表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/108

これは誰のせいだ

 風が揺れる大地、そこで密かに話し合う者たちがいた。


「この紙切れは?」


「シークスフィアの近辺で見つかった手記です」


「どうやら自分の人生を語っているらしいです。もしかしたら、何か調査に役立つかと思いまして」


「ありがとう、読ませてもらうわ」


「しかしなんだって、神官様がこんなものをお探しに?」


「少し黙っていて……今読んでいるの」


「はい……」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 私は占い師を目指す学生エルク・ウィン。

 占い師の家に生まれ、悠々自適に育ってきた。

 そして今エリートとしてシークスフィアに首席で通っている。


 成績を上げると共に運勢も上がる、占い師の家系の力もある。

 素質も権力もある私は、本当に何不自由なく過ごしていた。

 周りに比べれば運勢の起伏などは無いが、浮き沈みがないありがたい生活をしていた。


 だが、そんな僕にも運命の時が訪れた。

 好きな人ができたのだ。

 所謂一目惚れだ。恋は人を強くする。恋は人を狂わす。

 私は一瞬で彼女の虜になった。


 それからというもの、恋愛成就のお守りを大量に買ったり、

 服装、身だしなみ、マナーなど自分が出来ることはすべてに気を使った。

 恋占いの書物も幾つも読み漁った。


 これで準備は万全。

 告白すればきっと彼女はいい返事をくれる。

 そう思っていた。



 そして運命の日。

 私は彼女を食事に招待した。

 だがそれが運……


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「ここで途切れている……続きが気になるわ。この続きはないの?」


「はい、残念ですが、この後のほとんどの文字が読めなくなってしまっていて……」


「かろうじて読める言葉のかけらを解読した部分しかないんです……それでも宜しいですか?」


「ええ、ぜひお願いするわ」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 これは誰のせいだ


 これは誰のせいだ


 きっと彼女は……が最悪だったのだろう。

 僕は何もできなかった。

 優れた一縷の占い師が持つといわれる能力。


 未来予知……。彼女はその事を、誰かから聞いたのだろうか……。

 僕がその能力を持っていたら、止められたのかもしれない。


 これは誰のせいだ


 これは誰のせいだ


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ