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世界は占いに支配されている  作者: 米 春幸
第七章 青い世界編
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ちょっと待って。衝撃の事実なんですけど。

 豪華な仮面をしたミスティックのボスが、クロア達の目の前に姿を現した。

 奇妙な色の服装、顔には覆面と仮面を装着し、誰だか全くわからない外見をしていた。


「そうね、二人で話したいわ」


「じゃあ俺は席を外しますね」


 そう言うと、ロルドは二階へと去っていった。



「……あの時以来ですね」


「いつのこと?そんなことあったかしら?」


 ……もしかして、あのアジトにいたのは影武者か何かか?

 確かにあの時は声すらも一切聞いていなかったから、その可能性は大いにある。


「……まずはその覆面と仮面を取ってくださいよ」


「それは無理よ、あなたに能力を使われでもしたら終わりなんだもの」


「そんな能力、俺にはありませんよ?」


「……信じられないかもしれないけどね?

私は相手の能力を全て知れる能力を持っているの」


「信じられませんね」


 声だけでも、ビアさんに似た雰囲気を感じる。

 やはりビアさんの姉、というだけのことはあるな。


「じゃあ今、あなたの所持能力の青☆凝視を使ってみなさい?

そしたらわかるはずよ」


「そこまで言うなら……お言葉に甘えて」

 相手は仮面をしてるけど、いけるのか?


 クロアは青☆凝視の能力を発動した。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 紫☆能力探知

 対象者一人(自分以外)の所持能力を見る。

 相手が能力を発動していなくても見ることができる、凝視の上位互換。 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「これは……」

 本当にあったんだ。しかも凝視の上位互換って……。


「これで分ったでしょう?今のあなたの所持能力は完全に把握済みなの。

言ってあげましょうか?」


「いや、もう今ので十分わかりましたよ」

 これはビアさんよりも怖いかもよ?


「中でも黒☆ガード、赤☆刹那、グレー☆予感……?

これらは厄介ね存在ね。特に黒☆ガード。

これは力を付けられたら、私の能力も効かなくなりそうで怖いわ」


「そんなこと俺に教えていいんですか?」


「信頼してもらうためよ。これで少しは私を信頼したでしょう?」


「まあ、確かにそれなりにはできましたかね」



「……それで私に聞きたいことは何?」


「……黒の炎の能力を強制的に発動させられるのは何故なのかと、俺が元の世界に帰れる方法です」


「なるほど」


「あとは、何故こんな活動を始めたのかも気になりました」


「それで」


「それで……?」


「その情報を教えることに対しての対価は?」


「対価?」


「まさか、何の対価も無しに情報を教えるとでも思っていたの?」


「そんなことは……無いですよ……?」

 さすがはビアさんの姉だ。

 そしてビアさんよりレベルが上だと、今脳に刻まれた。


「じゃあお金を……」


「お金?」


 顔見えないのもあるけど、普通に怖いよ。声が威圧的なんだよ。


「……あとは情報?」


「情報……?他にはないの?」


「……行動」


「そうね。それはとても重要なことよ。

それら全てとの交換条件で全ての情報を話しましょう。いいわね?」


「まあ……」



「じゃあまずは黒の炎の能力を強制的に発動させられることについて。

これには一か月分の神官の給料を要求するわ」


「はい……?それは取りすぎでは?」


「いいえ。どうするの?これがだめなら他の情報も話さないわ」


「うーん」


 これはダメでも元の世界に帰れる方法は聞きたい……。

 これは交渉がうまいというよりは……。

 その威圧感で相手を制しているというべきか。


「……わかりました。ならば詳細に話してください」

 さようなら、俺の一か月分の給料。


「もちろんそのつもりよ。

……黒の炎の能力を強制的に発動するアイテムがあるの」


「なるほど」


「それをこの間使ったのだけど、体は大丈夫だった?今は異常は無い?」


「何故俺の心配を……?」


「別にあなたは敵じゃないもの。あの時は仕方なく使ったのだけどね」


「未来予知の能力ですか」


「そうよ、そうしなければ……。

今ここでこうしてあなたと二人で話をしてはいなかったでしょうね」


「そういうもんなんですね、未来予知って」


「あなたはまだ力が足りなくて、だから黒い炎の能力を自由に使えない。

いつか力がついたら……。その時はアイテムなどに強制発動させられることはなくなるでしょう」


「そうなんですか、それは有用な情報ですね」


「そうね、あとは追加料金だけど……。未来予知の能力について知りたい?」


「え?そうだな……。じゃあそれも」

 追加料金やめれ。


 クロアは仮面の人物から、未来予知の能力の説明を聞いた。


 他人の未来を追体験できたりすること。

 視る時期を指定できなかったり、未来がほんの少し変わってしまったりすること。

 未来予知は黒い素質を持つものに阻害されること。



「じゃあ次に元の世界に帰れる方法についてだけど、そちらは何の情報をくれるつもり?」


「じゃあ……。緑の神官のことについてはどうですか?意外と知らないでしょう?」


「そうね、ではまずは緑の神官について聞きましょうか」


 クロアは緑の神官について、知っていることを全て話した。



「……まああまり興味は無いことだったけど、その気持ちは十分伝わったわ。いいでしょう」


 まあ興味無いですよね……。


「じゃあ元の世界に帰れる方法だけど……。それは占いの書の上級に載っているわ」


「もう少し具体的には……」


「白の能力で帰れるはずよ。黒の呼び出す能力とは真逆の性質を持つの。

それはたしか妹が身に着けていたわね」


「そうですか……」

 ちょっと待って。衝撃の事実なんですけど。

 ビアさん俺をいつでも元の世界に返せたのに、何も言わなかったとか……。酷くないですか。



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