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世界は占いに支配されている  作者: 米 春幸
第七章 青い世界編
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俺は結局囮だったのか

 クロアはマルコスとの対談を終えて、協会風国支部から外へ出た。


「えっと……。ここからは自由行動でいいんだっけ……」


 その時クロアの背後から、リンの声が聞こえた。


「やあ、どうだった?青い鳥の情報は手に入った?」


「まあね……」



「……ところで今までどこにいたんですか?」


「潜入捜査だよ」


「まさか……俺がマルコスさんと話合っている最中に中に?」


「そうだよ。情報を手に入れてきたんだ」


「それって結局……。俺が囮だったってことですか?」


「まあ、そういうことになるのかな?

今日は神官が一人しかここにいなくて、警備も手薄になっていたからね」


 協会も汚いけど、こっちも十分汚いな。


「それでとても貴重な情報を見つけたんだ。

裏の情報屋に聞いてもわからなかったことだよ」


「そうですか……」

 俺は結局囮だったのか……。


「知りたい?」


「……別にどっちでも」


「そんなこと言わずにさ、聞いてよ」


「じゃあどうぞ」


「青い鳥の像のある場所がわかったんだよ」


「はいはい……。え?」



「じゃあ明日にでも、さっそく忍び込もうね?」


「え?俺も行くんですか?しかも明日?」

 普通に行きたくないんだが。


「決まってるじゃん。むしろクロアは作戦の要になると思うよ?」


「そんな泥棒みたいなことをして、本当に大丈夫なんですか?」


「……今まで協会がしてきたことを知っているの?

この世界を支配しているんだよ?」


「……それは違くないか?

確かにこの世界は占いが支配しているような感じだけど。

協会が仮に無くても……。その、占いの支配みたいなのは変わらないんじゃ?」


「そういうことを言ってるんじゃなくてね……」


「じゃなくて?」


「あー、もう言いたいのに言えないよー。くやしい」


「そう……」

 口止めでもされてるのかな。かわいそうに。



「まあさ、とにかくちょっと借りるだけなんだから大丈夫だよ」


「いやでも、それは立派な犯罪なんじゃ……」


 その時クロアの背後から、ロルドの声が聞こえた。


「君に手を汚させはしないさ」


「うわ!びっくりした……。急に後ろから話しかけないでくださいよ」


「ごめんごめん、でも常に周りに警戒をしていないとだめだよ。

君は今組織の人間なのだから」


「俺はまだ組織の人間になったつもりはありませんが」


「君は俺たちにちょっと手助けをしてくれればいいんだよ」


「手助けをすることが、手を汚すことになるのでは?」


「じゃあ、やめるのかい?

その考えなら、今の囮だって十分手助けをしたことに入ると思うが……」


「……どちらにしても、少し考えさせてください」



 三人は東に向かって数分歩き、すぐにロルドの家の前に着いた。


「じゃあ今日一日じっくりと考えてみてくれ。

青い鳥の像は後日メンバーをまとめてから奪いに……じゃなかった。

借りに行くことにする。そのメンバーに君が入るか否かは君の回答次第だ」


「はい……」


「ねえ、今日こそは家に泊まっていかない?」


「……いや、独りのほうが気楽なので」


「そう?食事もおごるのに。

……別に私たちのこと嫌いなわけじゃないよね?」


「それはないですよ……」

 たぶんね。


「そっか、じゃあまた明日ね……。待ってるから」


 泊っていけアピールが毎日すごいけど、もしかしてリンさんは……。


 いやいや、今まで俺を騙していたんだから……。

 最初から、あんなに親しげに近寄ってきたわけだし。

 仲良くなって、俺を組織に入れるつもりなんだろうな。



 クロアは宿屋で一人考える。


 さてどうしたものか。

 今からでもここから逃げるか? でも……それも違う気がする。

 何かこんな時使える能力は無いかな……?


 ……これは、今まで勝手に発動していた能力じゃん。

 情報が見れるようになっている。占い力が上がったからだろうか。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 グレー☆予感

 これから起こることを今までの経験に結び付けて察知できる。

 力が大きいほど正確にわかる。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 クロアは能力を発動した。


 頭に映像が浮かんでくる。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「そう……。それだけでも話したかいがあったわ。……いや、話せて良かった。

あと、言えず仕舞いだったけど、神官への昇格本当におめでとう。それじゃあね」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 これはいつかの……。宿屋でデレた時のビアさんか。

 この映像から推測するに、ビアさんを頼れという意味だろうか?

 どうやらこの能力は未来予知みたいに万能ではないらしい。

 自分で意味を考え、予測しなければいけないみたいだな。


 この国に初めて来た朝に見えた予感も……。

 結局当てにならないで、リンさんとの共同生活はしていないし。

 これは運命でもないし、未来に確実に起きる事でもなさそうだ。

 参考程度にするのがいいんだろうな。



 次の日の朝、クロアはロルドの家を訪ねた。

 家の一階、リビングで二人は話し合っていた。


「どうだ、意志は決まったか?」


「はい」


「俺たちと一緒に青い鳥の像を借りに、行くか?」


「……今は行きません。まずボスに会わせてくださいよ。

神官から情報を手に入れたら、ボスと話ができるという約束だったでしょう?」


「なるほど、そうきたんだな」


「俺は少しでも情報を得ましたし。

俺の囮のお陰で、組織は青い鳥の像のある場所を突き止めた。

情報を手に入れたことに違いはないと思いますが」


「そうだな……。それでは」


 すると部屋の奥の方から、女性の声が聞こえた。


「……どうやら私が呼ばれたようね?」


「ボス、本当にいいんですか?」


 え?この家にボスいたの?


「話をしようじゃないの」


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