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世界は占いに支配されている  作者: 米 春幸
第十章 再異世界編
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修行よ、修行

「ここが蛇国か」

 噂には聞いていたけど、随分と開けたところだな。

 人もたくさんいて何だかごちゃごちゃしている。……確か前に調べたよな。

 一番広い国なんだっけか。


「じゃあまずは向こうに見える、大きな建物に行きましょう」


 二人は蛇国に着くなり大きな情報屋に行き、情報をいろいろと聞いた。



「やっぱり、前協会を未だに信仰している……残党がこの辺りにいたようですね」


「まあ協会について詳しい話を知らされていないからね……仕方ないのもわかるけど」


「でも、片付けられてて良かったですね。私たちの手間が省けました」


「ビアさん達が先に来ていたとはね。一言言ってくれれば良かったのに」


「向こうにも何か考えがあったんでしょうね。じゃなきゃ普通は同行しているはずですよ」


「まあそう考えるのが妥当だよね」




「さて大神官の使いの人から、ビアさんに一度会うようにと言われたけども。

本当に近くにいるのかな?」


「こういう時に私の能力が役に立ちますね」


「あーそうだね、えっと人を探せる能力ってどんな感じなの?」


「直感で分かる感じですね、こっちにいそうって。

そしたらいるみたいな。黄色の能力は大体そんな感じと聞きましたが、知りませんでしたか?」


「なるほどね、俺も黄色の能力持っているし、確かにわからない感覚ではないな」


「じゃあ早速……。なるほど近くにいられますね、どうやらあっちのようですよ」


「町が結構入り組んでるなあ、これじゃあ目的の建物に着くのにも一苦労だよ」


 二人はその後、蛇国の国境近くの街を彷徨った。




 ようやく目的の建物に着いた二人は、ビアと話していた。


「残党を対処してくれたのは助かりましたけど……。

それで、大神官から俺を追いかけるようにと?」


「まあそういうこと。それでどう?決心はついたのかしら?」


「……道中でもいろいろ考えましたけど、ここまできたら力になるしかないかと。

どうせ向こうではそれ程時間は経ってないですし……。

で、残党たちのアジトはこの国のどこにあるかわかってるんですか?

後はさっさと捕まえればいいんじゃ?」


「決心がついたのなら良かったわ。

……でも乗り込む前にね、やるべきことがあるの。そのために私はやってきた」


「……何ですか?」


「修行よ、修行!」


「は?」


「クロアの能力の修行が必要なの」


「いやそんなことしなくても、俺大丈夫なんで」

 そんな修行回とか別にいらないんで……。


「何言っているの?しでかしたことを忘れたとは言わせないわよ?」


「それは俺じゃなくて……」


「さ、つべこべ言わないで試しに今、私にあの炎を放ってみなさい?」


 こないだと違って、まーたツンツンしてるじゃん?なんで?


「……今ここでビアさんに?どうなるかわかりませんよ?」


「それでもいいわ」


「なるほど?白☆チェンジの能力で中和するつもりですね?」


「もちろん、できなかった時はわかってるわよね?」


「いや……」

 なんかめんどくさいな。



「ねえ、何故私がこんなことしてるかわかる?」


「他に適任がいないからとか?」


「私自身が望んだからよ」


「ふーん……」

 そうきますか……。


「じゃあ、そろそろ放っていいですか?」


「あ、やっぱりちょっと待って。心の準備が」


「あ、はい……」


「力加減の調整はできるのよね?」


「い、いやあどうかな……最近使ったことないしな」


「いいわ、とりあえずやってみなさい」

 ビアはそう言うと、受け身の体制をとった。


「……もう、どうなっても知りませんよ」


 クロアは能力を使い、拳から黒い炎を出した。


 黒い炎はビアの体をかすめて、真横に落下し少しの間黒く燃えた。


「ひっ、危ないわね」


 あんたが使えって言ったんや。



「……やっぱりまだ自分で自由にコントロールはできないのね?」


「まあ……」


「……前に約束したでしょ?

私が持っている占いの上級の書を全巻読ませてあげるって」


 そんなこともあったような気がする……。


「その約束を果たしてなかったじゃない?ずっと心残りでね」


「あの、正直普通に忘れてましたが」


「だから何冊かの書を持ってきて、修行に付き合うことにしたの。

敵軍に乗り込む前に能力により磨きをかけなくてはね?

そうでもしないと……。向こうの組織は思っている以上に危険よ?

この街のある場所に、訓練場を借りたわ。十分に修行できるようにね」


「随分、張り切ってますね……」


「あと五日」


「え?」


「あと五日であの組織は行動を開始するの。それまでに何とかしないと」


「期限付きかよ……。でもビアさんなんでそんなこと知ってるんですか?」


「少しだけだけどね、未来が見えたのよ」


「どんな?」


「私たちが修行を初めて丁度五日後に、相手は動き出すの。

そしてそれを私たちがうまいこと阻止する未来がね」


「じゃあその能力で見た通りに行動すれば、全部うまくいくってことですね?」


「そういうこと」


 でも能力を使えるようになったんなら、俺を今すぐにでも元の世界に返してくれよ……。


 そしてクロアの修行の日々が始まりました。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「あの、私はどうすれば?」


「セレネさんは私たちのサポートを頼むわ、たくさん頼みたいことがあるの」


「はい」

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