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  11 破滅

ゴリアス邸に到着し伯爵が侯爵に面会を求めると、待っていたかのようにすぐ中に案内された、門を入ると俺だけに見える大きな魔方陣が屋敷を覆うように展開されていた、魔石を使って結界を張ってあるようだが、中心部に小爆発で小さな傷をつけると問題なく消す事が出来た、通された部屋にも中に入ると魔法を使えなくする魔方陣、特定の人間は魔法を使えるのかな、そうでなければ自分が不利になるがこれも消滅させておく

「これはこれはロンバート伯爵、私に用事とは何事かな」

六十に近いと聞いていたが意外に若く見える男が待っていた、態度は敢えて言うと余裕綽々と言った処か、纏っている雰囲気が何故か不気味な感じだ、紋印をつけた連中はこの建物とは別の建物にいるのが分かる、この部屋からそう離れてはいない

「実は私の関係者が刺客に襲われまして、その刺客がこちらに逃げ込んだようなのです」

「ほぉ~、そんな輩がこの侯爵たる私の屋敷にですかな」

「ええ、間違いありません」

「私がその刺客を依頼したとでも言いたげな顔だが」

「違うんですか」

伯爵がズバリ答えた

「ふぉふぉふぉっふぉ、流石ロンバート伯爵、恐れと言うものを知らない、私に嫌疑をかけるという事は覚悟は出来ておるか、身の程知らずと思わないか」

「疑うのではなく貴方なのですから、如何に陰では王様より力をお持ちだとしても今現在はどうでしょうか、あなたご自慢の魔術師団など無くても国は何の問題なく動いています、貴方の権力の源である魔術師団は今のこの国はどうでも必要としていないのですからね」

「たかだか魔物退治が出来た程度で慢心しているようだが、魔術師団の真の価値を分かっておらぬようだな、魔法の神髄を知らぬ愚か者が私に逆らうは百年早いわ、痴れ者ども灰になれ」

「獄炎」

どす黒い魔方陣が出現し伯爵が何やら詠唱していた

「何も起こりませんね、まさか唱えるだけの魔法が魔法の神髄などとは言いませんよね」

「くっ、何故だ、何故我の極大魔法が使えん」

魔方陣は消滅させてもらった

「さぁ、何故使えないのでしょうね貴方のお屋敷の事故、私にはわかり兼ねますが、お遊びはそのくらいにして改めて犯人達を引き渡して貰いましょうか」

「お遊びだと、生意気な伯爵風情が、ものどもこやつらは我がゴリアス公爵家を侮辱した、生きて帰すでないぞ」

騎士や魔術師達が部屋になだれ込んで来た、騎士達が剣や槍を構え俺達を取り囲みその後ろで魔術師たちが一斉に詠唱を始めたが、魔術師の一人が

「侯爵様、魔法が使えません」

叫ぶようにそう言うと

「そんな筈は無い魔法封じは解除してある」

侯爵たちは戸惑っている屋敷の中なら自分達が有利だと思っていたのだろう

「歓迎されているようだが此処では屋敷を破壊してしまう、無駄に物を壊すのも嫌だから外に出よう」

ケリーさんがそう言いながら、部屋の出口にいた騎士達をロングソードで一薙ぎすると、出口に居た騎士達は床に倒れた

「此処は空気が悪すぎる」

俺達もケリーさんに続いて建物の外に飛び出したが、其処には大勢の騎士達がいた

「「おっ、さすが侯爵家だ騎士が大勢いるんだな」

俺達が身構えると後から来た伯爵が

「ちょっと待って、その人たちは公爵家の人間ではありません」

そう言って俺達の前に出ると

「この絵騎士団の方とお見受けするが」

すると隊長らしき騎士が

「王様は以前から貴方達と明日侯爵を見張らせていた、天空の翼の面々を襲った刺客がこの屋敷に入ったのも確認している、王様は今日この動きに対し私達を出動を命じたのです」

「何故、この絵騎士団が」

後から外に出て来手この光景見たゴリアス侯爵がそう言うと

「近頃の貴方の動き王様は全てご存じです」

隊長のその言葉に

「王様が私を疑っていたとは知らなかった」

へなへなと座り込んでしまった

「ゴリアス侯爵、王宮で王様がお待ちです、侯爵を捕らえよ」

部下に命じると侯爵は観念したのか大人しく従い、近衛兵に連れられて護送の馬車にいれられた

「伯爵、天空の翼の皆さんも同道願えますか」

「分かりました」

敵味方に死者や怪我人を出さずに意外な展開で侯爵は御用となった、こんな侯爵の言いなりだった王様はロクな王じゃないと思っていたが

「なかなかやりての王様という事か」

俺がそう呟くと何時の間にか傍に来ていた伯爵が

「本来は聡明で優れた王様なのだが、今迄魔物に対応するには魔術師団の力に頼るしかなかったのだ、騎士団や国軍だけで対応した事もあるが、、大量の死傷者が出てしまった、しかし魔法によって魔物の力を削った後なら怪我人は多少出たが死ぬものは出なかった、それ以来犠牲者を出さぬためには魔術師団に頼るしかなかったから、理不尽な行いには目を瞑るしかなかったのだ、だが皆お陰で頼る必要はなくなった、今こそ粛清するときと王様は考えたのだろう」

「伯爵は近衛兵が来ることを御存じだったのですか」

「みんなと公爵の動きを王様が監視しているのは知っていた」

「じゃあ、来るのは分かっていたと同じですね」

「まぁ、確実に来るかは賭けだったのだがな」

恐らく伯爵と王様は陰で繋がっているのだろう、魔術師団の大改革を実行すると言う目標の為に


侯爵は猿轡を噛まされ縄で拘束されていた、魔法を使えないように厳重な拘束をしているのだろう、屋敷に張って有った結界の魔法陣や俺達を焼き殺そうとした時の魔法陣を見る限り、ゴリアス侯爵はまさしく偉大な魔法使いである事は間違いないが、此処迄しなくてもと思うほど厳重な拘束だ

この場種は謁見の間と言うのだろう、始めてみる俺には詳しくは分からないが、の一段と高い場所にある椅子が玉座と言うものだろう、其処に座している見るからに気品のある四十代と思われる男性が王様なのだろう

「ロンバート伯爵、天空の翼の皆ご苦労であった、高い処から悪いが礼を申す」

「王様、もったいないお言葉恐れ入ります」

面倒くさい言葉の遣り取りにうんざりしながら、俺には会わないな等と思っていると

「侯爵を自由にしてあげなさい」

王様がそんな事を言い出した

「しかし、危険です」

「天空の翼の皆がいるし、よもや此処まで来て何かしようなどとは思うまい、早くせよ」

侯爵は拘束を解かれるとふ~と息を吐き深呼吸をしてニヤリと笑うと

「王様、甘いですぞ、よもやこれまで此処にいる全員を道連れに」

大きな魔法陣が出現したが俺以外には見えないから、王様は落ち着いていた

「侯爵、この期に及んで悪あがきは止めなさい」

そう侯爵に行ったが

「悪あがきかどうか思い知るが良い」

勿論魔法陣は消滅させてもらってあるが、両手を広げ大きな身振りで魔法を行使しようとしたが、何も起こらない、侯爵は目を見開き呆然としていた

「何故だ、何故魔法が使えない」

「今、此処にいる皆を道連れとか申したが、私はお前などと一緒はお断りだぞ、地獄へは一人で行くとよい、侯爵は情けを必要としないようだ、連れて行け」

兵士に連れられ悄然とした表情の侯爵は連れていかれた

「さて、思いの外騒ぎにならず事は解決した、今後魔術師団は正しき指導者によって生まれ変わらせる事になる、これも一重に伯爵と天空の翼の皆のお陰、伯爵は侯爵に昇爵ゴリアスの所領を任せる、天空の皆には見合った褒美を後ほど用意しよう」

「王様、昇爵の件はありがたく承りますが、領地の件に関しましては」

「どうした、所領が多すぎると言いたいか」

「その通りにございます」

「その程度で多いと言えば私はどうなるのだ、その方の何十倍もの所領であるぞ」

「王様と私を比較されては」

「伯爵、いやロンバート侯爵、その程度の事で戸惑っていられては困な、私は今後のロンバート侯爵に期待しているのだ、我が国の貴族の中では万事に抜きん出ていてもらいたい、他の貴族たちを圧する立場になってもらいたい、領地はその手始めなのだその程度で悩まれていては困る、よろしく頼むぞ、ではな」

王様は座を去って行ってしまったが、伯爵じゃない侯爵は茫然と王様の去った方向を見ていた

「参った、こんな事になるとは」

ケリーさんが

「凄いですね、王様からの信頼の厚さ」

「いや、私には荷が重すぎる」

緊急時だったので他に貴族はいなかったが、宰相が

「ロンバート侯爵、私ともども王様を支えて行ってくださいね」

そう言われて

「私など宰相殿と一緒にされるのは」

「今回の事は貴族の大半がやりたくても出来なかった事なのですぞ、それを成し遂げた器量は大したものなのです、もう少し自分を信じた方がよろしいかと思いますよ」

「はぁ~」

王命に逆らう訳には行かない伯爵は大きな溜息をついた


事件の後俺達一生遊んで暮らせる以上の鐘を貰ったまでは良かったが、王様直属の顧問と言う訳の分からない役を押し付けられた

「俺はこういう事が嫌でソロの冒険者をやっていたんだけど」

俺がそう言うと

「別に魔物対応さえしていれば後は自由なんだから、文句は言わない」

ケリーさん始め全員にそう言われ

「だからってパーティーを抜けるなんて許さないから」

サリーさんとメイさんに両側から攻められ約束させられ、俺は天空の翼のメンバーから抜けられなくなった

天空の翼専用の屋敷が与えられ、使用人の賃金はすべて国がもってくれる、至れり尽くせりの待遇だが、俺はこれで良いのか迷っていたがその上に大事件が舞い込んで来た

「魔術師団団長に就任して欲しい」

王様からの連絡に

「お断りいたします「、どうしてもという事でしたらこの国を出てゆきます」

そう返事を返すと話は立ち消えとなった

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