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世界は占いに支配されている 【第三部開始】  作者: 米 春幸
第二章 中級 能力登場編
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譲り受けた能力

「……」


 確かこういう感じで目を閉じ念じながら、瞑想をする。

 すると念じた能力が発動する。

 神官さんのやっていた方法を真似してみたが、意外と自分でもできるもんだな。


 クロアはマグマの運勢を自力で解除した。


 しかしビアさんはとんでもないことをするもんだな。

 いや、本当は俺を思ってのことなのかも知れないけど。

 

 しかしお陰で能力の使い方がわかってきた。この能力は使える……。 

 運勢を変える能力か。


 ビアさんの口ぶりから察するに、どうやら俺が元の世界に帰る方法はあるらしい。

 嘘の可能性もあるけど……。

 俺が能力をうまく使いこなせば、聞き出すことは十分可能になるだろう。

 しかしそのための準備期間がかなり必要だな。



 クロアは塔での事を思い出していた。


 タロットカードを捲ったら、黒い何かが湧き出して倒れたんだよな。

 結局あの塔は元の白い塔に戻したらしいけど……。

 でもどうやら、あれはカードの力じゃないらしい。

 エルクさんの力。それがカードの力を依り代にして生まれた。

 カードはエルクさんの力を媒介したに過ぎない。


 どうやらそれが発動すると、抑えきれない黒い力が発動して倒れてしまうらしい。

 ちょっとしたきっかけでその力は暴発する。それを抑えていたのがマグマだ。


 このマグマはちょっとやそっとのことでは取れない呪いみたいなもので。

 取り除くためには相応の力が必要だ。でも俺は力を授かったらしいんだよ。


 その力でマグマを解除することも可能だし。

 力を抑制する力も得たので、暴発することもない。

 つまりはゲームでいうチート的な能力を手に入れたって感じか? 


「これだけはエルクさんに感謝しないとな」



 この占い中級書物によると、占いを勉強しその力を高めると、能力を得ることがあります。

 ……と書いてある。

 能力など全然知らなかったので、俺が今まで学んでいたことは初級の事だったのか……。


 例えば赤なら決められた事に関与する能力。

 青なら見る力に関係する能力。

 黄色なら直観に関係する能力。

 白については……載っていなかった。


 つまりその色に関係する能力を、会得できる感じだ。

 これを得られると、占い師としての格もワンランクアップするらしい。


 俺はその中のいくつかの能力を授かったらしい。

 赤の能力……青の能力……黄の能力……。


 手っ取り早く元の世界に戻る方法を、ビアさんに聞きに行ってもいいのだが。

 まずは能力の使い方を学ばなければ、危険だろう。

 それに……最悪の場合も考えられる。

 能力の使い方を学び、力を高めることが、

 元の世界に帰ることにも繋がっていくと確信した。


 クロアの運勢は占いの勉強をすればするほど、恐ろしいほどに変わっていった。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「君はクロア君だね」


「あなたは誰ですか?」


「私はエルク・ウィンという者だ」


「へえ」


「君をこの世界に呼び出したのは私だ」


「唐突にそれは……。怒っていいですか?」


「いいよ、でも時間がないので早めにね」


「やっぱいいや。どうせ無駄な時間だろうし。それで俺に何の用ですか?」


「君に私の能力を譲ろうと思う。きっと君はうまく使いこなすことだろう」


「ふーん……勝手な人ですね」


「君の方にも責任があるんだよ」


「責任?」


「君と私はよく似ていた、だから……」


「へぇ。全然似ていないと思いますけどね」


「いいや。少なくともあの時、私たちはリンクしたんだ」


「はあ……?」


「おっと時間がないようだ。そういうことなので……」


「自分が言いたいことだけを言って去るんですね」


「くれぐれもビアさんを傷つける事などはせず、お守りしてくれよ」


「あの人?ちょっと苦手ですね」


「頼んだよ、じゃ」


「あっ聞こえてないな、これ」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


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