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旅行先で目を覚ましたら武田勝頼になっていた私。どうやら自分が当主らしい。そこまでわかって不安に覚える事が1つ。それは今私が居るのは天正何年?  作者: 俣彦『短編ぼくのまち』
第一部長篠ー方針ー

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謝罪

 前夜。自らに苦言を呈して来た内藤昌豊と高坂昌信に、両者と同じく信玄時代からの重鎮馬場信春と山県昌景の4名を集めた武田勝頼。その場で……。


「申し訳無かった。」

と3年間他国とのいくさを禁じた武田信玄の遺言を破った事を謝罪すると共に、今後の協力を依頼した武田勝頼。それに対し……。


内藤昌豊「殿。謝る必要はありません。その時の山県様が置かれた状況を考えれば当然の事をしたまででありますので。」

山県昌景「東濃は信長に。野田は一度は捕らえた城主に奪還され、作手の奥平は徳川により買収された挙句、離脱。極めつけは遠江の高天神……。」

馬場信春「その状況にあっても『遺言を守る。』と殿が仰っていましたら間違いなく……。」

高坂昌信「殿を引きずり降ろしていましたね。」

馬場信春「間違いない。」

高坂昌信「山県様と同じ状況に、うちもなる危険性はあった……。」

内藤昌豊「上杉か?」

高坂昌信「左様。」


 当時、織田信長と上杉謙信は同盟関係にあり、信長は謙信に信濃への出兵を要請。


山県昌景「本当は思っていなかっただろ?」

高坂昌信「そのような事は御座いません。」

山県昌景「謙信は一向宗への対応で手一杯だったんだからさ。」

内藤昌豊「その段取りを組んでいたのが馬場様。」

馬場信春「当然の事をしたまでよ。」


 馬場信春は越中の一向宗と連携し、織田信長と同盟関係にある上杉謙信を釘付けにする事に成功。


高坂昌信「とまあ我ら一同。殿の決断に感謝しています。」

内藤正豊「酒の席とは申せ、出過ぎた事。お詫び申し上げます。」

私(武田勝頼)「それは何より。今後とも宜しくお願いする。」

内藤正豊「勿体ないお言葉。」

私(武田勝頼)「内藤の言葉を一晩考えていたのだが。」

武藤喜兵衛「(えっ!?お前風呂入ったまま意識飛んでたじゃん!!)」

私(武田勝頼)「私は所詮猪武者。亡き父信玄からも叱責を浴びる事しばしであった。つまり私は見えている敵しか見えてはおらぬ。一方、内藤は兵站全般を見ているし、高坂はこれまで最もいくさの激しかった北信濃で上杉謙信と相対して来た。これは想像の域を出ないのであるが、事前に打ち合わせをした上で、私の所に訴え出たと思っている。もっと言えば、ここに居る馬場と山県も同じ意見では無いかと見ている。私の想像が間違っていたら訂正してくれ。」

高坂昌信「私が一番言いやすい。管轄地が静かな状況にありますのでお答えします。殿のお考えの通りであります。」

私(武田勝頼)「気になっている事を教えてくれ。」

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