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世界は占いに支配されている  作者: 米 春幸
第十章 再異世界編
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黒い傷跡

 大神官の面会を終えた二人は、次の作戦について話していた。


「じゃあまずは占いの城によって、

占い師達の能力を白☆チェンジで戻してあげるわけですね?」


「そうだね、ここからならちょうどいい寄り道になるし。

あとは協会に属していた残党勢力がこの辺りにもいるらしいから。

もし見かけたらうまく対処しないと」


「私も少しお話を聞いてきました。私も言動には気を付けないとですね」

 そう言うとセレネはフードを深くかぶった。


「作戦を決めておこうか。いざという時に使えるサインとか」


「わかりました」



「そういや能力でさ、何とかならないかな?

俺が無事に任務を達成できる運命にするとか」


「私にそんなに大きな運命を変える力はありませんよ?

頑張ってもほんの少しぐらいの足しにしかならないです」


「そうかあ……。確か能力で変更後の運命がわかるんだったよね?

じゃあ実質、未来がわかるってことと同義か?」


「それは違いますよ、運命は簡単に変わってしまいますし……。

未来は確定ではないです。能力を使用しても、その望んだ運命により近付くという感じですよ。

……忘れちゃいました?」


「そうだったっけ……?」

 普通に忘れてるよ?確か赤い能力の話を誰かに聞いたはずだったんだけどな。


「……じゃあさ、セレネさんの黄☆ルックって能力はどういう能力?」


「それはですね……簡単に言うと人探しの能力ですね。相手のいる場所がある程度わかるっていう」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 黄☆ルック

 人を探しだす能力。力があるほど強く探し出せる。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「そうか、それは結構便利な能力っぽいね。特に今のこの状況だと」


「確かにそうかもしれませんね?

……もし誰か探したい人がいるなら教えてくださいね。大体の場所はわかると思うので」


「それは助かるよ」

 まあ、今のところ会いたい人はいないがな……。

 …………いないよな?




 占いの城の付近に来たか。大神官に寄って行けと言われたからな。

 塔の近くだからか、ここまで何も問題はなかったけど……。


 この街も随分と変わってしまったな。

 もう少し明るい街だったと思うんだが、少し静かになったかな。

 ……俺のせいらしいんだが。いや元はといえば、大神官のせいだな。


「……クロアさん?あっ、じゃなかった……アロクさん」


「そうだよ?俺はアロクだよ?二度と名前を間違えないでね?」

 大神官に言われたとはいえ、偽名に偽名を重ねることになるとはな……。

 ただ反対にしただけなんだけど。


「そうですね、すいません……」


「気を付けてよ。周りに人がいなかったからまだよかったけど……。

ところでさ、この街にはどのくらいの被害があったの?実害的には」


「それは……向こうを見てください」


 二人が見た方向には、ところどころ黒い傷跡が残っていた。

 道が多少ひび割れていたり、カラフルだった町並みは多少黒みがかっていて、黒い炎の衝撃の跡が残っていた。


 なるほど、数か月経ってもいまだに黒くなっている場所があるわけだ。

 俺の能力の影響だよな……?

 この辺は塔から割と近いからだな。あの時の事を思うと……こうなっても当たり前か。


「こっから向こう側は手付かずか……。なんで処置をしなかったんだ?」


「うーん……。たぶん教訓にしているんですかね?補修できるのに、わざとしないのは」


「……そう言えば一般人にはなんて言っているんだ?あの時のこと」


「協会の大神官と組織が争って、こうなったと。でも結局、平和的な解決をしたと……。

ここも、いずれは……どうにかすると思いますよ」


「そうか……」



「相変わらず、すごい建物だな」


「ここの占い師たちは能力は使えないので、今は古来の方法で占っています」


「なるほどな」

 この世界で能力を使わないなんてな。

 俺も最初はそうだったっけ……。


「最近は落ち着いてきましたが、当時は混乱が凄かったです。私も対処に回ったんですけど」


「だろうな」


「……ここにいる占い師たちにできるだけ能力をかけて回りましょう。

大神官から話は聞いているはずですから」


「そうだね、できるだけね」


「でもアロクさん言動にはくれぐれも気を付けてください。正体がばれるとまずいですから」


「ああ、わかってる」


 俺は蛇国の辺境の地出身の新人占い師、アロクだ。


 そして二人は占いの城の占い師たちに白☆チェンジを掛けて回ったのだった。


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