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世界は占いに支配されている  作者: 米 春幸
第八章 明国編
88/112

じゃあ俺は……

「クロアさん?何故今こんな話をしなければならないかわかりますか?」


「……いまいちわかりませんけど?」


「もう少し推理力を鍛える必要がありますね。

これだけ話をしても、頑なとして自分の信念を変えない。

つまり、ミルさんは大神官と繋がっている可能性が高いということです」


 ……確かにそうかもしれない。

 でもそれで大神官と繋がっている、とはならないんじゃないだろうか?


「うーん?ミルさん……本当にそうなんですか?」

 半信半疑の表情を浮かべてクロアは言った。


「…………」

 ミルは口を紡いで、俯いていた。


「よく考えてみてください。ここまで指摘したのに自分の考えが変わらない。

普通の人ならさすがにおかしいかも?と思うはずですよ」


「それは……確かに」

 この間話した時もそんな感じだったしな……。



 暫くの沈黙の後、ミルは口を開いた。


「……だから何なのですか?

まさかメーティス様が組織の一員だなんて……。私、正直失望致しました」


「……こんな話を聞いたことがあります。

大神官の家系の者には約束事があって、大神官については一切秘密で通さないといけないのです」


「……」


「あ、ミルさん……どこに行くんですか?」


 ミルは話の最中にも関わらず、外に飛び出していった。


「ミルさん……」

 なるほどな、どこかで聞いたような話だがそういうからくりだったか。

 ……そういえば、ボスの話も確か最初はそんな話だったよな。


「……聞くに堪えずに外に出て行かれましたか。まあ話を聞きたくないのは無理もありませんが」


「これじゃあ、余計にさっきの話が現実味を帯びてきましたね」


「そうですね……。これも予想していた事態ですが」


「わざわざミルさんに直接話す必要はあったんですか?例えそうだったとしても」


「これも必要なことなのです。特にクロアさんにとっては……」


「俺にとっても?」

 なんだか……今回もうまく乗せられたようだな?



「……ではミルさんの能力については後でよく話し合って、クロアさんがチェンジの能力で元に戻してあげてください」


「しかし大神官は敵側なのに、協力してもいいんですか?」


「敵と味方の区別ではありませんよ。捉え方としては、味方かその他大勢です」


 ……いや、それは結局一緒の事なんじゃないか?


「これで私の情報は大神官に筒抜けになるでしょうね。

私は神官の立場から降ろされるかもしれません」


「ということは、ミルさんが大神官のスパイ的な役割もしていたんですか?」


「おそらく、そうでしょうね」


 ……だとしたら、ミアちゃんも同じか?姉妹なら同じ大神官の家系のはずだろうし?


「……そして、ひとつ忠告をいいですか?私にはもうわかっているのですが、

力を上げたおかげで、クロアさんは黒い炎の能力が使えるようになったはずです。

くれぐれも力の使い方には気を付けてくださいね?」


「はい……」


 黒い炎の能力か。もう少し早く使えるようになると思っていたがやっとか。

 自由に扱えれるということは、もう強制的に発動されることは無さそうだな。


「それとクロアさんが知りたがっていた人の居場所の件ですが、組織はすでに居場所を把握しています。

話も一段落したことですし……お教えしましょうか。ビアさん、エルクさん、ミアさん……。

今三人は蛇国にいて、行動を共にしています。近いうちにこの街まであなたを探しに来ることになるでしょう」


「三人は無事でしたか……俺を探しに来るとはね。シロンさんはどうしたんですか?」


「それは残念ですが、まだ教えられませんね。

……ところで例の作戦の決行は数日後に決まったようです。

組織は大神官に接触を図ることになります……。それまでクロアさんはどうなされますか?

このまま力をつけていってもいいですが、やりたいことをやるのもいいでしょう。

もちろんここで元の世界に帰るのもいいでしょうが。どうします?」


「そうですね……。じゃあ俺は……」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 黒☆黒い炎 New!

 黒い炎が自身の体から溢れ出す。炎はあらゆる物を黒く燃やす。

 力が大きいほど威力は強くなる。白☆チェンジとは対の能力。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

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