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世界は占いに支配されている  作者: 米 春幸
第七章 青い世界編
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それが今回の我々の任務だ

 久々に今日の運勢にでも耳を傾けてみるか。

 まあもうチェンジのお陰で悪くはならないだろうけど。


 クロアの頭の中で運勢を告げる声が聞こえた。


「今日のあなたの運勢は……。ウインドペガサスアジャスターです」


 うーん、どういう意味だろう。こんど誰かに聞いてみよう。


「……よし、行くか」


 クロアは街中で浮かないように、新品の青い服を着て宿屋を出た。



 クロアがロルドの家に着いた時、リンは不機嫌そうな顔をして家の前に出てきた。


「私の今の気持ちわかる?」


「どうやら共同生活は夢の幻だったようですね」


「せっかく二階を完璧にお掃除しておいたのに……」


 結局昨日食事は外で一緒に食べたが……。同じ家で寝るのはさすがにまずいだろう。


 家の扉が開くと、ロルドが顔を出した。


「久しいねクロア君、早速妹と喧嘩かい?」


「もう家に帰ってたんですか、あれからそんなに時は経っていないと思いますが」


「俺はね、最初から君のその才能に気づいていたんだよ?」


「……最初から全部知っていたんですね?」


「まあな」


「色々聞きたいことはあるんですけど」


「そうだな、まずは家に入ってくれ。そこでゆっくり話そうか」



「じゃあ二人して、いや組織として……。

ビアさんやエルクさんを利用していたってことですか?」


「それは少し違うな。別に彼らを利用していたわけではないよ。

ただ一緒に歩みを進めていただけにすぎない」


「本当ですか?」


「ああ、その通りだ。確かに護衛を辞める時、俺はビアさんの怒りを買う為に演技をした。

これでもかと暴言を吐いたさ。そうしなければ未来予知の通りに進まなかったのでね」


「よくそんな怖いことできましたね。ビアさんを怒らせると怖いですよ」


「まあ、すまないと思っているよ。いつかきちんと事情を話して謝らなくてはな」


 さすがに許してもらえそうになさそうだけどな。

 本気で怒っている様子だったし。


「ところで未来予知とは……?」


「その前にボスのことを話さなければな」


「ボス……?」


「まあ簡単に言うと、ビアさんの姉でエルクさんの想い人だ」


「随分と簡単に言いましたね……」


「そうだな、別にもう口止めはされていないんでね。

……だからボスは未来予知の能力が使えるんだ」


「なるほど、そういうことでしたか……」


 ようやくバラバラだった記憶のピースが繋がった気がする。



「じゃあ根本的な問題点ですが、

俺をこの世界に呼んだことに組織は関わっていないんですか?」


「まあ直接的にはね。それはボスの居場所を突き止めようとしたあの男が、

君に対して勝手にやったことで、俺達には何も関係がない」


「でも俺も今は結局こうやって利用されてますよね。

いやもしかしたら最初からなのか?」


「そんなことはないさ。君は別に自由に生きればいい。

ボスの命令も聞かなくていいんだ」


「そんなこと言ったら……。本気でそうしますよ?」


「そうか、それならそれもいいだろう」


「それも未来予知で見たんですか?そう言ったら俺が従うと?」


「いいや違うよ……。俺は君のそういう所が面白いと思っているよ。

未来予知に振り回されないからね。

実際に今までの未来予知の結果も、君のせいで変わって進んできているんだよ」


「なるほど、じゃあ好きに行動していいんですね」


「だが、今だけはこちらについておくことを強くお勧めするよ」


「一体どっちなんですか?」


「メリットがあるんだ。情報をたくさん得れる。

ボスの未来予知の情報を得れる。

あとは情報屋と裏の繋がりがあって、そこからも沢山得れるんだ」


「そうですか……。じゃあ情報だけ抜き取ってさっさとおさらばするとしますか」


「それもいいだろうね、組織から逃げるのは大変だろうが……」


 やっぱり、俺脅されてるんじゃん……。



「組織はこれから一体どうするつもりなんですかね」


「今のシークスフィア協会の体制を変えたいのさ。ただそれだけ」


「そうですか」

 本当にそれだけ、なのだろうか?


「俺たちはその思想に賛同しているだけだ。

そういう者たちを集めてネットワークを作っている。裏の裏でね。

ちなみに全国の街に点々といるんだよ組織の一員が」


「そんなにも勢力は拡大していたのか……」


 うまく未来予知の能力を使ったんだろうな。

 ビアさんよりもより高度に。


「そう言えば、肝心なことを聞き忘れていました」


「なんだい?」


「黒の炎の能力を強制的に発動させられることと、俺が元の世界に帰れる方法です」


「……それはボスから直接聞いたほうがいいかもな」


「知らないんですか?」


「そのほうが楽しいだろうし、もう少ししたら直接会えるだろうからな」


「つまり、教えてくれる気はないんですね?」


「そうだな、言いたくなかったが聞かれたのなら言ってしまおう。

それは、口止めされているんだよ」


 これは元の世界に帰れる方法をみんなして隠しているな?

 ビアさんもエルクさんも知っていそうな感じだったし。



「今日はこの国の、シークスフィア協会風国支部に行ってくれ。

君は神官だから簡単に内部に入ることができるだろう」


「まあ、そうでしょうね」


「そこで君にはある人に会ってもらいたい」


「……何だか大体、想像はつきました」


「そうかい?青の神官マルコス。この国一帯の神官の親玉みたいな人だよ。

今日はちょうど風国支部にいる日なんだ」


 なるほど、ゾルさんみたいな人か。


「それで話をつけて、青い鳥の像の情報を手に入れてきてほしい」


「それはどういうことですか?青い鳥とは?」


「まあ力を秘めた、占い師のアイテムみたいなものだな。

……それが今回の我々の任務だ」


「ロルドさんも入っているんですか?」


「ああ、そうだよ。

そしてその情報をうまく手に入れることができたら……。ボスは君と話がしたいそうだ」


「ボスはうまいこと流れを掴んできますね。

自分のしたいことを未来予知を通じて、うまいことやらせる。

俺がボスに会えるというメリットを与えて、自然と行動をするよう促してくる」


「いいや、全くだよ」


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