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世界は占いに支配されている  作者: 米 春幸
第六章 上級
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君をこの世界に呼んだのはこの日の為だったんだよ

「部屋を用意しよう、存分に話し合ってくれ」



 四人は部屋に案内され、互いによく考えて意見を出し合った。

 が、なかなか他の良い案は出てこなかった。

 ……そして脅迫に屈したくはないが、泣く泣く合意するという結論に至った。


 しかしミアちゃんは完全に機能停止してるな……。

 さっきビアさんが体を揺さぶっていたけど、ロボットのように「はい」としか返事をしないし。

 会いたかった人に今ようやく会えたのに、嬉しいのではないのか?

 まあ状況は状況だけども。



「部屋から出てきたか……。そろそろ話は纏まったかい?」


「……仕方ないから、勝負に乗ってあげるわ。でも私たちが必ず勝つ」


「そう来ると思ったよ。ではまずはルールを説明しよう。説明してくれ、ロルド君」


 ロルドがやって来て、四人をカラフルなテーブルの前に案内した。


「……ここに白蛇のトランプがある。トランプはわかるね?」


 四人は静かに頷いた。


 ロルドはトランプを華麗に混ぜながら、説明を始めた。


「数字は1から13まである。引いた数がそのまま得点となる。

だが指定された条件がある。縁起の良い数字3、5、8なら得点は二倍として、

縁起の悪い数字4、9、13ならその数字分減点だ。そしてスペードのマークは死。

得点はゼロ点。ジョーカーも同様に0だ。それぞれカードを三枚引き、その得点で勝敗を決める。

それを5回行い、勝ちが多いほうが勝者だ。わかったか?」


「……ルールは理解したわ。それで一体何人でやるつもり?」


「そりゃあ、こちらとそちらの代表者の一人ずつだ」


「だがこちら側は……。クロア君に任せようと思っている」


 は……?エルクさん何言ってるの?


「それは……。どういうこと?クロアはこちら側の人間よ」


「それはクロア君次第じゃないか?ちょっとクロア君、こっちに来てくれ」


 呼ばれてクロアはエルクの元に一人向かった。


「クロアに変な吹込みをしないでくれる?」


「そんなことはしないさ。……少し二人だけで話をいいかい?」


「まあ……話だけなら」


 二人は隣にある部屋に、向かっていった。


「一体、あの二人は何を考えているのかしら……」


「ここはひとまず状況を冷静に見守りましょうよ」


「シロンはこんな状況でも冷静で偉いわね。ミアちゃんは……相変わらずか。はぁ……」



「……やっと話せるね。君をこの世界に呼んだのはこの日の為だったんだよ」


「どういうことですか?」


「詳しいことは、そうだな……。面倒だから後回しにして」


 今話してほしいけど。いつも何でもかんでも後回しにするよな。


「とにかくこちら側の代表者として君には勝負をしてほしい。

それが君に能力を授けたことへの借りだ」


 そういえば能力を貰った時、そんなことを言っていたような?

 でもそもそも俺は勝手に、この世界に連れてこられたんだぞ……。


「乗り気はしませんね」


「君はただカードを引くだけでいい。何も考えずに。

クロア君、今君は自由だが自由ではない」


「俺は……。なんだか納得できませんね。

こちらに呼ばれたのもエルクさんが勝手にやったことでしょ?」


「じゃあ君が勝てばなんでも言うことを一つ聞こうじゃないか。

それなら問題はないはずだ。そして君は自由になれる」


 自由、自由って何なんだ?元の世界に帰れないことが不自由ってことか?


「……一体何のためにこんなことをするんですか?

俺を呼び出してまでしたかったこととは、こんなことですか?」


「そうだな、何の説明も無しに今まで悪かったと思っているよ……。

ある人のためだ」


「ある人?」


「まあ君には関係のないことだろうけど……。君には好きな人はいるのかい?」


「まあ……。いないことはないですけど」

 つまりそういうことね?


「じゃあわかるだろう?人への思いの強さがどれ程のものか。

ある人の為ならある人に協力を求める。それだけのことさ」


 まあ言いたいことはわからないでもないが……。こちらとしては普通に迷惑だし。

 あと脅迫だけは駄目だと思うよ。


「……断ってもいいですか?」


「良いのかい?君はこの世界が炎に塗れても」


「いやそれは……。また脅迫ですか?」

 俺にも脅迫か。エルクさんそれは卑怯すぎるよ……。


 だけど……。それは恐らくビアさんが見た未来の光景だ。

 何かが違ったら……。俺はエルクさんに加担していたかもしれない。

 それが何らかの力によって変えられて、俺は今この道に進んでいる。

 ……そんな予感がした。


「……脅迫じゃないさ、今君がここで勝負をしてくれなければ世界が炎に塗れる。

そしてそれは私の手で行われるわけじゃないんだ。詳しく説明できないのが惜しいが……」


 これはどうやら何か事情がありそうだな。


「……じゃあたとえ俺が勝負をして、負けても文句は言わないんですね」


「ああ、そうだ」


「何故それを許せるんですか?」


「もう疲れたのでね。もし君が戦ってそうなるのであれば、諦めがつくんだよ」


「じゃあ、自主的に負けを認めたらいいんじゃないですか?」


「いいや、それでは私の気が収まらない。

君が勝負をして負けてこそ、ようやく私の気が晴れるんだ」


「勝手な人ですね」


「そうだな、今は自分でもそう思うよ……」


 それなら……。こんな勝負すぐに負けてやる。


 そうすれば俺はビアさんにお願いして、元の世界に帰れるし。

 エルクさんへの怒りも少しは収まるだろう。

 そして元の世界に帰り、すべてが終わり元に戻るんだ。


 そうだ……保険をかけておこう。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 赤☆刹那

 対象者一人の運命の一つを一瞬のうちに変える。

 複数の人間の運命が絡み合う場合は無効になる。

 力があるほど正確に願った通りに変わる。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 複数の人間の運命が絡み合っている気がするけど、やらないよりはましだろう。


 今から始めるカード勝負に俺は勝てず、相手が勝つ。

 今から始めるカード勝負に俺は勝てず、相手が勝つ。


 クロアはできる限り念じて、能力を発動した。


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