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待ち構えている運命

 快進撃を繰り広げた天正2年の武田勝頼。そこに転生した私。勝頼治世において最も恵まれた年に転生する事が出来た幸運に感謝するも……。


私「(その次に来るのが……長篠の戦いか……。)」


 翌天正3年の武田勝頼に待ち構えていたのが長篠の攻城戦に端を発した設楽原の戦い。ここで敗れ。主立った重鎮の多くと美濃三河の権益を失った勝頼は、部隊の再編や上野など東への勢力の拡大に務めるも及ばず。最期。織田徳川。そして北条の大軍による挟撃と、身内となった重臣衆。更にはほとんど全ての国衆の裏切り、降伏により武田家は崩壊。その端緒となったのがこの戦い。是が非でも勝たなければならないミッションなのでありますが……。


私「(いくさの仕方がわからない……。出来る事であるならば避ける事は出来ないものか……。)」

「殿。如何なされましたか?」

私「そう言えば、そなたの名前を失念しておった。申し訳ない。教えていただけないか?」

「記憶が飛ぶくらい飲んでしまったのですね……。私は武藤喜兵衛と申します。」


 聞いた事が無い……。


私(武田勝頼)「お父上の名前は……。」

武藤喜兵衛「真田幸隆に御座います。」

私(武田勝頼)「と言う事は養子?」

武藤喜兵衛「はい。亡き御館様の奥近習に取り立てていただきました後、今の武藤家に入る事になりました。」

私(武田勝頼)「と言う事は真田家は……。」

武藤喜兵衛「はい。兄2人が父の跡を受け継ぎ、信濃東部と上野を担当しています。」


 なるほど。


私(武田勝頼)「ところでさ。」

武藤喜兵衛「如何なされましたか?」

私(武田勝頼)「昨夜飲み会が催されたって言ったよね?」

武藤喜兵衛「はい。」

私(武田勝頼)「高天神城奪取を祝しての……。」

武藤喜兵衛「えぇ。」

私(武田勝頼)「そこで何か変わったは無かったか?」

武藤喜兵衛「いえ。皆上機嫌で酒を酌み交わしていました。」

私(武田勝頼)「私の所に来た者は居らなかったか?」

武藤喜兵衛「殿のお立場がお立場でありますので、全ての家臣が酒を持って殿の所に赴いていました。」

私(武田勝頼)「そこでのやり取りで変わった事は無かったか?」

武藤喜兵衛「無礼講ではありましたが、それを鵜呑みにする者は当然居ません。」

 

 無礼講だの 言葉を信じ ハメを外して 職探し。注意しましょう。


私(武田勝頼)「誰かをかばっては居ないよな?」

武藤喜兵衛「いえ別に……。」

私(武田勝頼)「今後の武田について危機感を覚えている者は居なかったか?もし居たら教えて欲しい。」

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