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世界は占いに支配されている  作者: 米 春幸
第九章 日本編
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VTuberの運命は変わるか

 コンビニの店内のモニターには広告が映し出されていた。

 明るくポップな音楽とともに、VTuberを紹介する映像がひたすら流れていた。


 カラフルな世界観だな。でもあの世界でもう散々見飽きてるんだよな。

 しかし新人VTuberがデビューか……。


 ……そうだ。適当なVTuberにでも赤☆刹那の能力を発動してみるのはどうだろうか。

 もちろん当たり障りがない範囲で……。例えば再生数を少し増やすとか。

 個人勢なら認知度も無いし、大人数に影響もでないことだろう。

 それに相手にとっても良いことだろうし、罪悪感もない。


 ……果たして実際の顔も名前も知らない人物にも能力は効くのだろうか?

 試してみる価値はあるな。

 これが効くか効かないかで、今の状況がよりわかるだろうし。

 ……俺にもう少し使える能力があったら良かったんだけど、今は仕方ないしな。



 さて、早速試してみよう。能力は画面越しでも聞くのだろうか。

 確か相手の本名がわからないと効かない能力や、相手の顔を知らないと効かない能力があったはずだ。


 なんだったっけ……。

 こんなことなら、あの時にしっかり覚えておくべきだったな。

 ……しかし今は嘆いていても仕方ない。

 そうだな、とにかく適当に個人勢 新人VTuberとかで検索して……動画の再生数が少ない人に使ってみよう。


 うーん、わかりやすいことといえば配信中に……。

 いや、それでは迷惑がかかるか?

 じゃあ、ある動画の再生数を1000ぐらい増やしてみよう。それなら問題ないはずだ。

 適当に選んで……。この人でいいや、では早速。


 この動画の再生数を1000ぐらい増やす。


 この動画の再生数を1000ぐらい増やす。


 クロアはできる限り念じて、赤☆刹那の能力を発動した。



 ……どうやらうまくいったようだな?

 この数分で一桁だった動画の再生数が急激に増えている。目標の1000にはまだほど遠いが。

 さすが刹那の能力だな。

 しかし急に再生数が増えるのはどういう仕組みだろう?

 能力の運命に導かれて視聴者がやってくるのか?それとも能力は機械にまで干渉できるのだろうか。


 ……いや、これは単なる偶然かもしれないし、もう一度試してみよう。

 ついでにどのくらい複雑な運命まで受け入れられるのか。

 どんなことならうまくいくのかを検証しなくては。


 もう少し複雑な指示にしてみよう。


 この動画が……SNSで話題になり人気になる。


 この動画が……SNSで話題になり人気になる。


 クロアはできる限り念じて、赤☆刹那の能力を発動した。


 さあどうだ?


 ん……?お、早速どっかの誰かが話題にしているな。

 これはうまくいったって事で良いのか?でもこれは複数の人間の運命が絡み合っているんじゃないのか?

 やはりいまいち基準がわからないな。じゃあ次は……。


 それからもクロアは赤☆刹那の能力の使用を数回試みた。



 ……どういうことだろう。

 だんだんと能力が効かなくなっているようだな。

 回数が増すごとに力が無くなっていってる気がする。

 調子に乗って能力を使いすぎたかな……。


 今や簡単な指示にも全然能力の効果を発揮しない。

 最初に感じた、能力が効いた感覚も全くしていないし。

 いったいどうなっているんだ。


 こちらの力不足は間違いない。最初の簡単な要求すらうまくいかなくなっている。

 最初は効果があったはずなのにな。


 能力のデメリット……。

 能力を使うごとに感情が吸い取られるらしいけど。

 そもそも感情とはなんなんだ?数値化できるものなのか……?

 具体的に聞いとくべきだったな。

 ……他の能力も一応試してみるか。まずは白☆チェンジの能力から使ってみるか。


 クロアは能力が使えるかを順に確認していった。



 やっぱり他の能力も力が薄れているらしいな。

 白☆チェンジの能力もいまいち効いた感じがしないし。


 原因がいまいちわからないし……仕方がない。これはもう一度白井さんに詳しく話を聞いてみるしかないか。

 この世界にはあの人しか頼れる人はいないもんな。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



「うえわ、こんなに再生数が伸びてる。これならもう少し続けてもいいかも」


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