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山家三方衆

 武田方から徳川方へ鞍替えした奥平貞能と貞昌親子は元々作手を拠点に構える国衆。この奥平の他、長篠と田峰の菅沼氏を合わせた山家三方衆は相互の意見を一致させ、時には松平。時には今川。家康の独立と今川の衰亡により再び徳川(松平)。今は武田とその時々の情勢に応じ、所属先を変える事により生き残りを図って来た国衆の連合体。しかし今回の奥平親子の動きはいつもと異なる点がありまして……。


高坂昌信「しかし(奥平親子の父)貞勝はうちに留まっているよな?」

山県昌景「えぇ。今も作手を任せています。」

高坂昌信「何故そうなったと見ている?」

山県昌景「牛久保領で揉めまして。」

高坂昌信「牛久保で?」

山県昌景「はい。奥平も含め山家三方衆を帰属させるにあたり、彼らは幾つか条件を出して来ました。1つは彼らが今持っている権益を認める事であります。」

私(武田勝頼)「何か手を入れたのか?」

馬場信春「亡き御館様に命じられ、彼らの目と鼻の先に城を建てたのは事実であります。」


 奥平の本拠地作手城から馬場信春が武田信玄に命じられ築いた古宮城との間は、わずか500mしか離れておらず共に旧作手村の中心地に位置します。


高坂昌信「嫌がらせですね。」

山県昌景「しかも周りは山間部には貴重な水田が広がっている。良い場所に城を拵えましたね。」

馬場信春「だろ?」

内藤昌豊「裏切らせる気満々でありますね。」

馬場信春「でも親父(奥平貞勝)は残っているのだろ?」

山県昌景「はい。馬場様が原因ではありません。」

高坂昌信「言わされていないか?」

山県昌景「先程も述べましたが、奥平親子の裏切りの原因は……これ(古宮城)もあるかもしれませんね。」

馬場信春「私に責任を押し付けるつもりか?もしそう言うのであれば仕方が無い。お前の管轄も全て私が……。」

山県昌景「そうではありません。」

馬場信春「本当か?その場しのぎの取り繕いの言葉ではあるまいな?」

山県昌景「間違いありません。」

馬場信春「なら良い。」

私(武田勝頼)「話を続けてくれないか?」

山県昌景「はい。問題となったのは牛久保領と西郷領であります。」


 牛久保領は今の豊川市牛久保周辺地域の事。西郷領は今の豊橋市嵩山など旧八名郡地域の事。


山県昌景「牛久保、西郷両地の配分について彼らと揉めてしまいまして……。」

私(武田勝頼)「安堵するだけで良かったのでは無かったのか?」

山県昌景「問題はそこです。」

私(武田勝頼)「教えてくれ。」

山県昌景「牛久保と西郷に我らが彼らに安堵する事の出来る土地はありません。」

私(武田勝頼)「どう言う事?」

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