表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界は占いに支配されている  作者: 米 春幸
第八章 明国編
98/128

世界の最後

 先ほど予感で見たいつかの記憶……。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 功国支部には明国の神官が訪ねてきていた。


「これはこれは……ようこそお越しくださいました。権威あるお二人様に出会えて光栄です」


「悪を放ってはおけないので」

 白い輝く衣装に空色のバッジを身に着けている、水色の髪の青年は言った。


「そう、黒いものには粛清ですよ」

 白い輝く衣装にサクラ色のバッジを身に着けている、ピンク髪の少女は言った。


「素質に更に磨きがかかりましたね」 


「わかります?ゾルさんのその能力は唯一無二の宝ですね」


「ええ、素質が輝いて見えていますよ」



「それで早速本題なのですが、奴らのアジトは判明しています。

ここから北の商業都市カノンの近くのこのあたりにあります。どうかご武運を」


「……情報があるなら楽じゃないですか?」


「そうですね。実に簡単な仕事です。サラ、例の能力は問題なく使えそうですか?」


「大丈夫。問題ないですよ」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 そして今まで起きてきた事をよく考えてみれば……どう考えても不自然な流れ。

 やはり協会の大神官はとんでもない人物のようだな。

 これは俺の怒りもより増幅しそうだ……。


「じゃあ……行ってきます」


 クロアは虹色に輝いている大きな扉をこじ開けた。



「ようこそ、クロア君……。私が大神官でびっくりしたかな?」


「あの、もう別にわかってたんで、そういうのいいですよ」


「そうかい?いや、あの時、あの場所で見つけてからね。

これは実に良い逸材だなと思ってね」


「そうですか……」


「で?今更ここに来て何をしようというのだね?」


「一応、話してみます?」


「私は構わないよ?」


「とりあえず……。引く気はあるんですか?」


「ないよ」


「そうですか。どうやら協会を信じている人達はかなり減らされたようですが?

それでも?」


「そうかい、それでも協会のこの体制を変えるわけにはいかないよ。

朝の運勢は強制的に聞かされるし、所持能力は他言無用。

運勢が悪いものには強制的に白☆チェンジを掛ける。

これで平和が保たれている。

この世界の確立したルールになっているのだからね」


「そうですか……体制を変える気は全くないということですね」


「……もうそんなことはいいから早速やってみようじゃないか、

どちらの能力が勝つか。ワクワクするだろう?」



「まだ俺の話は終わってはいませんが」


「……知っているだろう?

君の黒☆黒い炎の能力は白☆チェンジで打ち消すことができるんだ」


「そうらしいですね」


「君の力はどれほどのものなのか、私に試してみたくはないか?」


「白と黒の能力は人の感情に……。喜怒哀楽に対応してるらしいじゃないですか?」


「そうだね?」


「白☆チェンジが対応しているのは……。確か嬉しい感情か……。

今、その気持ちがあるんですか?」


「もちろんあるとも。ここ最近では今が一番嬉しい時間であるんだよ。

こういう状況もね、実に嬉しいんだ」


「なるほど……。

俺にここでこの能力を使わせることも、全ては初めから仕組んでいたって事ですよね?」


 あの時も……。あの時も、か……。


「そうだよ……?私の素晴らしい能力で感じ取ったんだ。この未来をね」


「誘導するのがうまいですね……。

これで俺の怒りを募らせて、世界諸共ぶっ壊したいってことですか」


「うん、そうだよ」


「どうしてそういう思想になってしまったんでしょうね……」


「はは、君にはわからないだろうから言っても意味はないよ」


「……でも、正直なところ俺はどっちでもいいんですよ」


「そうなんだ?」


「この世界がどうなろうが別に……。どちらにしろ、もう帰るのでね」


「そっかあ」


「でも、その挑発に乗ってしまうのもね、負けな気がしてるんです」


「そうだね、どちらにしても君は勝つことができないんだよ。

このまま逃げて帰っても君の負け。

私の挑発に負けて、怒りの感情でこの世界を滅ぼしても結果的には君は負け。

どっちにしても負けなんだよねえ」


「本当にその二択しかないと思っているんですか?」


「それ以外に何があるというんだ?」


「……こういうことですよ」



 二人は目を合わせると、一瞬の内に同時に能力を発動した。


 クロアの拳から黒い炎がまるで獣のようにうなり、大神官に向かう。

 そのまま黒い炎は真っ直ぐに大神官に向かっていく。

 大神官はチェンジの能力で体全体に白いオーラを纏い、黒い炎の能力を無効化する。


 二つの光はその後しばらく……その均衡を保っていた。 

 だが、クロアの怒りの感情が徐々に能力に反映されていく。


 クロアは過去の自分の怒りの感情を頭に思い描いていき、黒い炎の力を増大させていく。

 時間が経つほど、思いだせば思い出すほど、黒い炎の光は増幅していった。


 クロアの怒りの力は衰えを知らず、やがて大神官の白いオーラをかき消した……。


 そして黒い炎はその広がりを止めずに、辺り一面に溢れて出ていき……。

 明国の中心にある五つの柱は、瞬く間に黒く燃え広がっていった。

 その柱から炎はさらに増大していき……。

 巨大な黒い花火のようになって、世界中へと降り注いでいった。


 そろそろ感情を抑えなくては……。怒りの反対の感情ってなんだっけ?

 わかんないけど、とにかく別のことを考えなくては……。


 止められない……。

 このままじゃ世界が……。大神官の思う壺だ……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ