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船形山城

 その頃、山県昌景と小幡信貞。そして武藤喜兵衛は、攻略目標である吉田城へ向け一目散……では無い様子。そんな彼らが向かった先。それは……船形山城。この城は15世紀末。今の豊橋市南東部雲谷町にある船形山の山頂に築かれた城で今川氏は三河進出の。徳川家康は三河の防衛並びに遠江進出の足掛かりとしてそれぞれ用いた城。徳川家康の浜松進出に伴い、その役目を終えていたのでありました。出陣前……。 


高坂昌信「吉田は堅く、徳川直轄の城。調略は不可能でありますし、落とすのにも時間を要する事になります。加えて此度の作戦で我々は豊川以南の獲得を狙っています。その東は徳川領。故に船形山を無視するわけにはいきません。」

山県昌景「確かに。ただ船形山は南に突出した場所にある。一宮は囲まれているとは言え、川を越える事が出来れば何とかなる。それに作手長篠を動かす事により野田を挟み撃ちにする事も可能。一方の船形山が敵に攻められた場合、退却路は北しかない。しかも徳川の勢力圏を通らなければならない事に加え、救援に向かう事が出来る者も居ない。吉田城と相対しているのがその理由。そんな危険な場所に武藤を残して良いものだろうか……。」

小幡信貞「その事についてでありますが、高坂様より船形山は私が守るよう指示されています。」

山県昌景「えっ!?そうなると吉田は俺独りで攻めろ。と言う事か?」

高坂昌信「いや。それは考えてはいない。」

山県昌景「しかし今回の目的は吉田城の攻略であろう?」

高坂昌信「その通りであります。」

山県昌景「吉田城を内から崩す事は。」

高坂昌信「出来ません。」

山県昌景「ならば力攻めしか無いであろう。」

高坂昌信「その通りであります。」

山県昌景「それを俺独りで!?」

高坂昌信「いえ。ここに居る我らの作戦は吉田に牛久保そして野田の攻略ではありません。孤立化であります。その布石の1つが私と真田が狙う一宮の砦であり、山県が進み。小幡が守る事になる船形山であります。しかしこれでは不十分であります。方法は違えど各々の城を攻略するための資源。兵力が不足しているからであります。これを補充するための足掛かりを築くのが我らの役目であります。」

山県昌景「そうなると私が進むべき場所は吉田では無く……。」


 それぞれが最初の目標と定めた一宮砦と船形山城をそれぞれ無血で手に入れる事に成功した高坂昌信と山県昌景。ここを拠点に真田兄弟と山県昌景が向かった先。それは……。

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