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世界は占いに支配されている  作者: 米 春幸
第九章 日本編
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チート生活

「朝か……」

 さて今日の運勢は……。


 ……そうだった、俺はもう日本に帰ってきたんだったな。

 いつもの気持ちで耳を傾けてしまった。


 しかし、朝の運勢を聞けないから、今の自分の運気がわからないな。

 あれだけは今思えば良いシステムだったのかもしれない。

 世界中の人々に強制的に聞かせるのがダメだったってだけで。


 ……って今となってはそんなことはどうでもいいか。

 昨日は白井さんと話して……。

 そうだ、この世界でも能力が自由に使えるんだったよな……。


 能力を使ってこの世界でできることは何か。

 今日はそれを真面目に考えてみるかな。



 まず……やはり金か?

 くじを買うとか、ギャンブルとかか?

 能力の力を借りれば儲け放題で、すぐに大金持ちだよな。

 だがそもそも俺は未成年だったから、向こうの世界みたいにはいかないか?

 それに今はいろいろと規制もあるしな。ギャンブルは無理……か。


 ……くじについてはどうだろう。

 大勢の運命が関わるかもしれないから、赤☆刹那の能力では無理かもしれないな。

 ここで使える俺の能力といえば……。黄色の能力、カミングパワーか?

 ここにきて黄色が一強になるなんてな。向こうではあまり使えない子だと思っていたのに。

 でもこれがうまくいけば一生遊んで暮らせるかもな……。


 あとは刹那で俺の運命を変えていけば、基本俺の思い通りにできるわけだ。

 運命が複数人に跨っているとできないけど、そこにさえ気を付ければ大丈夫だ。

 うまく使えば色々なことができるかもしれない……。


 ……だがあの話を聞いた手前、能力の連続使用には気を付けなくてはな。

 感情を奪い去られたらどうなるかわからないし……。

 下手したら、大神官の二の舞になってしまう。

 いやもしかしたら……自分が気付かないだけで、もう影響は出ているのかもしれない。

 とにかくこれからは慎重に考えて能力を使わないと……。 



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 クロアは早速能力を試してみることにした。


 さあ、これから俺のチート生活が始まるんだな。

 まあ今まであれだけのことをされてきたんだ。ちょっとぐらい楽しんでも罰は当たらないよね?


 さて、まずは試しに何からしてみようか。

 俺の基本の運勢を上げることからか?

 あの世界から運勢が引き継がれてるかわからないし。

 白☆チェンジで運勢が上がれば、良いことばかり起きるはずだよな。


 しかし一気に大金を掴むのも夢があるな。お金さえあれば、大体のことはできるわけだし。

 あーなにからしよう?嬉しい悩みだなあ。


 ……やはりまずは赤☆刹那の能力かな?

 だが、俺にそこまでやりたいことがあっただろうか?

 それに能力がうまく使えたとしても、罪悪感は生まれてきそうだな。

 本当に必要な時だけ使うべきか?使いすぎも良くないわけだし。


 ……夢や目標が明確にある人なら、良いんだろうけど。

 いや、あったとしてもすぐに目標に到達出来たらつまらなくないか?


 うーん……。わからなくなってきたぞ。


 それによく考えてみたら……。能力の使用が誰かにばれたらまずいんじゃないか?

 数回ぐらいの使用なら許されるかもしれないが、何度もあんなことをしたら。 

 いや待て、それを証明する手段はないのか?だとしたら……。



 ……決めた。

 最初の能力の使用は、やはりくじにしよう

 お金さえ手に入れば、そこから先は能力がなくても何とでもなる。

 よし、能力を使ってくじを買ってきて……。

 すぐに結果がわかるやつにしよう、そうすれば効果があったのかもすぐにわかる。

 一回ぐらいならデメリットも大したことないだろう。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 削って当たりが出たら、即当選か。

 これならすぐに結果がわかるし、一回ぐらいなら怪しまれないだろう。

 よし早速能力を使ってと……。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 黄☆カミングパワー

 運を引き寄せる能力。勝負事で使え、力があるほど強く運を引き寄せる。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 何だかわくわくするな。


 ……これで良いんだよな?


 そう、俺はたまたま運が良かったんだ。


 うん、これ一回でやめるさ。


 今までの悪い運を帳消しにするためだ。


 そう、今回だけだ。


 大丈夫、悪用はしないさ。


 あー、これが頭の中にいる天使と悪魔ってやつかよ。


 どうすればいいんだ。


 ……やっぱこれ、相当罪悪感あるわ。




 一体これはどういうことだ。


「嘘だろ……?これもはずれ、あれもはずれ」


 ……何故だ、何故能力の効果が発動していないんだ?

 能力の力が弱まっているのか?

 まさか俺が私利私欲のために能力を使おうとしたから?

 それとも、そこからくる罪悪感からか?


 ……それ以外に考えられるのは。

 まさかまだ黒い炎の影響が俺自身にも?

 しかし黒い炎の能力は、使用者自身も影響を受けるものなのか?

 確かにあの時……。使った後、一時的に全身の力が抜けたけど。

 あれはもう俺のチェンジの力で良くなったはずだし……。


 白井さんとのカード勝負の時は使えたはずだ。

 あの時、能力は普通に使えていたのに。それにその時も一回ずつしか使ってないし。

 このままじゃ俺のチート生活が……。



 いやたまたま、黄☆カミングパワーの能力の発動条件を満たしていなかっただけかもしれない。

 こうなったら、もう一つの手段だ……。


 赤☆刹那の能力。これで運命を変えてみるか。

 えーっと、まず自分自身に発動してうまくいくか試してみるか?


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 赤☆刹那

 対象者一人の運命の一つを一瞬のうちに変える。

 複数の人間の運命が絡み合う場合は無効になる。

 力があるほど正確に願った通りに変わる。エルク・ウィンにしか使えない。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 しかし何を試そうか。

 何か条件を満たしつつ、罪悪感も生まれず、効果がわかりやすい事とは……。


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