ぼしていたを知らなかった、リリアさんが毎日のように屋敷に来るようになったのがそのせいだとは思っていなかったが、サリーさんとメイさん女性三人が毎日のように女子会を開いている、男を寄せ付けない雰囲気があり近寄りがたい、サリーさんとメイさんは可愛い女性だが冒険者仲間と思っているが、リリアさんは公爵家のお嬢様で住む世界が違うのがはっきりしているので、綺麗で上品な女性として見てはいるが恋愛対象には対象外、男の俺にとって女性であって女性ではないような存在だ、平民の俺達にも分け隔てなく付き合ってくれる、性格の良いお嬢様そんな風に見ていた、最近では話していても構える気持ちは無くなり、しいて言えば話していて楽しいと思うようになっている、そんなある日

「明日買い物に付き合って貰えないかしら「」

リリアさんからそう言われたが

「護衛という事ならいつも騎士が二人も付いているし、必要ないだろう」

そう言うと

「だから嫌なのよ、買い物しても楽しくないの」

「だったらサリーさんにでも頼めば」

「私が嫌いなの」

「いや、貴族のお嬢様にしては好きだな、気取って無いし」

「じゃあ良いじゃない、父上も貴方が一緒なら騎士達は連れて行かなくても良いって言ってるし」

「そうなのか分かったよ、別に用事もないし付き合うよ」

この時は何も考えず買い物に付き合う事になった


翌日、貴族街にある俺達の屋敷にリリアさんが来てから買い物に出発した

「どうしたんだ、平民服なんて」

敬語を使わずため口で良いと言うので敬語を使わない

「貴族服では目立つでしょう、今日はのんびりと平民の人達の気分を味わいたいの。本音を言うとね私貴族という事が嫌でしょうがないの、平民の生活にあこがれている」

「仕方ないだろう、そう言う生まれで有り育ちなんだから」

「でもね、お嫁に行ったら自由になれるかも」

「其れは無理だ、侯爵家のお嬢様が平民の所に嫁ぐ事は無いし、諦めた方が良いよ」

そう言うとリリアさんが急に真剣な顔になって

「アリーさん私をお嫁さんにする気は無い?」

突然そう言い出した

「冗談はやめろよ、俺は平民だぞ、しかも天涯孤独の身だ、侯爵家のお嬢様を貰えるわけが無いだろう」

俺は女性と付き合った事もない、リリアさんは恋愛対象にならない存在だから気楽に話が出来ていたが、そんな事を言われると女性として意識してしまうではないか、そんな気持ちで一緒に居たらこんな美しい女性だ、まともに話せなくなる

「頼むからそう言う冗談は止めてくれ、リリアさんはそう言う対象には絶対ならないと思うからこうして話せるが、女性として手が届くと思ったらそうは行かなくなる」

「ええ~、今まで私はアローさんにとってそんな存在だったの」

「そうだよ、だから今日もこうして付き合えている」

「じゃあ、今後は考えを変えて貰わないと、サリーさんやメイさんが言っていたけど女性に興味が無いわけじゃないんだ、メイさん達は私達を女として見ていないとか言ってたけど」

サリーさんもメイさんも可愛いから俺なんかにはもったいない、だからなるべく女性としての扱いをしなかった、あくまで仲間として付き合っていたのをそんな風に思われていたのか

「これからは私も女性として見てください」

「だから、女性として見ているが恋愛対象としては見れないと言っているだろう」

「どうしてよ」

「好きになっても一緒にはなれないからだよ、そんな事辛くて耐えられないよ」

最初に逢った頃は心の奥底でこんな綺麗な人が恋人だったら、なんて考えた事もあったが身分の差から可能性の無さにそんな事は考えなくなっていた、可能なら今すぐ結婚して良いたいくらいの人だが、そんな事はあり得ない事も良く分かっている

「さぁ、馬鹿な事を言っていないで、次は何処に行くんだ」

「貴方なら父は良いて言ってるんだけど」

頭を大きなハンマーで殴られたような衝撃だった

「何を」

言っている意味が分かったようで分らなかった

「貴方のお嫁さんになっても良いって、私逢った時から何故だか分からないけど貴方が気になっていたの、だからあの時指名依頼をしたんだけど、その後の貴方を見ていて好きだと分かったの、先日父にその事を話したらアローさんなら結婚を許すって言ってくれたの」

俺は近くにあった建物に寄りかかり倒れるんを堪えた

「えっ、アローさん大丈夫、どうしたの」

俺は気持ちが落ち着くのを待って

「そんな事が通ると思うのか」

「あら、王様も了承しているって言ってたわよ」

「なんで其処に王様が出て来るんだ、俺は只の平民だぞ、侯爵のお嬢様の相手として認められると思うのか」

「そう思っているのは本人だけよ、貴方の周りは貴方を知っている人達は国の守り神だと思っているわよ」

「そう言うのを過大評価って言うんだ」

「そんな事より、私をお嫁さんにする気は」

「出来るのなら今すぐにでもしたいよ」

本音が口に出てしまった

「やったぁ~、本当に間違いじゃないわね」

「間違えて言える事じゃないだろう」

心臓の高鳴りが胸が卒倒しそうだが何とか平静を装いそういた、そう言う目で見るリリアさんは美しいとか綺麗とか言葉では言い表せない、夢の世界のお姫様に見えた、この人が俺のお嫁さんに、女性に耐性の無い俺が初めて経験したのが、絶世の美女と思っていた人に求婚されたのだ

「うれしい~」

リリアさんが抱き着いて来たが俺には刺激が強すぎた、その後の事は覚えていないその場で気絶してしまったらしい


気が付くと屋敷の俺のベットに居た

「気が付いた」

リリアさんが顔を覗き込んで来た、もう一度失神しそう、サリーさんとメイさんの顔も現れた

「リリアさんに惚れていたなら私達を相手にしない訳よね」

思わず

「其れは違う」

そう言ってしまったするとリリアさんの顔が少し怖くなった

「俺は・・・・・・・・」

ふっと気が付いた、俺はリリアさんに惚れた気持ちを心の中で凍らせて、氷の塊のようにして心の奥にしまっていたんだ、リリアさんの言葉を聞いてその氷が一気に溶けだして、もうリリアさん無しでの生活は考えられなくなっている、俺ってどうかしてない

「俺は女性に全く耐性が無かったんだ、だから女性と付き合い方が分からなくて、サリーさんもメイさんも素敵な女性だしリリアさんは憧れの対象だったんだ」

「分かった、それでリリアさんに言われて失神してしまったんだ」

「恥かしい話だけどそうなんだ」

「そりゃあ無理もないわ、初めての経験がこんな絶世の美女からの告白だもの、気絶しても仕方ないわね」

恥かしくて穴があったら入りたいと思っていると

「天下御免のアリーにもそんな弱点があったのか、ドラゴンも涼しい顔で追い返す奴がリリアさんの言葉一つで失神か、これは極秘事項にしなければいけないな、我が国の守り神の唯一の欠点だからな」

ケリーさんが入って来た

「聞いていたんですか」

「聞いていたかじゃないよ、突然倒れたと聞いて心配したんだぞ、それが何だと告白されて気絶したぁ、病気などでなくて良かったよ、倒れたと聞いて王様迄大慌てなんだぞ」

「何でそこに王様が出て来るんですか」

「そうだな、関係ないか」

ケリーさんが慌てて誤魔化したが、知らない間に俺は国の最重要人物になっていたらしい、魔法が絶対の世界でその魔法を無効にしてしまう俺は、どんな大魔法使いも敵わない最強な存在だったのだ、リリアさんとの結婚はロンバート侯爵はもとより王様も大喜びの出来事だったと言う、これで俺が他国に行く心配がなくなったからだ


俺はリリアさんと結婚した大きな屋敷は断って、ささやかな家で、リリアさんと二人だけで暮らそうとした、だがそれは叶わなかった、屋敷には警護の騎士十五人が交代で詰めメイドや執事その他二十名、上位貴族の扱いだ

「俺は此の世界で最強なんだよな、警護なんて必要か」

「もしもの事があってはならないの我慢して、王様の望むようにして挙げて、他は自由なんだから」

リリアの言う事には逆らわない、それが俺の俺に対する誓いだ決して破る事はしない

「しかし、リリアが望んでいたのは平民の暮らしだろう」

そう言うと

「アリーと一緒に居られるならそんな事どうでも良いの」

そう言われたら何も言え無かった、よく考えたら仕事で出かけた後リリアの事を考えていなかった事に気付いた、それを考えると敬語は足りないくらいだ、どうして俺は行の浅はかなのだろう、そう考えると今の屋敷や使用人騎士達が以前より大事に思えて来た、皆さんには身勝手な主人で申し訳ない

兎に角俺は俺の考えていた以上に今は幸せだ

天空の翼の面々は国軍や近衛兵の師範として働いている、メイさんは王宮の治癒師の長として王宮に勤めている、俺には何の仕事あたえられていない敢えて仕事と言えば偶に王様に会う事だけだ、俺は気が進まないが王様は俺の顔を見ると安心するらしい、侯爵や宰相のたっての頼みだが断ろうとしたらリリアに頼まれてしまった、断れない、これから俺はリリアの尻に敷かれて幸せな一生を送るのだ

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