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世界は占いに支配されている  作者: 米 春幸
第八章 明国編
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情報を漏らさなければ何も問題はない


 明国のとあるカフェでは、白の神官セリスと黄の神官レイが話し合っていた。


「それで一体どうすればいいの?こんな人気が少ないカフェなんかに呼び出して。

……もう一度言っておくけど、私は大神官や組織のボスの正体なんて少しも興味ないからね」


「二人の正体を知りたくはないのか?少しでも気になったことはないのか?」


「別に。……それに知ったら知ったで別の意味で怖そうだしね」


「それなら、情報を漏らさなければ何も問題はない」


「そう簡単にいうけどね、精神的な問題もあると思うけど?」


「そんなものは、精神を強く持てばいいだけの話だ」


「みんな、あなたみたいに強い精神力はないのよ。

……それで?私はこれから具体的に何をするの?」


「……現状ボスについての目星はついてる。今この街にいるのは間違いない」


「そうなの」


「そう簡単にピンポイントで居場所はわからないと思うが、街のどこかに姿を隠し状況を伺っているはずだ。

この数日間の間に、大神官に仕掛けるつもりだろうからな。

裏に金を回せば居場所はわかるだろうが、すぐに移動してしまうので難しくてな」


「なるほど、それで?」


「もうすぐここに、風国から組織の重要人物が来ることになっている。

その人物に直接居場所を聞けばわかることだろう」


「その勿体ぶるような話し方、やめてくれない?

とにかくその人にボスの居場所を今から聞きにいくのね?」


「そうだが、万が一のこともある。一人ではできることに限界がある。

そのためには優れた能力と優れた協力者が必要だ」


「私はその優れた協力者ってわけね?」


「まあそのどちらもって事だ。話が早くて、助かる」


「遅くしてるのはどっちよ」



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 風国の国境付近ではエミール、レナーテ、アイの三人が馬車の中で明国に向かいながら話していた。


「明国まではここからすぐだよ」


「ここが噂に聞く国境ですか」


「そっか、二人ともこの辺りには来たことなかったんだね?」


「そうですね。特に用事もなかったので」


「私は来たことありますけどね。興味本位で何度か」


「そうなんだ、でも用事がなければ国から出ることって普通ないもんね。

特に私たちには自分の持ち場ができちゃってるし。

……でも話を分かってくれて良かったよ。二人が協力してくれるなら私も心強いよ」


「……あの、もう少し聞きたいことがあるんですが」


「なに?」


「その……どうしてアイ先輩は組織に組しようと思ったんですか?

どうもそれだけが引っかかってしまって」


「……それはね、話せば長ーくなるんだけど聞きたい?」


「まあ、できれば手短に」


「そして聞いたら最後、秘密を守る重ーい守秘義務が発生するんだけどそれでも聞きたい?

後で聞きたくなかってのは無しだよ?」


「それは……ちょっと待ってください、少し考えますね」


「もう、エミールは優柔不断過ぎるよ。それじゃあいつまで経っても事の真相はわからないよ?」


「確かにレナちゃんの言う通りだね。

こういう時は聞くなら聞く、聞かないなら聞かない、素早く決断しないと。占い師なら特にね」


「はい、では……。聞くことにします」


「レナちゃんもいい?」


 レナーテはこくりと頷いた。


「じゃあ二人とも、心して聞いてね」


 アイは組織に入った経緯を二人に静かに話した。




「……そういうわけだったんですか。アイ先輩はこの世界の人間じゃなかったと。

そして黒の能力があり、人を呼び寄せるような能力があるとは」


「聞いた話が私の持っている知識と繋がって、協奏曲を奏でてくれました」


「本来なら上級の占い師が知るような情報だから、くれぐれも内密にね。

特に私の事については……話したら最後組織に何をされるかわからないからね?」


「……肝に銘じておきます」


「それは怖いを通り越してます。話したら命も危ないということ……先に待つのは破滅ですね」


「そこまではいってないけど……だから聞かないほうが良いと思って今まで黙っていたんだよ。

でも二人とも真剣に聞いてくれそうだったからさ……。

本当は話したくてしょうがなかったんだけどね」


「これからはうっかり口を滑らさないように気を付けないとですね……」



「それでさ……どう思った?組織は別に悪くないでしょ?

ボスは本当に可哀そうな人だと思うでしょ?」


「事情が複雑な感じですから……僕からは何とも言えないですね。

でも少なくとも、それに協力できるアイ先輩は優しいんだと思います」


「エミ君はそう思ってくれるんだ?ありがと」


「協会と組織、まさに表と裏。

みんなに白☆チェンジをかけらればこんなことにはならないのに。いったい誰が悪いのですか?」


「そうなの、それそれ、本質的にはどっちも悪くないと思うんだよ。

どちらも世界をうまく回そうとしているだけでさ。ただ少し空回りしちゃっているだけで」


「……でも、よくよく考えれば僕たちは大神官様について何も知りませんよね。

そういう人がいる、ということしか。仮にも協会の長なのに、皆もあまり触れてこなかった」


「だから今から組織のボスに会って、大神官様をこの目に確かめに行くんじゃない」


「あ、そうだった」


「もう、しっかりしてよ」


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