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世界は占いに支配されている  作者: 米 春幸
第四章 ☆もう一人の来訪者編☆
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白い蛇の形のかわいいパンがある!

 シロンはあのふかふかのベッドで寝ていた。


 ああ、夢から覚めてもまだ夢の世界なんて、なんて最高なんだろう。

 朝の学校に行く時間だから、いつもの感じで目が覚めてしまったけど。

 もうすこしだらだら寝よう。寝心地が良すぎだよ……。


「今日のあなたの運勢は……」


 え?シロンの頭の中で運勢を告げる声が聞こえる。


「ピーキーケイオスシルバーソルトです」


 え?なにこれ。どうゆうこと?

 まあいいや、もう少し寝よ。

 

 ……数分後、ドアをノックする音が聞こえた。


「シロン様、入らせていただきます」


 ミリアがシロンを起こしに来ていた。


「シロン様、起きてください。昨日は色々あって疲れたでしょうが。

食事を食べられた後、ゆっくり休まれたでしょう?」


「……そうだね。でもまだ眠いんだ。寝させて」


「だめですよ。朝食はしっかり決められた時間に食べないと。

昨日の夕食と同じ二階の食堂で待っていますから、必ず来てくださいよ」


 ミリアはそういうと、ドアを閉めていった。


 ごめんねミリア……あと少しだけ……。


 シロンとミリアは昨晩、会話が弾んで仲良くなり二人の心の距離は縮まっていた。



 数分後、またドアをノックする音が聞こえた。


「シロン様、入らせていただきます。すいません、言い忘れました」


「うわっ、なに?」


「ちゃんと神官の服を着てから、下に降りてきてくださいね」


「……はい」


 それから数十分後にシロンは目が覚めた。


 お城に住むのはいいんだけど、階段が面倒だね。

 エレベーターは……あるわけないよね。

 私の夢の世界観の雰囲気ぶち壊しだし。


 でもこれから毎日、あの衣装を来て過ごすのかな。

 あの服にも唯一のデメリットがあったんだよね。

 少し重いこと。見栄えは最高なんだよ、見栄えは。



 二階の食堂には数人のメイド達が集まっていた。


 大きな縦長のカラフルテーブルがあり、料理が次々と運ばれてくる。

 ミリアはシロンを見つけると、すぐに近寄ってきた。


「シロン様、食事のあとにこれから生活する上でのルールについて話すので、あとで三階に来てくださいね」


「はーい」

 ルールとは何だろうね?


 そして食事の時間になった。


 朝からこんなに豪華なの……初めてかも。

 テーブルには見たこともない形の色鮮やかなパンが、多数並べられていた。

 もちろん、パンには一切の黒いものはなかった。

 野菜も果物も様々な食器に入れられ、見栄え良く並べられていた。


 これは何だろう。ひと際輝きを放つ白いパンが目についた。

 シロアはそのパンを手に取り、ちぎる。

 白いパンの中に白いクリーム。食べてみよう。

 美味しい。上品な甘さの後に、ほんの少しの苦みがくる。

 これホワイトチョコかな。こんなところにまで白に拘るなんて、さすが私の夢世界だね。


 あ、なにあれ!白い蛇の形のかわいいパンがある!


 シロンは料理の内容にとても満足して、よく味わいながら朝食を食べ進めた。



 えーっと食事が終わったら、三階に行くんだっけ。まずこの部屋の出口はどこだっけ?


「神官様、少しお話いいですか?」

 一人のメイドがシロンに話しかけてきた。


「なんでしょうか?」

 随分と若いメイドさんね。


「私を占ってもらえませんか?手短でいいので、どうかお願いいたしします」


「いいですよ」

 私、能力なんかなくても全然占えますし。


「じゃあ……手の平を出して見せてください」


 若いメイドの子は手を開いて、シロンに見せた。


 ようし、それでは早速見て見ましょうか。

 こっちの世界に来ても、私の手相の知識は衰えてないよ。

 シロンは手のひらをまじまじと見ていく。


 ……えっ、何かが頭に浮かんできたよ。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 青☆手相視

 対象者一人(自分以外)の手相を見ることで、素早く情報を読み取れる。

 通常の手相で読み取れる以上のことがわかる。

 力があるほど素早くわかる。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「どうかしましたか?」


「いいえ。もう一度手をちゃんと見せてください」


 能力のおかげですぐに占える。

 手の平を見ているだけで、頭の中に相手の情報が浮かんできた。

 なにこれ、怖い。


「……何を聞きたいんですか?」


「仕事運です」


「真実をしっかり聞きたい派ですか?」


「うーん、良い事だったら聞きたいですけど、悪いことだったら聞きたくないです」


「よく居るんですよね、そういう人……。

あなたはあんまり占いに詳しくない方ですね?」


「はい……」


 その後シロンは順にいくつかの質問をしていった。

 質問をすることで、記された手相の不確定な要素を消していく手掛かりになる。

 そして質問が終わると、シロンは言い放った。


「あなたは占い師になれます」



 シロンは城の三階、会議室に来ていた。そこにはミリアの姿があった。


「来られましたね、シロン様。では近くに座ってください。

ここで暮らすためのルールを読み上げますので」


「はい」


 なんだろう、少しドキドキする。広い会議室だからかな。

 シロンはミリアに対するように椅子に座った。


「えーっとシロン様は、このまま神官として日々を過ごしてください。

そしてそこに用意してある、占いの書中級と上級の、

一巻から七巻までのすべてをこの一週間で読み切ってください」


 占いの書上級には色があり、本が各々の色に輝いていた。


 すごい!赤、青、黄色、緑、紫、オレンジ。そして白!

 七冊全て揃っている!これこそ神官のためにある神の本だ!

 見るだけで読む気が湧いてくるよ。あーうずうずしてきた。


「興奮されているようですが……今ちらっと見てみてください」


「開いていいの?」


 うわあ。なんだか開いたページから、光が見える気がするよ。

 シロンは占いの書上級七巻を、ちらっと読んだ。

 

 能力が身に付きました!


「どうですか?読めそうですか?理解できそうですか?」


「……もちろん。私が占い好きって知ってるでしょ?とても嬉しい」


「それは良かったです。あとは……」

 紙を見るミリア。


「その紙は何?そこに全部書かれているの?」


「そうです。シロン様をこの世界に呼んだ人から託されたのです」


「いちいち言われなくても、紙を見ればわかるよ?」


「でも確実に伝えてほしいと言われているので」


 ミリアさん、そういうところは真面目。


「大丈夫、ちゃんと理解できるよ。紙があるなら、ちょっと見して」


「じゃあ……」


 ミリアは紙をシロンに渡した。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 ☆シロンの訓練編☆


 ・神官として過ごす。衣装も着てね。


 ・占いの書中級と、上級1巻から7巻まで一週間で読み切る。シロンならきっとできるわ。


 ・一日一回は北西の占いの塔、もしくは南西のシークスフィア協会功国支部に出向く。

 占いの実践を学ぶ。そしたら運命に導かれて、イベントが起こるはずよ。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「……これで終わり?」


「いいえ。紙はもう一枚あります」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 ☆シロンの生活編☆


 ・毎日お金を支給する。


 ・朝晩は必ずお城で食事を食べる。


 他は自由よ。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



「これで本当に終わり?」


「これで全部です。完璧に理解できましたか?」


「理解できたよ。やっぱり最初から紙を見せてくれれば良かったのに」


「質問に答えたり、補足説明がいるかと思いまして」


「じゃあ今聞いていい?この毎日お金を支給します、というのは何に使ってもいいの?」


「自由に使っていいとのことです」


 なにそれ最高だね。


「あと聞きたいことは……私の秘密は誰が知っているの?」


「そうですね。少なくともこのお城では私とメイドリーダーだけです。

でもシロン様は神官として、この世界で普通に生活をして良いです。

その恰好なら誰にも怪しまれることはないでしょうし。

そして協会の許可はすでに取ってありますので、すでにシロン様はこの世界の本物の神官なんです」 


「……そうだったんだ」


 私をこの世界に呼んだ人は何者なの?徹底してるね。


「ルールっていっても、なんだか意外と自由なんだね」


「束縛はだめだと、考えたうえでの選択でした」


 束縛?


「……何も言ってはいけなかったので、今の話は忘れてください」


 私をこの世界に呼んだ人、やはり気になるね。


「私をこの世界に呼んだ人って……」


「今は何も答えることはできません。仮に別の人に聞いても無駄ですよ。

口封じされていますからね」


 やっぱり口封じ。私をこの世界に呼んだ人は相当権力のある人。

 未来予知が使えるなら、おそらく神官なんだろうね。



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