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戦時下

高坂昌信「しかし一向宗による統治は、越前の国人衆が期待とは異なるものであった?」

馬場信春「高坂の言う通りである。一向宗から派遣された指導者連中は、織田に降った旧朝倉家臣が持っていた権益を一向宗に協力。更には一揆の中で功績のあった越前の国人や寺社勢力に分配する事は無く、全てを自領化。そればかりでは無く織田信長から越前守護代に任命されていた桂田長俊の時よりもきつい税と労役を課したと聞いている。

『戦時下であるから。』

と……。

 越前はこれまでの寺内町や加賀の時とは異なり、立ち上げたらそれで終わりと言う事にはならない。越前を持っていたのは美濃尾張から畿内の大半までを支配する織田家。必ずや報復の軍勢が。大量の兵で以て押し寄せる事になるのは必須の情勢。これに対抗ために必要なのが戦い続けるための経済力。まず自分を優先しなければならない状況にあったのでは無いかと。」

高坂昌信「しかし事情が事情とは言え、一向宗に対する期待が大きかった分、失望も大きかったのでは?」

馬場信春「その通りとなってしまった。一向宗の統治に対し越前の国人や民。天台宗に真言宗。更には一向宗と同じ浄土真宗の高田派が反発。そればかりか身内である(一向宗を信仰する)門徒の中からも離脱者が出る始末。」

高坂昌信「そこに織田が満を持して侵入して来た。一向宗に恨み骨髄の越前の者共が先兵となって……。」

馬場信春「故に撫で斬りにまで発展したとも言えるかも知れぬ。」

山県昌景「統治する事を考えた場合、(撫で斬りや奴隷として他国に追放する等により)数万にも及ぶ民を越前から消し去るような真似は出来ないのだが。」

内藤昌豊「越前は今、どのような状況になっている?」

馬場信春「織田信雄は越前を織田家重臣柴田勝家に与え。前田利家に佐々成政。不破光治の3名を補佐役に任命。更には飛騨との国境大野に金森長近と原長頼が入った。恐らく信長の頃から決まっていたのでは無いかと。」

高坂昌信「人ならいつでも補充する事が出来る。と言う事か……。」

馬場信春「如何にも。……そう言えば最初、信長から越前の守護代に任命された桂田長俊は朝倉時代。然したる身分のものでは無かったと聞いている。」

山県昌景「越前の膿を全て寝返った者共に出させるために桂田を指名した?」

馬場信春「その可能性を否定する事は出来ない。」

高坂昌信「柴田に越前を任せた。と言う事は、越前を維持するためだけでは無い?」

馬場信春「北陸攻略を指示されていると見て間違いない。」

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