表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界は占いに支配されている 【第三部開始】  作者: 米 春幸
第四章 ☆もう一人の来訪者編☆
38/108

私の占い力は11920です

 シロンはお城の三階、勉強スペースで意気込んでいた。


 よし、能力の事を勉強しよう。

 なるたけ早く知識を身に着けておいたほうが実戦で役に立つよね。

 それから出かけるのが効率的だよ。


 まずはこの占いの書中級をささっと片付けちゃおう。

 ひたすら読んでその知識を入れる。

 重要な点を書き出す。


 ……こんな勉強なら一生やっていられるよ。


 でも占いの書って誰が作り出したのかな。

 こんなに詳細に書けるなんて。神官が束になって作ってるのかな。


 でも私からしたら、能力なんてすこし邪道だな。

 使えば簡単に占えたりするのは何かおかしいよね。

 もちろん勉強をしなければ、能力は身につかないと書いてあるけど。

 現実と違いすぎるよ。夢だから何でもありなのかもしれないけど。

 

 早く占いの書中級を勉強し終えて、上級に移ろう。


 能力が身に付きました!

 能力が身に付きました!



 今日は行ったことのない、協会功国支部とやらに行ってみよう。

 いったいどんな場所なのだろうね。


 私は神官、とってもえらい。

 なんてもう思わなくてもよかった。

 本当に神官なんだから問題ないんだよね。


 そうだ、地図を持っていたんだった。

 シロンはこの周辺の地図を広げた。


 功国協会支部が功国の中心点にあるね。大きな虹色の建物なんだね。

 ここから南西みたい。



 ここは……。宝石をあしらっていてとてつもなく大きい。

 まるで虹の宮殿。うちのお城とはまた違った良さがあるね。


 早速入ってみよう。


 宮殿の内部には虹の模様が一面に張り巡らされていた。

 すぐに受付があり、フロアが上下左右に広がっている。

 奇麗なところだけど……見入ってる場合じゃない。

 確かここにくれば運命に導かれて、イベントが起こるんだよね。

 まずは案内の人に聞いてみよう。


「すいません」


「はい何でしょうか。……ああ、シロン様ですね。お話は伺っております。

本日は、二階の二番の部屋で、ある占い師がシロン様を待っておられます。

どうぞ行かれてください」


「わかりました」


 私を待つ占い師。さしずめ先生といったところかな。

 私をこの世界に呼んだ人は本当に用意周到だね。


 シロンは階段を駆け上がった。



 二階の二番の部屋にやってきたシロン。

 ノックをして部屋へと入った。


「失礼します」


「こんにちわ、待っていました。シロン様」


 これはまた随分と小さなかわいい子が来たね。

 茶髪でボブのかわいい髪形に紫色のローブ。

 紫色のバッジを身に付けている……。赤と青の能力を持っているんだね。


「シロン様、あんまりじろじろ見られると恥ずかしいです……」


「あら、ごめんなさい。でも占い師は

まず相手のことを見るのが基本だと本に書いてあったので」


「それはそうですけど……」

 ミアはもじもじしていた。


 なんだか可愛い。まるで小動物みたい。


「ごめんなさい……取り乱してしまって……。

この度シロン様の指導をするように言われたミア・ステイシーです。よろしくお願いします」


「シロンです、よろしくね」


 会話の後二人は、虹色のテーブルの前に向かい合って座った。


「あの……指導といっても質問に答えるだけです。

わからないことがあったら、回答できることなら答えます」


「じゃあまず、ミアちゃんは今いくつなの?」


「……15歳です」


「そうなんだ、やっぱり若いね。あと、早速だけど能力を使ってみてもいい?

試してみたくなって」


「大丈夫ですよ」


「じゃあ早速、きええええええええい」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 青☆目視

 対象者一人の占いの力の程度を見破る。

 自分を基準に相手の力量を把握する。

 力があるほど正確にわかる。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 ミアさんの力は6234です。あなたの力は11920です。


「……いきなり大きな声を出すから、びっくりしました」

 ミアは両手で頭を抱えて、机にうずくまっていた。


「ごめん、ごめん、大丈夫?」

 あの占いの塔の時に癖がついちゃったみたい。直さなくちゃね。



「自分の能力を明かさないほうがいいらしいけど、目視って能力わかる?」


「わかりますよ、私も使えます。……あ、言っちゃった」


「私も言ったようなもんだから、お互いさまってことで納めましょ。

……それで力の数値の目安はどんな感じなのかな?」


「普通の、全く何も知らない一般人は100程度です。

ごく普通の新米占い師は3000程度です。神官様は10000以上です」


「なるほど、すごくわかりやすいね。

……あとこれも本に載っていないから聞きたいのだけど、

相手からの能力を防ぐにはどうしたらいいの?」


「それは……相手に自分のことがわからなければ問題ありません。

大体、相手に接触しなければ能力が使われることはありません」


「やっぱり名前も容姿もわからなければ、能力は使われない?」


「はい。見られることで発動する能力。名前と見られることが必要な能力。

ほかにも特殊な例がありますが、基本は名前と容姿を知らなければ使えません。

オリジナル能力のことはわかりませんが。あとは黒の能力のことも……」


「じゃあ例えば、近付く場合には覆面をして名前を出さなければ大丈夫?」


「シロン様、その話をどこで?」

 ミアは深刻そうな顔をしながら言った。


「え?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ